2024/03/26

あららっ、冬に逆戻り! / 鬼気迫る謎の曲

今年は2月末頃から気温が上がってきて、雪もすっかり解けてしまい、このまま春が来そうな気配だったのですが・・・
日曜から雪が降り始め、久しぶりに墨絵のような世界となりました。
まあ、例年のミネソタの3月は、こちらのほうが見慣れた景色なのですけれどね。


気温は-6℃位で、だいぶ解けてきた湖もまた凍ってしまうかも。
これも、今の時期はまだ全面凍っていることが多いので、驚きはしません。

数日前には、たくさんのカナダグースが湖に集まって遊んでいましたが、ちょっと早まったみたいね。


道路は凍ってツルツル・・・
運転に細心の注意を払わなくてはならず、暖かさと雪のなさに甘やかされていたミネソタンにとっては、「ちぇっ!」という感じです。


日曜はコンサート本番でしたが、前日のリハーサルの時に「天候があまりにひどかったらキャンセルの可能性もある」と言われていました。
隣りのノースダコタ州から手伝いに来てくれていた人たちもいて、帰路を心配してのことでした。

幸い、予報ほどには天候が悪化せずキャンセルは免れたものの、皆さんの安全のためにコンサートのプログラムを短縮することになってしまいました。

2月のコンサート終了後、直ちに練習を始めたチャイコフスキー「交響曲第5番」は、残念ながら第1楽章と第4楽章のみを演奏することに・・・
うっとりするように甘美なホルンのソロで始まる、大好きな第2楽章がカットされてしまったのが、とても心残りです。

雪が降っていたので、早めに家を出ることにして、無事にコンサート会場に着きました。
こんな日なのでお客様は少ないだろうなと思いましたが、予想よりずっとたくさんの方々が聴きに来てくださって嬉しかったです。

今回の目玉は、元団員の Sadie Hamrin さんがソロを弾くショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」


私がこのオケに入団した13年前、「やたらと上手な小学生の団員がいる・・・!」と驚いたのですが、それが彼女でした。

ハイスクール在学中は陸上競技で活躍して、オケ活動は休んでいましたが、その後音大に進学。
5年前には、ヴィオラを弾くお姉さん(やはり元団員)と共に、コンサートで美しい姉妹デュエットを聴かせてくれました。

そしてすっかり大人っぽくなった彼女、今回は私たちとの共演のためにカナダから来てくれたのです。
現在は、修士号を取るために頑張っているそうです。

このショスタコーヴィチヴァイオリン協奏曲第1番、全く知らなかったので YouTube で探して聴いてみたら、思わず絶句・・・

第1楽章の表題は「ノクターン(夜想曲)」
ショパンのノクターンのようにうっとりするものを想像していたら、見事に裏切られた・・・
「なんじゃこれ?」という怪しい雰囲気で、まるで別の次元に引きずり込まれていきそう。

テンポの速い第2楽章は、スケルツォ」らしい滑稽さも漂うものの、摩訶不思議な世界。
第3楽章ではやっとメロディーが追えるようになり、やたらと長くて迫力のあるヴァイオリン独奏のカデンツァ(5分近い!)に圧倒されます。

切れ目なしで続く第4楽章は、それまでに比べると生き生きした印象。
オーケストラとの絡みがおもしろくて、終わり方が派手なので、コンサートでは大きな拍手とスタンディングオベーションをいただけて良かったです。
ソリストは、文句なく素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

どんなに謎???な曲か興味がある方は、どうぞこちらの動画をご覧ください。



正直のところ、とにかく疲れました。。。
長い休みの後に、誰かが入る所を間違えたら崩壊間違いなしでしたので、みんな頭の中で必死で小節数を数えながらの演奏でした。
私ひとりは英語では間に合わないので、日本語で数えていました(笑)

参考までに、日本のヴァイオリニスト服部百音さんがこの曲を演奏した時の、彼女のメモを記しておきます。

【第1楽章】

おどろおどろしい始まりから、生と死の堺のような自分の意識を超えた、現世ではない世界を音で表現している。

【第2楽章】

痛快で滑稽なスケルツォの裏にはらむ狂気。ショスタコーヴィチが持つ表裏一体の性格が表れている。

【第3楽章】

嘆きの楽章。純粋な一粒の涙から始まり、それが懺悔となり、人を焦がれる気持ちとなり、自分の体が爆発しそうなほど心が張り裂けていく。

【第4楽章に向かうカデンツァ】

最後の肉体が抜け落ちる中で、意識だけが覚醒している。そこでは銃声や亡くなった人たちの声が聴こえる。やがて重力と相反するほどのエネルギーが肉体の中で逆流し、クライマックスのフォルテッシモに向かっていく。


コンサートの時間を短縮するために、休憩なしでチャイコフスキー「交響曲第5番」に突入!
同じロシアの作曲家でも、チャイコフスキーは演奏していて何て気持ちがいいのでしょう♪
謎のエスニック料理を食べた後の、お口直しの美味しいデザートのようでした。
特に第4楽章の堂々とした出だしとエンディング・・・弾きながら「生きていて良かった!」と素直に思えました。

YouTube で色々な指揮者・オーケストラの「チャイ5」を聴き比べましたが、落ち着いたテンポで、各楽器の音色のバランスが良いなと感じたのがこちらです。
(あまりに速いと、一緒に弾けないという理由もあって・・・)



実はこの曲、12年前に父が亡くなる少し前に、一時帰国していた日本で演奏したことがある思い出の曲です。
  その時のブログ記事 ⇒ チャイコフスキーのおかげ

日本で私が所属していたオーケストラでも、今年の6月の定期演奏会でまたこの曲を演奏するそうで、何だか不思議な縁を感じます。

この世界情勢で、ロシアの作曲家の作品を演奏するってどうなの?という懸念もあったかもしれませんけれど、音楽は人類全体の宝ですものね。
どこかの国の作曲家を、特別に嫌ったり贔屓することがあってはならないと思います。


♪3月24日のコンサートプログラム♪ (予定していたもの)

     Minnesota Lakes (Christopher Stanichar)
     
     Violin Concerto No. 1 in A minor, Op.77 (Dmitri Shostakovich 1906-1975)
       Ⅰ. Nocturne(夜想曲): Moderato
       Ⅱ. Scherzo(スケルツォ): Allegro
       Ⅲ. Passacaglia(パッサカリア): Andante - Cadenza
       Ⅳ. Burlesque(ブルレスケ): Allegro con brio - Presto

 
           Intermission
       
     Symphony No.5 in E minor, Op.64 (Pyotr Illyich Tchaicovsky 1840-1893 )
       Ⅰ. Andante - Allegro con anima - Motlo piú tranquillo
       Ⅱ. Andante cantabile, con alcuna licenza
       Ⅲ. Valse. Allegro moderato
       Ⅳ. Finale: Andante maestoso - Allegro vivace - Meno mosso


2024/03/19

セントパトリックスデー、ビンゴで盛り上がる!

今年のセントパトリックスデー (St. Patrick's Day) は、ちょうど日曜日でした。
シニアの私たちにとっては、曜日はあまり関係ありませんけれど、親しくしているカップル2組を招待してお祝いしました。

セントパトリックスデーはアイルランドのお祭りなのですが、6人の中でアイリッシュのご先祖様を持つのは、実はひとりだけ。
理由は何でもいいので、集まって楽しい時間を過ごすのが好きな私たちです。

 このお祭りについて詳しくは、ちょうど10年前のこちらの記事をどうぞ

定番料理のコーンビーフと野菜は、夫が午前中からクロックポットに仕込んでおきました。私はフルーツサラダデザート担当。


セントパトリックスデーなので、テーマカラーは「緑」です。
みんなグリーンのものを身に着け、今日はテーブルクロスも食器もグリーンにしました。

友人たちにも得意料理の持参を頼み、とても気楽な集まりです。
リンゴ洋ナシが入ったサラダ、おいしかった~


ひとりだけアイルランドの血をひく友人は、やはりセントパトリックスデーの定番である「アイリッシュソーダブレッド」を焼いてきてくれました。


イーストは使わず、ベーキングソーダ(重曹)とベーキングパウダーで膨らますこのブレッドには、バターミルクを使うのがお決まりです。
私は長年全粒粉も必ず使うのだと勘違いしていましたけれど、それは必須ではないそう。
友人のも、普通の小麦粉で作ったとのことです。



楽しい食事の後は、ビンゴ大会
大晦日に同じメンバーで友人宅に集まった時に、初めて遊んでとても楽しかったので、また行うことになりました。



賞品は我が家で用意したのですが、勘違いで友人のひとりも数品持ってきたため、すごい数に・・・
これが全部いきわたるまでゲームを延々と続け、終わったのは夜11時過ぎになってしまいました。

みんな少年少女(?)に戻って大騒ぎとなり、とても楽しかったです。
定番のギネスビールなどアルコールも色々入り、故意の不正やシニアならでの間違いもあって、笑いまくり状態。

賞品で特にウケたのはこれ。
ウォルマートでよく見かけるタイプの人たちの塗り絵です。


私たちも皆ウォルマートの常連客なので、「こういう人たち、いるいる!」というのがよくわかり、余計におかしさがこみ上げます。

半分は不用品処分目的の賞品選びでしたが、友人が提供してくれたものも、明らかに同じ目的だなという下心が見え見えで、それがまた笑いを誘いました。

私が勝ち取った賞品


今年は大統領選の年で、政治の話題は特にデリケートなものとなっています。
前大統領の熱狂的なファンが混ざっていると、特に居心地の悪さを感じる今日この頃。
そうではない人たちの集まりが、一番ほっとします。

身近な人たちの中でも、このように分断が顕著になりつつあります。
高齢者同士の対決で、現大統領についても不安を覚えるのですけれど。
大国アメリカは一体どこに向かうのやら・・・
大なり小なり皆さん憂いているので、たまにこうやって子供のようにはしゃぐことが、精神衛生上大切かもしれません。


2024/03/13

義妹が祝ってくれた誕生日♪

先週、またひとつお姉さんになりました~
誕生日当日は上の義妹と友人たちとランチしたのですが、週末にはもう少し北の町に住む下の義妹夫婦と義弟が、お祝いをしてくれました。

その町に出かけるのは、パンデミック前の2019年以来です。
皆さんが私たち夫婦の家に来ることが断然多く、「泊りがけでゆっくり来てね」とずっと誘われていたのに、なかなか実現しませんでした。

今月は週末の予定がぎっしりですが、2週目の週末だけ空いていて天候も良さそうでしたので、ついに出かけることに!

ミネアポリス方面に行く時と違って、途中ですれ違う車もほとんどないような田舎です(笑)
車で2時間15分位で、途中でインディアン居留地の中も突き抜けます。
Red Lake という、海のよう見えるとても大きなに沿って居留地があるのですが、人は全く見かけませんでした。

Upper Red LakeLower Red Lake に分かれているこの湖、私たちが近くを走った Lower のほうだけでも、琵琶湖の約1.7倍の面積があります。
でも水深は最大11メートルしかないという、不思議な湖です。


下の義妹は家をきれいに整え、心のこもったおもてなしをしてくれました。
義弟もすぐ近くに住んでいるので、ほとんど入り浸って料理も手伝い、一緒に祝ってくれたのです。


バースデーケーキも♪
アメリカではよく見かける、エンジェルフードケーキです。
シフォンケーキに似ていますが、卵白だけ使用するので、中は真っ白でふわふわ!


私はいつも人の誕生日を祝う側なので、このように自分が祝ってもらえたのが本当に嬉しかったです。
日頃の家事をしばし忘れることができただけでも、幸せな気分でした。


翌日土曜日は、素晴らしい晴天。
義妹のご主人がハンターなので、26マイル(約42キロ)ぐらい離れた所に80エーカー(約32ヘクタール)のハンティング用の土地を所有しています。
そこに、みんなで出かけることになりました。

キャンプファイヤー用の、こんなにあれば心配ありませんね。


簡易シャワーや屋外トイレなど、色々な建物が!何だか可愛い♪


そしてベッド2つ、キッチン、テーブル、カウチなどが整った小さなキャビンもあり、ハンターたちが泊まれるようになっています。

鹿を見張る deer stand は全部で4つも!
ヒーターもあり、晩秋の鹿狩りのシーズンにも寒い思いをせずにすみます。


我が家よりだいぶ北なので、まだ雪が残っていました。
暗くなると、星空が美しかったこと!


早くもネコヤナギを発見! 例年ですと4月下旬なので、1ヶ月以上早いです。


トレイルも良く整備され、所々に手作りの標識も立っていて楽しい♪
この土地をいかに大切に思っているかが、伝わってきます。


普段は隣家と密接した町の中に住んでいる義妹夫婦、時々逃げ出せる場所があるのは恵まれていますね。


2024/03/05

孫娘の初節句を、親戚ガールズと共にお祝い

毎年、こちらの親戚ガールズを招いて祝い続けているひな祭り、今年は私たちの孫娘も初参加で感慨深いものでした。

私の両親が、35年前に娘の初節句のために買ってくれたお雛様、娘がそばにいなくても毎年欠かさず飾り続けています。
「まだ新品みたい!」と娘が驚いていましたが、確かに親王台の畳の部分以外は、買った時と同じきれいさを保っているようです。


直射日光には決して当てず、防湿・防虫効果のある茶箱に保管しています。
日本で買った専用の防虫剤も使用。一時帰国の度に購入して、毎年新しいものを茶箱に入れます。
出し入れの時は手を良く洗い、夫にも子供たちにも決して触らせなかったのが一番良かったのかも・・・

毎年招いている親戚のガールズも、ずい分大きくなりました。
いつもこの日を楽しみにしてくれているようで、嬉しいです。

去年に続き、ちらし寿司の飾りは子供たちに任せました。
もちろん、きれいに手を洗ってからね♪
去年は不参加だった、もうすぐ3歳になる男の子も混ざっています。
飾るのが半分、自分の口に入れるのが半分だったみたい(笑)


「ひな祭り」について説明している英語の動画を見つけたので、それをみんなに見せました。
たったの3分半なので、ちょうど飽きない長さで良かったです。



この中で「緑」「白」「ピンク」ひし餅の三色カラーの意味についても説明しています。
「あとでサプライズがあるから、この三色をよく覚えておいてね」と伝えておきました。

ちらし寿司、日本式の鶏の唐揚げ、野菜料理などもいただいてから、次のコースは手巻き寿司もどきです。

残念ながらマグロなどの刺身はありませんが、スーパーで見つけた smoked steelhead というスモークサーモンに似たものが、大ヒット!
スティールヘッドニジマスの仲間で、海で育ちますが、産卵時期には淡水域にやって来ます。
生臭さが全くなく、スモークサーモンより美味しいと感じました。

これに、前にゲットして冷凍していた貴重なイクラを加え、カリフォルニアロールによく使われるアボカドカニカマも用意。


一度に5個できる握り寿司型で、寿司飯部分は一応形を整えておき、手巻き握りをミックスしたような変な寿司です。

こんな「寿司もどき」でも、喜びのあまり、わざわざ外に持ち出して撮影していたパパも・・・


6~10歳のガールズも含めて、皆さんお箸の使い方も上手で感心してしまいます。
10ヶ月になった孫娘もずっとご機嫌で、みんなに抱っこされても泣いたりせず、平和な夕食でした。

そして最後のサプライズ!
みんなに「さっきのビデオに出てきた三色を覚えている?」と聞いたら、全員ちゃんと答えられました。

デザートは前の晩に頑張って作った、ひし餅カラーヨーグルトムースです♪
これを持ってきたら、歓声が上がりましたよ~


レシピは、こちらの動画を参考にしました。
ゼラチンの量がちょうど良くて、文字通りふわふわとろける食感です。



グリーンの部分は抹茶パウダー(コストコの大袋がまだまだたくさん残っています)、ピンクの部分はイチゴを使いました。
抹茶は、子供たちにはちょっと苦かったみたい・・・
一番下のレイヤーで、少しだけだったので良かったけど。

今年はまだ、孫娘本人というより娘を喜ばせるための会でした。
来年までにお雛様を娘の家に持って行って、来年はあちらで飾ってもらいたいと思っているのですが、どうなるかな?

孫娘の健やかな成長を心から願う、ジジ&ババです。