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2025/08/14

フィンランドの作曲家、パルムグレンの曲に挑戦中

久しぶりに、ピアノの話題です。
 「北欧のショパン」と呼ばれるノルウェーの作曲家、グリーグ (1843-1907) の「叙情小曲集」を、約1年半かけて楽しみながら全曲弾き終えました♪

次は何に挑戦しようかな~と選んだのは・・・
やはり北欧(フィンランド)の作曲家、パルムグレン Selim Palmgren (1878-1951) の「ピアノ名曲集」です。


娘のピアノの先生が、ピアニストの館野泉さんの大ファンだったので、先生おすすめのCDを買ったことがあります。
それに入っていた、本当に雪の降る情景が目に見えるような「粉雪」という曲に惹かれたのが、パルムグレンとの最初の出会いでした。
それまで全く聞いたことのなかった作曲家です。

さっそく楽譜を買って練習。(娘ではなく、私が・・・)
この曲だけは弾けるようになったものの、残りは今までそのまま放ってありました。

でも最近、グリーグシベリウス (1865-1957) など北欧の作曲家の音楽が結構好みだということに気付き、パルムグレンの他の曲にも挑戦してみることに・・・

館野泉さんが編集したこの名曲集、最初に「三つの夜想的情景」という三部作が載っています。

第1曲の「星はまたたく」「星は瞬く」というタイトルになっていることもあり)にチャレンジしたのは、ちょうど父の命日でした。
キラキラと透明な高音が並ぶ愛らしい曲は、心に染み入る清らかなメロディーで、天上の父からの贈り物のように感じました。

フラットが5つの変ニ長調、ピアノで弾くのに一番好きな調です。
ショパン「雨だれ」「子犬のワルツ」リスト「慰め(コンソレーション)」「ため息」ドビュッシー「月の光」もこの調♪
「月」つながりで、ベートーヴェン「月光」の第2楽章も変ニ長調なのです。
なぜだかこの調には、心が洗われるような澄み切った美しさを感じるのが不思議・・・

「星はまたたく」という曲は、たったの2ページでテンポもゆっくり。
すぐに弾けて、すっかり良い気分になっていたのですが、第2曲目に苦難が待ち受けていました!
「夜の歌」という曲で、何だかおどろおどろしい雰囲気で始まります。
最初はまあまあでしたが、第1ページの最後の段の譜読みの難しさったら。。。
(そう言えば一番最初に出会った「粉雪」も、真中部分の譜読みに手こずったっけ)

右手は4つの音を同時に押さえる和音が続くのですが、個別にフラットがついたりナチュラルがついたりで、なんじゃこれ?の世界です。
これは、何度も弾いて体で覚えなくてはいけなそう。

別にレッスン受けているわけじゃないし、この曲は飛ばしてしまおうかな~と怠け心も芽生えたのですが、YouTubeで音源を確かめたら、独特の世界観がとても魅力的で捨て難い!
気を取り直して練習を続け、だいぶまともに弾けるようになってきました。

「夜の歌」は気長に攻めていくことにし、並行して第3曲の「曙」へ。
これがまた、神秘的な魅力にあふれる曲♪
後半のハープのようなアルペジオ、何だかモダンな音使いで素敵です。
3曲続けて完璧に弾けるようになるまで、頑張りますよ~

その次の「5月の夜」、そしてそれに続く「とんぼ」まで挑戦しました。
まあ、どれも名曲揃いだこと!!

私の住むミネソタにはスカンジナヴィア系の人が多く住み、気候も似ているとのこと。
私が北欧の音楽に心惹かれるのは、ここで慣れ親しみ愛するようになった美しい自然の情景が、曲の中にちらちらと見えるからなのかな。


それでは、館野泉さんの演奏で「三つの夜想的情景」をどうぞ♪



恐ろしく季節外れですが、どうせなので「粉雪」もぜひ聴いてみてくださいね。
しんしんと降り続ける粉雪が目に浮かび、少しは涼しくなるかもよ。

2024/09/24

2年前の新年の誓いを、ちゃんと果たせたよ ♪

今年の9月は暖かい日(時には暑い日)が多かったせいか、紅葉はまだまだです。
夫は、今年最後の庭の芝刈り。落葉も一緒に刈り込んでしまいます。

今のうちにしておかないと、もっと後で本格的な落ち葉かきをする時に、葉が長い芝に引っかかって厄介なのでね。



9月は色々とあって、本当にあっという間でした。
やっと落ち着けた感じのする今週、久しぶりにピアノにも向き合っています。

2年前の2022年、「新年の誓い」のひとつに「ベートーヴェンピアノソナタを全制覇」という壮大で無謀なものがありました。ブログ記事はこちら ⇒ 50年分の垢を落としたら
それが、もうすぐ果たせそうです♪

多分、少なくとも3年はかかるだろうなと思っていましたが、ほぼその通りでした。
初めのほうはそれほど難しくなくてどんどん弾けたのに、終わりが近づくにつれてどれも大作続き。
フーフー言いながらの旅となりました。

それでも、今日は一番最後の第32番の第2楽章(この曲はこれが最終楽章)にどうにかたどり着き、楽譜に今日の日付を書き残しました。
もちろん、これからもっともっと練習して弾き込むのですけれど。


有名な第8番「悲愴」と同じハ短調で、重々しく始まる第1楽章から一転し、ハ長調の第2楽章「アリエッタ」は穏やかで、まるで天使が舞い降りてきたかのよう。
トリルが続く部分は、キラキラと光り輝いている印象です。

多分全てのピアノ学習者は、一番易しいハ長調の曲から練習し始めると思いますが、その基本に戻り、なおかつ「ハ長調でもここまでできるぜ!」と、あらゆる技巧が盛り込まれたすごい作品となっています。
ベートーヴェンの曲の持つパワーに、本当に圧倒されてしまう・・・

弾きながら最後のページへの譜めくりをする時、深い感慨にふけってしまいました。
小学生の頃から親しんでいるこの古い楽譜、弾いたことのないページに出会うことは、人生でもう2度とないのだ・・・と。

一番最後の和音を弾いた時、涙が出そうになりました。
喜びと悲しみ、人との出会いと別離、色々なことにずっと寄り添い続けてくれたベートーヴェンへの曲への感謝でいっぱいです。

この曲が書かれたのは、ベートーヴェンが51歳だった1822年
既に聴覚を失っていたにもかかわらず、あの偉大な「第九」と並行してこのピアノソナタに取り組んでいたのです。
ロマン派のショパンリストは、まだティーンエイジャーにも達していませんでした。

ベートーヴェンは多分、やりたかったことは全てやり切って、満足してピアノソナタの作曲を終了したのでしょう。
耳が聴こえなくても、心の中に響き渡る音を楽譜にしてしまう・・・これはもう、神のなせる業としか言いようがありません。


ベートーヴェンのピアノソナタが「新約聖書」に例えられることがありますが、「旧約聖書」にあたるものは何だかご存知ですか。

「音楽の父」とも呼ばれるヨハン・セバスティアン・バッハの、「平均律クラヴィーア曲集」です。
これも、ピアノのレッスンを受けていた学生の頃に、第1巻の半分位までは弾いたのですが、それっきり放ってありました。

実はこちらも、その先のまだ弾いていなかった曲にチャレンジし続け、昨日第2巻の一番最後の曲にたどりついたばかりです♪


綿密に計画したわけでないのに、「旧約聖書」「新約聖書」ほぼ同時に最後の曲に到達したとは不思議だこと。

「平均律」は、バッハの他の曲集(「ゴルトベルク変奏曲」「パルティータ」「イギリス組曲」「フランス組曲」)と並行してだったので、とても時間がかかりました。
多分、左手首を骨折してしまった2017年に、「平均律クラヴィーア曲集」の中から指ならしで既に知っている曲を何曲か弾いてみたのが、全曲チャレンジしたいと思ったきっかけだったのではないかしら。

ショパンも熱心に研究していたという「平均律クラヴィーア曲集」は、他の作曲家にも多大な影響を与えた、まさに「バイブル」のような存在です。
こちらも、弾いているとバッハがそばで見守ってくれるのを感じます。

ハ長調、ハ短調、嬰ハ長調、嬰ハ短調・・・最後のロ短調まで全ての調の曲が順に続き、それぞれが「プレリュード(前奏曲)」「フーガ」から成ります。
嬰ハ長調は、♯が何と7つもつくので、読譜が大変!

「平均律」とは、鍵盤楽器の調律法のひとつです。
1オクターブは12個の半音で構成されていますが、その音程の幅を均等に割ったのが「平均律」です。
それまでの調律法では、調が変わると音が濁ってしまうという問題があったのが、これで解決されました。

ただしバッハのこの曲集は、元のドイツ語 (Das Wohltemperierte Klavier) でも英語 (The Well-Tempered Clavier) でも、「ほど良く(美しく響くように)調律された鍵盤楽器」という意味のタイトルになっていて、「平均律」がどんぴしゃりの訳であるかどうかは、疑問視されることもあるようです。

「平均律クラヴィーア曲集」の第1巻は1722年に、第2巻は1742年に完成しました。
日本では、徳川吉宗が将軍だった時代です。
その頃の日本では、どんな音楽が演奏されていたのでしょう。まさしく別世界ですね。

第1巻完成は、奇しくもベートーヴェンの「ピアノソナタ」完成のちょうど100年前だったわけです。
そして300年後の2022年には、ミネソタの片田舎に住むおばちゃんが「完奏するぞ!」と誓いを立て、何とかそれを果たしました。

ベートーヴェンの「ピアノソナタ」は、当時第1巻、第2巻各900円でした。
通しで613ページという厚みなのに、ずい分お安いこと!


「平均律クラヴィーア曲集」は、多分大学生になってピアノのレッスンを再開してから楽譜を買ったのだと思います。
第1巻は、当時で600円。だいぶ後になってから買った第2巻は800円。


一生楽しめる、かなり効率の良い投資でした(笑)


今年の3月に亡くなったイタリアのピアニスト、マウリツィオ・ポリーニの演奏を載せます。
ベートーヴェンの全ピアノソナタの最終楽章であり、しかもポリーニがベートーヴェンを弾いた最後と思われる動画です。
ピアニストとしてのご自身の人生と、ベートーヴェンの人生を重ね合わせながらの演奏だったのだろうな・・・




もうひとつ、第1楽章から入っているエフゲニー・キーシンの演奏も。
第2楽章のテンポの取り方やピアニッシモの繊細さについて、私はこちらを主に参考にしました。
星のきらめきを感じるような美しさだこと!




2024/01/29

家の中でドングリが芽吹いた!? / 清塚信也さんのピアノ

最近、人生初のびっくりを経験しました。
ロフトに置いてある観葉植物のプランターに、見たことのないものがニョキニョキと一斉に生えてきたのです!


雑草なのだろうと思って引き抜こうとしても、なかなか抜けない。。。
力を振り絞ってやっと抜いたら、根がとても長くしっかりしていてびっくり。


よく見ると、何だか懐かしいものが途中にくっついていました。
これって、もしかしてドングリではないですか?


このプランター、夏の間は観葉植物の周りにパンジーを植えて庭に置いていたものです。


そう言えば、大きな樫の木の近くだったなあ。
去年の秋は、なぜか例年以上にドングリが多かったので、自然にプランターの中にも落ちたのでしょうか。
もしかしたら、リスが集めて隠していたのかもしれませんね。

外は気温が低すぎて、この時期にドングリが芽吹くなんてあり得ませんが、家の中はいつも暖かいので、変な時期に目覚めてしまったのでしょう。
夫は、「放っておいたら、プランターの中が森になっちゃうところだったね」と笑っていました。


話は変わりますが、写真やレシピの整理などをする時のお供に、最近とても気に入っているものがあります。
ピアニスト&作曲家・編曲家の「きよりん」こと清塚信也さん(俳優業も!)の YouTube チャンネルです。

画像はデイリースポーツより

一番最初に、 YouTube の「おすすめ」に偶然表示されたのがこちら。



誰だっけ・・・?と思ったのですが、以前観ていたテレビドラマ「コウノドリ」の挿入歌、"Baby, God bless you" の優しいメロディーの作曲者だと知って、ワクワクしました。
実はドラマを観ていた時、あの曲に心惹かれて楽譜をダウンロードしてあったのです。
孫娘が無事に生まれた去年の4月、感謝と祈りを込めて弾いたのが懐かしい♪

清塚さんは「のだめカンタービレ」で、あのイケメン指揮者、千秋先輩のピアノの吹き替え演奏もしていたのですって!
これも、知らなかった・・・

クラシックの曲しか聴かないと言う人の好みではないかもしれませんが、彼のように自分で作曲したり、ジャズの要素もたっぷり入れてさらりと即興でどんどん弾けてしまうのは、次元の違うピアニストであり、本当にすごいことです!

本人曰く、「頭の中であれこれ考えているわけではなくて、何かが勝手に弾かせてくれている感じ」なのだそう。
ピアノを弾くことが楽しくて楽しくて、楽譜なんて見ないで気ままに何時間でも続けて弾けてしまうタイプのようです。

何と羨ましいこと・・・
幼い頃から英才教育を受けたそうで、毎日しっかり練習を重ねた賜物とも言えますが、やはり「選ばれし人」、つまり天才なのだと思います。

私が割と早くから目を付けていた角野隼人(かてぃん)さんとも共通するものがあり、実際に清塚さんは角野さんのことを弟のように思っているのだそう。

清塚さんの「寝かしつけシリーズ」(?)が、何本も YouTube にアップされています。
2年前頃に、続けて配信された様子。
どれも1時間以上の長いものですが、合間にしゃべりも入って、アルコールも飲みながらだったりして楽しいのです。


私は最近彼にドハマりして、パソコン仕事だけでなく家事のお供にもよく聴いています。
視聴者のチャットも横にズラズラ出てきて、それに対する清塚さんのコメントも聞けます。
彼の音楽は優しさに溢れていますが、しゃべりのほうは、時にはわざと突き放したりSっぽいところもあって、くすっと笑っちゃう。

「寝かしつけシリーズ」で、本当に寝落ちしちゃった人いるのかしら。
もしリアルタイムで聴いていたら、私だったらかえって目が冴えてしまっただろうと思いますが。
「この時間が永遠に続きますように・・・」と思えるような、幸せな時間です♪

2023/12/15

アメリカのコストコ / 新しくオープンしたラーメン&寿司レストラン

先日、夫とコストコ Costco に買い出しに出かけました。(英語の発音は「カスコウ」に近い)
去年の1月に会員になって以来、行くのは5回目かな?

残念ながら、車で片道2時間以上かかる場所にあるため、そう頻繁には行けません。
でも、何でもかなりお得な値段ですので、60ドルの年会費の元は取れていると思います。
(最初に行った時は、夫の眼鏡とサングラスの購入が主な目的でした。)

開店10時より早く到着しましたが、既にずらっと人が並んでいてびっくり。
クリスマス前の買い出しは、年末にお正月の準備の買い出しに出かける日本人と同じような感覚なのでしょう。
日頃から親しくしている友人夫婦と店の中でばったり会い、お互いに笑ってしまいました。

これは夏に行った時に撮った写真ですが、何でもデカい!


クロワッサンは、1ダース5.99ドルという安さです。でも、結構美味しい♪
冷凍保存もできるので、いつも購入します。


ペーパー類も安いけれど、一度に買わなくてはいけない量が多すぎるのが困ったもの。
お得価格だから欲しいなあと思っても、保管しておく場所が限られているという理由でパスしたものがたくさんあります。

だだっ広い店内を2時間位ウロウロして会計を終えると、ちょうどランチタイムとなりました。
今回楽しみにしていたのは、3ヶ月前にオープンしたばかりのジャパニーズレストランに行くこと♪

「一品」という名の店で、コストコのすぐ近くにあります。ラーメン寿司がメイン。
ニコニコ顔で迎えてくれたのは店のオーナーで、中国の方だそう。
まだかなり若そうなのに、結構な広さの店でたくさんのスタッフを雇って経営しているのは大したものです。

ちょっと不思議な壁・・・(笑)


「氷」「たこやき」「生ビール」「わたがし」などと書かれた旗が可愛い!


刺身の盛り合わせと、鉄火巻、アメリカらしいスペシャルロール寿司2種を注文しました。
まず運ばれてきた刺身は、分厚いスライスで気前がいい。
新鮮で美味しくて、大満足! 皿にすくっと立つ梅の花の飾りが、異国情緒を醸し出している?


続いて運ばれてきた鉄火巻も、中身が充実していること♪
ロール寿司は、日本では「こんなの寿司じゃない!」と言われそうですが、ここアメリカでは定番中の定番。
私はネガティブな気持ちは全然持たず、大らかに受け入れて楽しんでいますよ。
これも、とても美味しかったです。


コストコに買い出しに行かなくても、このレストランにわざわざ行ってもいいほどです。
次はラーメンも試してみたいかも。

今回もコストコで色々買ってきました。
我が家の冷蔵庫もフリーザーも、パンパンです。。。



前回買って気に入った味の素焼き鳥チャーハン(冷凍)、熱湯を注げばできる本格的な味のベトナムのフォーなど、またもや購入。
チーズデニッシュも美味しいよ~
は、住んでいる町で買うと1個3ドル近いのに、7個で4.99ドルという安さ!
当分の間、色々楽しめそうです。

そして、帰りの車の中で聴いていたラジオに流れていた曲のひとつに、心惹かれました。
「サンタが町にやってくる」のメロディーが、ショパンのエチュードと合体してしまったものです。

前に書いたことがありますが、エチュード Op. 10とOp. 25の全24曲は全部弾くのはとても大変ですので、各曲の最初の2ページ位だけを区切りの良い所でストップして繰り返し練習しています。
ですから、このアレンジも「今は〇番ね!」とすぐわかって楽しいこと♪
最後には「英雄ポロネーズ」も華やかに登場。



大好きなピアニスト角野隼人さんも、こんなのが得意そうだな。

日本でも暖かい12月のようですね。
ミネソタでも例年よりずっと気温が高く、今日はではなくてが降りました。
少しだけ積もっていた雪も、ほとんど解けちゃった。
毎年ホワイトクリスマスが当たり前だと思っていたけれど、今年はブラウンクリスマスかもしれません。

2023/08/28

ショパンの隠れた名曲

来客続きでバタバタしてばかりだった8月も、もうすぐ終わり。
ミネソタでは、早くも8月半ば頃から「小さい秋」を見つけてしまいます。
来週月曜日の Labor Day を含む長い週末が終わると、新学期も始まり、いよいよ秋の訪れとなります。


急にやって来てしばらく滞在した義弟が帰って、今日はほっとひと息です。

こんな時は、やっぱり大好きなクラシック音楽をゆっくり聴きたくなります。
YouTube で「ショパンの隠れた名曲ランキング」というのを見つけて、何が出てくるか興味津々でした。



このチャンネルを運営していらっしゃるドレミさんが、これまでの音楽経験を元に個人的好みで選んだという5曲です。
5位、4位までは「これなら知ってるよ~」とほくそ笑んでいましたが、「隠れた名曲」というタイトル通りで、3位から1位の曲は知らず、結構ショック・・・

2位と1位の曲は、ショパンの死後に発見された遺作だそうです。
ショパンは、未出版の楽譜は全部燃やしてほしいと遺言を残していたそう。
でも、ご遺族にとっては、彼の楽譜を燃やすなんてとんでもないことだったのでしょうね。
これらの曲も大切に保管され、後に出版されたそうです。

第2位の「カンタービレ変ロ長調 遺作」は、たった14小節という短い曲ですが、第1位に輝いた「ラルゴ変ホ長調 遺作」も演奏時間が2分程度で、楽譜が1ページにおさまってしまいます。

ポーランドで歌われていた聖歌「神よ、ポーランドをお守りください」のメロディーに、ショパンが和声を付けた曲だそうです。
祖国ポーランドへの彼の思いは、とても熱いものでしたからね。

楽譜も、ネットで無料のものがあっさりと見つかりました。
「音楽のお話」というサイトで、ダウンロードできます。何と有難いことでしょう。

ショパンにしては易しい曲で、ある程度ピアノの経験がある方でしたら初見でも弾けそうですけれど、これを感情込めて表情豊かに弾けるかどうかは、また別問題。。。

この曲、どこかで聞いたことがあったかも・・・という気がしたのですが、2年前のショパンコンクールの3次予選で反田恭平さんが弾いた中の1曲でした。
反田さんは、弱音の弾き方が人一倍美しいなといつも感心しています。
これから訪れる「芸術の秋」に、私も彼をお手本に練習してみますね~♪




ショパンのご遺族が、遺言に逆らって未発表の曲も出版したとのことですが、「遺族」とはどなたを指すのでしょう。
39歳の若さで亡くなり、結婚もせず子供も作らず、あの有名なジョルジュ・サンドとの関係も破綻してしまったのですから・・・

お父様は既に亡くなっていたようですが、ご兄弟がいたかしら?と思いながら調べていたら、こんなエピソードを見つけました。

映画「戦場のピアニスト」で話題になった「ノクターン第20番嬰ハ短調 遺作」に、違うバージョンが存在するのはなぜだろうということについても不思議に思っていたのですが・・・

ショパンが3つ年上の姉ルドヴィカに送った手紙に、走り書きで記載されたこの曲の写しが同封されていたそう。
残念ながらそれは火事で焼失してしまったのですが、ルドヴィカが火事の前に写譜をしていて、それを元にこの曲の出版が実現したのですって。

けれども、ショパンの死後に発見された彼の自筆譜とは違う部分がありました。
自筆譜が第1稿で、姉に送ったほうが第2稿なのでは?と考えられているそうです。

ショパンにとって、お姉様は大きな存在だったのですね。
ルドヴィカは、ショパンが住んでいたパリに駆け付け、彼の最期も看取ったそう・・・
才能に満ち溢れた弟を若くして亡くし、さぞ大きな悲しみにくれていたでしょうが、ショパンの遺言に逆らってくださってありがとう!と伝えたいです。

こういったエピソードも聞ける、こちらの動画もおすすめ♪



9月はもう少し落ち着いて、ゆっくりピアノを弾く時間を持てますように・・・
毎年、「芸術の秋」より「食欲の秋」になってしまうのが困りものです。

2023/07/31

ロック・ヴァイオリニストとのコンサート

土曜日にはサマーコンサートが行われ、思い切り楽しんできました♪
孫の誕生騒ぎで4月末のコンサートには出演できませんでしから、久しぶりの本番でした。

リハーサルは、前日の夜と当日の午前中2回だけ。恐ろしや~
以前にも2度共演したことがある、Aaron Meyer(アーロン・マイヤー)さんが、ゲストミュージシャンとしていらっしゃいました。


彼は自称「コンサート・ロック・ヴァイオリニスト」で、ノリノリのロックポピュラー音楽に、クラシック音楽の要素を取り入れたアレンジがお得意です。

お父様がヴァイオリンの先生で、ご自宅にも毎日生徒さんが来ていたため、子供の頃は、世の中の人すべてがヴァイオリンを弾くものだと信じていたそう。
だから何の疑問も持たずに、ご自分も練習に明け暮れていたのですって。

まずは、Aaron による楽しさいっぱいの「ボヘミアン・ラプソディ」の動画をご覧くださいね♪
大・大・大好きな、クイーンの代表作です。
私たちも、これとほぼ同じアレンジで演奏しました。



コンサートではクイーンの他にも、ビートルズイーグルスのヒット曲を演奏し、青春の思い出と重なってひどく懐かしい気持ちになりました。


3時から始まる他のコンサートと違って、サマーコンサートは夜7時開始です。
ミネソタの夜7時はまだ昼間のような明るさで、コンサート終了後もまだ薄明るさが残っていました。
昼間の気温も23℃位という、久しぶりに涼しい日で良かった!


サマーコンサートはいつも、国歌の演奏から始まります。
客席の全員が起立して胸に手を当てる様子に、最初の年は「おおっ!」と胸がときめきましたけれど、もうすっかり慣れました。
アメリカ国歌は、明るくて力強くて好きです。

会場いっぱいのお客様は、大歓声と大きな拍手でコンサートを心から楽しんでくださっていた様子。
Aaron が、熱~~いエネルギーをこの町に運んできてくれた印象です。

前2回のコンサートには、Aaron の長年のパートナーであるギタリストの Tim Ellis さんも来てくださったのですが、悲しいことに彼はご病気で天国に召されてしまいました。
フレンドリーで、気さくに私たちに声をかけてくださった方でしたので、私たち団員にとっても大きなショックでした。

Aaron の今回のパートナーはギターではなく、キーボード奏者Jean-Pierre Garau さん・・・
ご紹介した動画の中でも、ピアノを演奏していらっしゃいます。

彼もいつもにこやかで、どんどん話しかけてくれるタイプの方です。
2人で、素晴らしく息の合った演奏を聞かせてくださいました。

ステージではちょうど私の斜め前にピアノが設置されたため、指の動きがしっかり見えて最高でした♪
Steinway ではなくて YAMAHA のピアノですけれど、「いい音だ」と気に入っていたようですよ。


休憩の後の第2部の最初の曲は、ハイスクールの生徒たち10名も一緒に演奏してくれました。
Aaron と彼らによるベートーヴェン「歓喜の歌」に続いて、レッド・ツェッペリン「カシミール Kashmir、続けてオリジナルの Hermitage というすごいメドレーです。

終わりから2曲目は、レナード・コーエン Leonard Cohen の名曲「ハレルヤ」
亡き Tim Ellis さんに捧げられた曲で、涙を誘います。。。
この動画に合わせて何度も自宅練習したのですが、コンサートが終わった今も、続けて毎日でも聴きたくなってしまうほど中毒性があり、素敵なアレンジだと思います。



今回のコンサートの最後の曲を演奏している時、このまま時が止まればいいのにと思うほど、胸がいっぱいなってしまいました。
コンサートが終わらないで欲しい、このメンバーでずっと演奏し続けたい・・・

でも、現実に戻らなきゃね。
明日からは、娘が孫とワンコ2匹を連れてやってくるので、また忙しくなるよー


★7月29日のコンサートのプログラム★

     National Anthem 
     Summon the Heroes  John Williams
     The Bounty  Meyer / Ellis / Tyzik
     Bohemian Rhapsody  Freddie Mercury / Lars Campbell
     Magnificent Seven  Bernstein / Phillippe
     America the Beautiful  Carmen Dragon
     Lawrence of Arabia  Meyer / Campbell
     
        INTERMISSION

     Ode to Joy / Kashmir / Hermitage  arr. Aaron Meyer
     Wonderful Worlds  arr. Lopez
     The Eagles on Tour  arr. Roszell
     Let it Be  Meyer / Ellis / Tyzik 
     Armed Forces Salute  Lowden
     Hallelujah  Cohen / Campbell 
     The Compass  Meyer / Ellis / Tyzik


2023/05/15

夏が来ちゃった? / ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」

娘の家から戻った1週間前には、湖の氷が溶け、雪もすっかり消えていたことに驚いたのですが、その後は突然夏のような暑さに!

ここ数日は少し落ち着いたものの、最高気温28℃位の日がしばらく続き、日なたでは30℃を超えていました。
華氏表示ですと、よけいに暑く見えますね。摂氏30℃は華氏で86度です。


雪割草がそこら中に顔を出しましたが、あっという間にピークを過ぎてしまった感じ。
せっかく春を告げてくれたのに、夏の暑さでしたもの。


今は、Large-flowered Bellwort (和名はわかりませんが、ユリの仲間)のうつむいた花、水辺に生える Marsh marigold(和名はリュウキンカ立金花) の黄色い花が、あちこちに目立ちます。



1週間前にはポツポツと点のようだった若葉も、日に日にむくむくと大きくなってきています。
(これが、秋になるとまた全部枯れ落ちて、落ち葉かきをしなくてはいけないのですが、今は考えないことにしましょう)

さすがにもうの降りる心配はないと思うので、近くのグリーンハウスで、花と野菜の苗を少し買ってきました。
来週は、他にもたくさんある店をはしごして、大量に購入する予定です。
プランターに植え付けるのはひと仕事ですけれど、これで夏の終わりまで楽しめます。



初孫の誕生騒ぎでしばらく中断していたピアノの練習も、やっと再開♪
去年の1月から始めたベートーヴェンピアノソナタ全曲に挑戦という企画、まだ続いていますよ~
以前弾いたことのある曲も含めて、第1番から順に弾いています。
今は、第21番「ワルトシュタイン」です。「ヴァルトシュタイン」と表記されることもあります。

聴力の衰えに絶望して「遺書」を書いたほどだったベートーヴェンが、それを克服し、難聴と共に生きる決心をした頃の作品だそう。
まばゆいほどに輝かしく希望にあふれた曲の裏には、そんな苦しみがあったとは・・・
曇りのない圧倒的な明るさですが、ここまでの境地に達するには、どれほどの気持ちの葛藤があったことでしょう。

この時期に、これまでより音域の広いパリのエラール社製のピアノをプレゼントされたことで、新たな挑戦をしてみたくなったことは確かです。
「ワルトシュタイン」はベートーヴェンの支援者だった伯爵の名で、この曲は彼に献呈されています。

和音の速い連打というめずらしい出だしも、それまでのピアノでは不可能だったようです。
何だかロックっぽくてかっこいいなあ!
第3楽章でニコニコしている角野さん、気持ちわかるよ♪



オーケストラのコンサートは、4月末は出演しそこなってしまったまま今シーズンは終わり。
来シーズンの7月のコンサートまで、しばらくひと休み・・・2月から毎月コンサートが続いて練習に忙しかったので、少しほっとしています。


2023/01/25

「新年の誓い」はどうなっている? / コヨーテが出た!

年が明けたと思ったら、あっという間にもうすぐ2月ではないですか。
何だか、年々時計の動きが早まっている気がしてしまいます。

日本では「最強寒波」到来というニュース! 皆さん、大丈夫ですか?
寒さ対策は万全なミネソタなどと違って、慣れていないと大変だろうなと思います。
水道管が凍って破裂なんてことになったら、一大事ですもの。

こちらは逆に、1月なのに穏やかで雪も降らない日々が続いていました。
アメリカでは気温を華氏で表すので、マイナス5℃でも「23度」と表示され、家にいると外も暖かいような錯覚に陥ります。

けれども今週末頃から、本来のミネソタらしい気温に戻るとのこと。
昼間でもマイナス20℃前後、夜はマイナス30℃ぐらいまで下がります。

ただし、しばらく快晴の日が続くそうなので、気分が落ち込むことはないでしょう。
それに冬至に比べて日の出は10分早まり、日の入りは38分も遅くなったのが嬉しいです。

鹿が頻繁に行き来するけもの道をしばらく歩いて広場に出たら、夢のような光景♪
ひとりだったけれど、思わず「キャ~!!」と歓声を上げてしまいました。


樹氷ダイヤモンドダスト極寒地ならではの自然の美がたっぷり楽しめるミネソタです。



さて、多くの方がお正月に「新年の誓い」を立てたことと思いますが、挫折するのも今頃が多いかな?
私も「毎日不用品を5個見つけて処分する」という誓いは、既に挫折しました(汗;)

日に5個ずつ処分したら毎月150個のものが家から消え、年に2,000個近くが減るわけで、かなりすっきりするのでは?と思ったのですが・・・

思い出の品などは、お別れするのが難しいですね。
何年も着ていない服も、「いつか着るかも」と思ってしまいます。
たくさんある本も「ここで捨ててしまったら二度と読めない」という気持ちになって、ちっともはかどりません。
どんな本だっけ?と読み始めてしまうこともしばしばで、時間だけが過ぎていきます。

食器もこんなに必要ないのはわかっているのですが、「あの料理にはあの器でなくちゃ!」みたいなこだわりがあって、全然ダメです。

まあ、見える部分が散らかっているわけではないので、気が向いた時に少しずつ進めていくことにしましょう。


一方、去年に続いてピアノ演奏のほうは「新年の誓い」通りに順調に進んでいます。
去年チャレンジし始めたベートーヴェンピアノソナタは、去年第1巻(第15番「田園」まで)が全曲終わり、今年は第2巻に入りました!
 
 ★ピアノソナタについての去年のブログ記事「50年分の垢を落としたら・・・」も、ぜひお読みください♪

全曲チャレンジに挑戦し始めたら、ベートーヴェンのピアノソナタにはお宝がいっぱい詰まっていることに改めて気付きました。
弾く度に何か発見があり、飽きるということは決してありません。

小学生の頃からずっと一緒に暮らしてきたこの楽譜、かなり貫禄がありますが、実際にレッスンで弾いたのは数曲だけで、有名な曲以外を耳にする機会もほとんどありませんでした。

多分何百回も弾き込んだ「月光」のすぐ裏のページにも素敵な曲が隠れていたのに、今まで一度もお会いしたことがなかったという事実に、愕然としてしまいます。
何てもったいないことをしていたのかしら・・・
この年になって「はじめまして!」のご挨拶を重ねるのも、楽しいことですけれどね。

全然知らない曲を弾く時、前もって耳で確認したり、楽譜を分析してから弾き始める方が多いのでしょうが、私は全く先入観なしで初見でいきなり弾いてしまうのが結構好きです。
後でプロの演奏を聴いて「答え合わせ」をするものの、初めは「自分はこう弾きたい」に従います。

何調で何拍子なのかもちらっと見るだけ。途中でよく変わるし・・・
何楽章まであるのかも、何ページあるのかもわからないまま、どんどん進むことに何だかワクワクします。

それでも何とかなって、終わりまでちゃんとたどり着くのが不思議。
私の人生も、結構行き当たりばったりでどうにかここまで来たのは、そのせいか・・・?

実は欲張って、ショパン「ノクターン」も順にチャレンジ中。
こちらは半分ぐらいは既に弾いているし、耳から入り込んでいる情報も多く、ページ数もそれほど多くないので、その点は楽です。
去年の夏頃から、改めて順に楽しんでいるところです。

家の中のものの数は減らす努力をする一方、心の中に住まわせる「素敵なもの」の数はどんどん増やしていくつもり。
年を取るのは、決して悪いことばかりではありません。


また話は変わりますが、ある日のこと夫との朝食の最中に、凍った湖の上をコヨーテが歩いているのを発見してしまいました!
オオカミに似ていますが、もっと小型で中型犬ぐらいの大きさです。


最近あまり庭で鹿を見かけないのは、多分こいつのせいだな。
私だって、ウォーキングの最中には遭遇したくありません。
トレイルでも足跡をたくさん見かけたので、ちょっと恐怖・・・


コヨーテ coyote の英語の発音は「イオウt」 [káiout] と「カイウティ」 [kaióuti] の2種類があります。
この辺では、前者で発音する方が多いです。
普通はコヨーテについて英語で話す機会なんてほとんどないとは思いますが、カタカナのままだと通じないのでご注意を。

窓のそばに設置したバードフィーダーには、小鳥だけでなくリスウサギもやってきます。
あまりにも数が多くてうんざりするリスには「あっちにいけ!」と怒鳴るのに、ウサギが来ると大喜びで眺めている夫。何だか笑えます。


今年は卯年なので、余計におめでたい気が・・・
ウサちゃんも、コヨーテに気を付けてね。


2022/08/13

二日続きで葬儀

息子夫婦が日本に帰ってから、8月もずっとバタバタ状態で忙しくしているうちに、ミネソタの夏はもう終わりに近づいています。

今週は、何と2日続きで親戚の葬儀がありました。
別の場所で、それぞれ車で片道2時間近くかかる所でしたから、さらに遠くに住む下の義妹夫婦と義弟は我が家にしばらく泊りがけでやってきて、ここを拠点に行動。

まずは9日、少し前に99歳で亡くなった伯父(夫の母の妹さんのご主人)の葬儀が、メソジスト教会プロテスタント系)で行われました。
伯父さんの子供たち(夫のいとこたち)が、たくさんの思い出の写真や、手先が器用だった伯父さん自作の革製品時計その他を展示。
夫がメープルシロップの採取を始めたのも、彼の影響でしたっけ・・・

お年を召してからも、ボウリングやその他の運動をずっと続け、すっきりした体形を保っていらっしゃいました。
パソコンも早いうちから使いこなし、知識欲の衰えることがなかったのが、本当にすごいなと思います。
いつも穏やかで優しかった大好きな伯父さんにふさわしい、温かな雰囲気の葬儀で、大勢の方がいらして良かったです。

私たちの娘の結婚式で司式をしてくれた姪が、今回は歌うことになり、私はピアノの伴奏を頼まれました。
"In the Garden" という、こちらでは結構良く知られた心癒される曲です。


夫の親世代の方々は、この伯父さんを最後に、皆さん天国に集合してしまいました。
彼の奥様は58歳の若さで他界されたので、「あら~、あなたずい分老けたわね」とびっくりだったかも?
次はいよいよ自分たちの番だな・・・つぶやいた夫のひとことに、みんなちょっとしんみり。。。

葬儀後に、教会でも軽いランチを振る舞われましたが、家に帰る途中、みんなで Big Dipper というアイスクリーム屋さんに寄っちゃった♪
日本だったら不謹慎と言われるかもしれませんけれど、アメリカでは黒の喪服姿ではないので、別に違和感はありません。

私が頼んだのは Coconut Explosion という名で、なぜか人一倍大きかった!
名前の通り、爆発しちゃっている感じでした。

溶けてポタポタ垂れてきそうなアイスクリームに四苦八苦していたため、写真を撮る余裕がなかったのが残念。
代わりに、店のサイトからの他のアイスクリームの写真を載せておきます。
私のは、これの2倍はあった気がするけれど・・・




翌日10日に、続けてもうひとつ葬儀がありました。
私は日本人の友人たちと前々からランチの約束があったため、これはパスさせていただきましたが。
「上の義妹のご主人の妹さんのご主人」という、1度だけお会いしたきりの方でしたしね。
普通の感覚ですと「ほとんど他人」だと思うのですが、皆さん義理堅くて感心してしまいます。

こちらはカトリックの教会で行われ、プロテスタントの信者である他の親戚にとっては、かなり違和感を覚えた葬儀だったとのことです。

「アメリカでは、政治と宗教の話はするな」とよく言われますが、こちらに住んでいると心から納得です。
民主党 vs. 共和党プロテスタント vs. カトリックと、場合によっては激しい対立となってしまいます。
友情も親戚付き合いも、これによってぶち壊しになることが少なからずあり、この2点について熱く語る人が周りにほとんどいなかった日本での暮らしが、まるで異次元の世界のように思えます。

それはさておき、どなたかの葬儀に参列すると、いつも考えさせられることがあります。
自分の死後に、残った家族や親せき・友人たちは、私をどんな人として思い出してくれるのだろうかということです。
日々の過ごし方も、人への接し方も、その時はちょっと反省するのに、少し時間が経つとまた忘れてしまうことの繰り返し。。。
私を含め、それが多くの人にとっての「普通の人生」なのかもしれませんね。

2022/02/28

骨折記念日 / キエフの大門

2月26日は、私にとって「骨折記念日」でした。(二・二六事件とも言う)
速足でスタスタ歩いていたら、表面に薄く雪が積もって隠れていた氷の上ですべって見事に転び、本能的に左手を地面についた瞬間に手首骨折
ちょうど5年前のことでした。

ギプスをつけていた時にはとても長く感じた6週間でしたが、おかげさまで後遺症もなくすっかり元通りです。
生まれて初めての体験でしたので、どのような経過で治っていくのだろうかと興味津々でした。

ギプスってこんな風につけるのか!と感動したり、ギプスをしていても意外とできることが多いので驚いたり・・・
「これができなくなってしまった」より、「工夫したらあれもこれもできた」に注目しながら毎日を過ごしていました。
ある意味、ちょっとワクワクしていたので、私は相当な変人かもしれません。


きれいに治ったのは、地元のクリニックでの適切なケアのおかげと感謝しています。
他にも、沢山の方々に親切にしていただいて有難かったです。

パソコンのキーボードも何とか両手で使えたので、骨折ブログも作成。(この作業も楽しかった♪)
半分は手首を骨折して困っている他の方々の参考になればという気持ちで、半分は自分の記録のためにでした。

ネットで見つけたリハビリ向けの動画なども載せました。
その後すぐに日本に一時帰国したため、何となく中途半端に終わってしまったブログでしたけれどね。


今でもアクセス数が途切れることはなく、少しは皆様のお役に立っているといいなと思っています。

去年の2月には日本在住の息子のお嫁ちゃんが、そして秋には、お互いに新婚だった頃から親しくしているこちらの友人が、それぞれ利き手である右手首を骨折!
私は左手首でしたのでまだ楽でしたけれど、骨折の大先輩として、偉そうに色々アドバイスすることができました(笑)
同じ困難を乗り越えた仲間として、ますます絆が強くなったかも!?

友人には、私が使っていたシャワー用のギプスカバーを貸すこともできて良かったです。
私がリハビリ中に着ていたこのTシャツも着て欲しかったけれど、残念ながらちょっとサイズが合わなかった。。。


お嫁ちゃんも友人も、明るく前向きに毎日を過ごせたようで、何だかあっという間に回復してしまった印象でした。

その後、冬の駐車場などでは、注意してペンギンのように歩いています。
でも友人のように、家で掃除機をかけている時にバランスを崩し、コケて骨折というケースもあるので気を付けなくてはね。

若い頃はアイススケート中に転んでも怪我なんてしなかったけれど、やはり年と共に骨がもろくなってきているのでしょうね。
フィギュアスケーターたちが、ジャンプに失敗して転んでもすぐに立ち直れるのがうらやましい!
私が今さらスケートなんて試したら、両手両足いっぺんに骨折しそうで、考えただけでも恐ろしいです。。。

スキーも、地元の「丘」みたいな小さなスキー場に行って以来、数年すべっていないなあ。
スキーなら、固い氷の上ではないから、転んでも大丈夫そうな気がするけれど・・・
毎年出かけていた苗場で、いつかまた思い切りすべってみたいな!!


骨折のため、しばらくまともにはピアノが弾けませんでした。
今までにない飢餓感のようなものを感じ、手首が治ってからは、反動で以前よりもっと練習に励むようになりました。

10本の指が自由に動くって、なんと嬉しいことなのでしょう。
中途半端にしか弾けていなかった曲を、もう少しまともに弾けるようにしたいという欲がますます湧いたのもこの時です。

今日はウクライナの人々へ祈りを込めて、ムソルグスキー作曲、組曲「展覧会の絵」の最後の「キエフの大門」を弾きました。

これの1曲前の「バーバヤーガの小屋」からつながる部分は、以前娘に聞かせたところ、「地獄の底から天国への階段を上って、キラキラの光をぱあっと体中に浴びるような感じ」との感想でした。

私もその部分が大好き・・・この動画ではいきなり「天国」から始まっていますけれど。



実際には見たことのない壮大な風景を思い浮かべながら、いつもは気持ちよく弾くのですが、今は違います。

ウクライナの首都キエフでは、ロシア軍による激しい攻撃を受けて、想像したくない景色が広がっていることでしょう。
遠い国の、自分には関係のない出来事ではなく、人類共通の痛みとして分かち合いたいものです。

ひとりひとりの祈りの力は小さくても、世界中のみんなが心を合わせれば、未来を変えることができるかもしれません。
どうかウクライナの皆さん、特に子供たちに、笑顔が戻る日が早く訪れますように・・・

2022/02/07

50年分の垢を落としたら・・・

2022年の「新年の誓い」のひとつは、ベートーヴェンのピアノソナタを、第1番から順に制覇することです。
全部で32曲あるので、毎月1曲として、既に弾いた曲は飛ばしても3年ぐらいかかると思いますが。

2月は第2番を練習中。
この曲も1月にチャレンジした第1番もわかりやすいので、初見でも割とどんどん弾けますけれど、これから鬼のように難しい曲も出てきます。どうなることやら・・・

ゲームにハマる人と多分同じ心境で、難しければ難しいほど、やるぞ~という気持ちがふつふつと湧いてくるのですけれどね。

ピアノを習っていた時は、「月光」「悲愴」「熱情」のいわゆる「三大ソナタ」の他、数曲を弾いたきりでした。
初めてこれらの楽譜を手にしたのは、まだ小学生の時・・・今まで見たこともないほどの分厚い楽譜が2巻に分かれていて、何とケース入りだったことにワクワクしたものです。

多分、 Op. 49-2「やさしいソナタ」あたりから始めたのではなかったかしら。
「テンペスト」「月光」も発表会で弾いたな~

思い出いっぱいの楽譜は、ピアノ教室への度重なる持ち運びの後、何度かの引越しにも揉まれ続け、ずい分貫禄いっぱいです。
今年じっくり向き合うことに決めたら、50年以上の経過によって沁みついたケースの汚れが気になりました。

紙製のケースですので、注意してそっと拭いてみることに・・・
上面の部分だけですけれど、意外ときれいに汚れが落ちました。
まだそのままの第2巻と比べると、違いが歴然です!


子供の頃から、楽譜を使い終わるたびに律儀にケースに戻していました。
ですから、汚れは私の手垢が主でしょうが、きっと実家や結婚後に住んだ数ヶ所の家とピアノの先生の家のほこりなども混ざり合っているのでしょう。

レッスンがある日は、放課後に学校から家に戻らずに先生のお宅に寄れるよう、いつも母が楽譜を先生のレッスン室に届けておいてくれました。
当時は特に母にお礼も言わなかったけれど、今考えると本当に有難いことです。

両親が私の人生に「音楽」というプレゼントを用意してくれたことを心から感謝しているので、私も自分の子供たちに同じことをしました。
いつかができたら(そんな日が来るのかな?)、その子たちにも受け継がれたら嬉しいな。


練習と並行して耳からもじっくりとインプット中なのですが、ベートーヴェンのピアノソナタは本当に名作の宝庫ですね♪
力強さ、神々しさ、優雅さ、悲しさ、温かさ、優しさ、時には少しおどけてみたり、表現の幅の広さに驚かされます。

年を重ねて円熟味を増した私が(笑)、それをどのように鍵盤に再現していくのか、自分との出会いも楽しみな数年間になりそうです♪


今年はベートーヴェンが主役の年!って決めましたけれど、もちろん他の作曲家の作品も色々弾き続けています。

あらら、夕べはさっそく浮気の虫がうずうずと・・・
YouTube で、森本麻衣さんという才色兼備のピアニストのチャンネルに登録しています。
そこで紹介されていた、ブラームス「間奏曲」Op. 118-2 に一目惚れ・・・いや、一耳惚れと言うのでしょうか。



今日さっそく弾いてみました!
昨日まで知らなかった曲をお迎えする場所を、新たに心の中に見つける・・・これは無上の喜びです。
また素晴らしい友に出会えたような気持になります。

楽器を弾くには、身体の調子も整えておかなければなりません。
ウォーキングにせっせと出かけていますが、今年は雪が深くて大変!遭難しそうですっ!!

北京オリンピックの途中のTVコマーシャルで、森の中から「ジュラシックパーク」に登場するような恐竜が出てきたのを見たせいか、こういう足跡を見つけるとちょっとドキッとします。
実際には、鹿がジャンプした時の跡らしいのですが・・・



先ほど、北京オリンピックフィギュアスケート男子ショートプログラムを観ていました。
羽生結弦選手が、まさかのミスで8位とは残念・・・
すごいプレッシャーだっただろうな。お疲れ様でした。
鍵山優真選手の軽やかでスムーズな動き、楽しそうにすべっていて好印象でした。

アメリカのネーサン・チェン選手は、期待通りの完璧な演技!
平昌オリンピックから4年間、人生の全てをスケートに捧げていたのだろうなあ。。。

私のようにあっちもこっちも手を出したがる人は、彼らと違って何でも中途半端ですけれど、それはそれでまあいいかなと思っています。

2021/10/20

ショパンコンクールと懐かしい韓流ドラマ

便利な時代となり、今回のショパン国際ピアノコンクールは、ネットでたっぷりと楽しませていただきました♪
注目の反田恭平さんは、予想通りファイナルへ。

「ピアノコンチェルト第1番」は、ショパンの世界に浸りきって、本当に気持ち良さそうにノリノリで弾いていらっしゃいました。
客席からは曲の終了を待たずに割れんばかりの拍手・・・指揮者も大満足の表情で、オーケストラの皆さんも彼の栄誉を称える温かい微笑みを向け・・・
もしかして、日本人初の優勝も夢ではないかも!?と期待していました。



そして、ついに 最終審査結果発表♪


反田さんは惜しくも優勝は逃したものの、2位入賞を果たしてくれました!
優勝は、カナダのブルース・リウ Bruce Liu さんでした。(ブルース・リーじゃないよ)
もう1人日本人でファイナルまで進んだ小林愛実さんは、4位とのこと。



彼女がショパンコンクールのファイナリストに選ばれたのは2度目で、自信にあふれた演奏でした。
指だけでなく、手全体の動きが何と美しいこと!
前回(2015年)はかなり長かった髪が、肩に届かないほど短くなり、大人っぽくなった印象です。
演奏のほうは髪の長さに反比例で、ますます豊かになったのでしょう。


私がずっと応援している角野隼人(かてぃん)さんは、7月の予備予選ではかなり緊張しているのが感じられましたが、1次予選、2次予選と進むにつれ、彼本来の良さがどんどん出てきたと思います。

たかがユーチューバーでしょ?と批判する人もいたようですけれど、3次予選まで進んだのは実力があったからこそ。
私の目(耳?)にも狂いはなかったと、自慢に思っています♪

予備予選の時のブログ記事はこちら ⇒ ショパンコンクール / ショパンが生身の人間のように・・・

下は2次予選の動画です。
  

最初の「マズルカ風ロンド」はあまりなじみのない曲でしたが、音が一粒一粒キラキラと輝いているようで、とても魅力的でした。
3曲目の「華麗なる大円舞曲」は、私が小学校5年生の時にピアノの発表会で弾いた思い出深い曲・・・
ちゃんと弾き直したいな。暗譜で弾けていたので、少し練習したら思い出せそう。

彼お得意の「英雄ポロネーズ」は、ニコニコと楽しそうでした♪
コンチェルトもぜひ聴いてみたかったので、ファイナルに残れなかったのは残念・・・
けれども彼の演奏する姿には独特の華があり、将来きっと世界を舞台に活躍するピアニストに成長すると信じています。

もうひとり注目していた牛田智大君(お子さんだった頃から注目していたので、「君」になっちゃう)は、スタインウェイを選ぶピアニストが多い中、ヤマハのピアノで頑張ってくれていました。
3次予選に進めなかったのは多くのファンにとってもショックでしたが、ご本人はその理由を冷静に分析し、周りの方々にも審査員にも心からの感謝の言葉を述べ、ますます好青年ぶりを発揮!


本選で演奏された「ピアノ協奏曲第1番」も、実は家に楽譜があるので、久しぶりに引っ張り出して弾いてみました。
・・・と言っても、テンポがゆっくりな第2楽章だけです。

なぜ楽譜を持っているかと言うと、昔流行った韓流ドラマの影響なのです。
2003年から2004年にかけて放送された、「天国の階段」というドラマ・・・懐かしいな。

ヨン様ブームが起こった「冬のソナタ」には乗り遅れたため、同じくチェ・ジウ主演のこちらを試してみたのです。
放送された年を調べるためにウィキピディアを見たのですが、
「交通事故」「記憶喪失」「禁断の愛」「病魔」と、韓国ドラマの定番となる要素がすべて盛り込まれている作品である
・・・と書いてありました。本当にその通りでしたっけ。突っ込みどころも満載でした(笑)

浜辺に置かれた真っ白なグランドピアノで、この第2楽章が演奏されていたのです。
亡き彼女(チェ・ジウ)との思い出に浸りながら弾くという涙を誘う場面なのですが、何となく笑っちゃった私でした。ごめんなさい。。。

画像はこちらのブログよりお借りしました

このドラマで演奏されていたのは「さわり」の部分だけで、ここだけでも弾けたらいいよねと思って楽譜を購入したのです。
確かにその部分は初見でも弾けたけれど、途中からやたらと難しくなって投げ出したままだった・・・

今回改めて弾き直してみると、ここ数年ショパンのエチュード全曲にチャレンジした効果があったようで、第2楽章の最後まで何とかたどり着きました。ふぅ・・・
ショパンコンクール出場者は、きっと目隠ししても弾けちゃうのだろうな。


「天国の階段」でお腹いっぱいになってしまって、その後私が韓流ドラマを観ることはありませんでした。
でも周りの皆さんは、ずい分色々なドラマにハマっていたな~
それらをきっかけに、韓国語を習い始めた友人もいたし。
その後、日本と韓国との関係が急激に悪化してしまったのが、本当に残念です。

ここのところショパン漬けの日々でしたが、こちらはいくら聞いても飽きることはありません。
この曲もあの曲も弾けるようになりたいな♪と、ますます夢(妄想?)が大きく膨らんでいます。


★追加 小林愛実さんの3次予選の動画を、後からチェックしました。
    あまりにも素晴らしいので、これも貼っておきますね。とにかく濃い!!
    こんなに魂のこもった「プレリュード」って、初めてです。
    (「プレリュード」24曲を全曲通して弾いたのは、彼女だけ)




2021/10/05

世界のあるべき姿がオーケストラに・・・

10月に入っても、昼間は20℃以上の暖かい日が続いています。
数年前は10月5日に初雪が降ったこともありましたけれど、今年はまだ庭のプランターの花も元気です♪

一昨日のコンサートも、陽気の良さもあってか大勢のお客様・・・一同ほっとしました。
コロナの1日の新規感染者が劇的に減って3ケタとなった日本とは対照的に、アメリカでは17万人以上ですって!!
ミネソタ州だけでも約3500人だそうで、地元の病院でもベッドがいっぱいの様子。
こんな状況なので、客席はガラガラなのではないかとみんな心配していました。

ただし、たとえワクチン接種完了でも、お客様も団員も再びマスク着用が義務付けられています。
マスクなしで解放感を味わえたのは8月のコンサートだけだったのが残念ですけれど、仕方ないですね。

それでも、「私たちは決して負けませんよ~」というメッセージを、皆さんに強く印象付けることができたコンサートだったと思います。


前半はエドヴァルド・グリーク Edvard Grieg 作曲「ペール・ギュント第1組曲」
「ペール・ギュント」は、ノルウェーの作家イプセンが書いた戯曲に、同郷であるグリークが音楽を付けたもの。
夢見がちで自由奔放な主人公の名が、そのまま戯曲名になっています。


特に第1組曲最初の「朝」の爽やかなメロディーは、一度聞いたら忘れられません。
ほとんどの方は、耳にしたことがあるのではないでしょうか。



休憩をはさんで、後半はヨハネス・ブラームス Johannes Brahms「ピアノ協奏曲第2番」でした。
これは、ピアニストにとっては最も困難な協奏曲のひとつだそう。
指揮者もずっと以前からやってみたい気持ちがあったものの、かなりの難しさに長年躊躇してしまい、今回初めての挑戦だったそうです。

ブラームス独特のリズムの複雑な絡み合い、2拍子と3拍子が同時進行の部分もあり、限界に挑戦!みたいに弾きにくい高音が続く部分もあり、確かに難曲でした。
指使い、一体どうしたらいいの・・・?
でも、各自がそれを克服して仕上がった時の喜びも、いつもの数倍だったかも♪

自分のヴァイオリンパートだけで、休みが長く続く部分は飛ばして練習すると30分位なのに、全体では1時間近く・・・
ほとんど休む暇もないピアニストは、本当に大変です。
しかも全部暗譜なのですから、頭の中はどうなってるの???と不思議でたまりません。

今回は Roger McVey さんがいらして、華麗な演奏を聴かせてくださいました。
数々の国際ピアノコンクールで優勝、準優勝となったことがあるそう!


以前のブログで、スローテンポで大変美しい第3楽章だけご紹介しましたが、今日は曲全体の動画をどうぞ。
私の大好きなピアニスト、エレーヌ・グリモー Hélène Grimaud さんとN響による演奏です。




今回のコンサートでは、音楽の持つ素晴らしいパワーに全身で浸る幸せを特に感じました。
そして、「世界が目指すべき理想の姿」がここに凝縮されていると気付いたのです。

たくさんの楽器が使用され、形も音質も音域も音量もみんな違うけれど、それぞれが美しく、どれもが大切。
出番が多い楽器もそれほどでない楽器もありますが、どれが欠けても完成せず、全てが尊ばれます。

どれかの楽器が主役となってメロディーを担当している時は、それが最高に輝けるようにその他の楽器が寄り添って応援します。
他人がスポットライトを浴びている時は、出しゃばって邪魔をすることはありません。
そして自分の番が回って来たら、今度は遠慮せずに思い切り輝きます。

自分の音だけでなく、常に周りの音全てを注意深く聴き、音量のバランスに気を遣い、テンポは足並み揃えます。
全体の中で自分がどんな位置でいれば良いのか理解するには、お互いを大切に思う細心の気配りが必要です。

次にどんな音が来るのか、「今」だけでなく常に先を考えながら行動します。
ある楽器が投げかけたメロディーを、別の楽器が完璧なタイミングで受け取り、ふくらませていったり・・・
まるで、気持ちの良い会話のやり取りのようです♪

男女の別や年齢に関わらず、団員には上下関係はありません。
人種的差別も、おかげさまで誰からも一度も感じたことはありません。
本当に素敵なお仲間に恵まれて、有難いこと・・・

そう言えばピアノの鍵盤上は、も全く平等です。
そこにも、どちらのほうが優秀だという発想はありません。
白鍵だけのピアノも黒鍵だけのピアノも、どんなにつまらないことでしょう。
両方が合わさってこそ、素晴らしい世界となるのです。

#もそう。別のものに見えるけれど、実は同じ音を表す別表記に過ぎなかったりします。
これ、人間同士の討論にも当てはまることがあるのでは?
「自分のほうが正しい、おまえは間違っている」と言い張るのはナンセンスよ。

素晴らしい音楽をみんなで完成させるには、まずはひとりひとりの精一杯の努力が必要です。
怠けていたら、自分のせいで全体がぶち壊しになってしまいます。
誰かが代わりにやってくれるわけではありません。自分の仕事は責任持ってきちんとしなきゃね。
ひとりひとりの力は小さくても、みんなの力が合わさると、ひとりではとても行けない高みに行けてしまうのが嬉しいです。

そして常に全体を俯瞰し皆を導く指揮者は、きっとに当たるのでしょう。
皆が心から信頼して従えば、完璧に調和された世界が生まれます。

神と言えば・・・11月のコンサートはいつものホールでなくルーテル教会でごく小規模に行うことになりました。
私たちの指揮者の、パイプオルガン演奏もあるそう。
ほとんどの団員はクリスマスコンサートまでしばらくお休みで、ちょっとほっとしています♪


♪10月3日のコンサートプログラム♪

     Peer Gynt Suite No.1, Op. 46 「ペール・ギュント第1組曲」 (Edvard Grieg)
       Ⅰ. Morning Mood 朝
       Ⅱ. The Death of Åse オーセの死
       Ⅲ. Anitra'sDance アニトラの踊り
       Ⅳ. In the Hall of the Mountain King 山の魔王の宮殿にて

           Intermission
       
     Piano Concerto No.2 in B-flat major, Op. 83 「ピアノ協奏曲第2番」 (Johannes Brahms)
       Ⅰ. Allegro non troppo
       Ⅱ. Allegro appassionato
       Ⅲ. Andante
       Ⅳ. Allegrett grazioso - Un poco piu presto