10月4日に全米で公開になった映画
Gravity を、遅ればせながら観てきました♪
日本では、
「ゼロ・グラビティ」 という邦題で12月13日に公開だそうですね。
ちらっとだけネタバレもあるかもしれませんが、観た感想などを書いておくことにします。
アルフォンソ・キュアロン監督 によるこの映画、公開から5日で興行収入1億ドルを突破したという、超話題作!
アカデミー賞も大いに期待されているそう。
ストーリーそのものはごく単純で、ハリウッド映画にしては地味・・・?
あらすじを簡単に言うと、スペースシャトルの船外活動中に、突然の事故で地上から600kmという無重力の宇宙空間に放り出されてしまった乗組員のサバイバルドラマです。
出演者は何と2人だけ!メディカルエンジニアの
ライアン・ストーン博士 と、ベテラン宇宙飛行士の
マット・コワルスキー です。
あと、若干の死体が登場しますが。。。
ですから、セリフと言ってもほとんどが、2人の間に交わされるものと独り言だけです。
しかも、絶望的な状況で励ますにしては、ちょっとありきたりすぎないか?みたいな会話だったりして・・・
残念ながら、最高のシナリオとは言い難いものだったようです。
(というのは、夫の感想です。私の英語力では、細部まで完璧に理解するのは無理。。。)
それでも、この映画を観る価値のあるものにしているのは、漆黒の宇宙空間とスペースシャトル、そして青くて大きな輝く地球の描き方です。
これはぜひ、映画館の大きなスクリーンで観なくちゃね。
奇跡の美しい惑星、私たちの故郷である地球!
人間が国境なんかを勝手に作って戦争したり、自然を破壊して汚したり、何だか地球に申し訳ない気持ちになってしまいます。
小さな島をめぐって領土問題で争うなんて、本当にアホくさいこと。
ジョン・レノン の
「イマジン」 の歌詞みたいに、将来は国なんてなくなって、世界がひとつになればいいのにね。
映画のタイトルである
無重力空間 の描き方も、細かい所まですごい・・・職人技でした。
宇宙に飛び出す勇気はないけれど、無重力はちょっと経験してみたいかも。
もうひとつ特記すべきは、ほとんどひとり芝居である主役の
サンドラ・ブロック Sandra Bullock の抜群の演技力です。
世間で言われているように、オスカーの主演女優賞が狙えるでしょうね。
ベテラン宇宙飛行士役の
ジョージ・クルーニー George Clooney の、頼りがいのある温かい表情も良かった♪
約1時間半ですから、大して長い作品ではありません。
次々に訪れる困難な状況にハラハラドキドキはしますが、もうそろそろ勘弁してよと思った頃に、ちょうどよく終わりました。
これ以上はネタバレになるので、どんな終わり方だったかは秘密・・・
時々、主人公ライアンのヘルメット内からはどのように見えるかという視点に変わり、より一体感を感じられようになっています。
酸素はどんどん減るばかり、地球との通信も断たれてしまう、自分がどこにいるのか把握できず、たった1本のロープだけで必死につながっている。
「エイリアン」 みたいに、とんでもない生物が襲いかかってくるわけではありませんが、十分に恐ろしい状況です。
こんな極限状態では、パニクらずに冷静でいろという方が無理!
ごく普通の人は、一生こんな目には遭わずにすむのが幸いです。
3Dで観ましたが、立体感や一緒に宇宙を漂うような浮遊感がもう少し感じられるとよかったかなあ。
だんだん3D映画に慣れてきてしまい、あまり感激がなくなってしまったのかもしれません。
最初のシーンはとても良かったです。
真っ暗な宇宙空間に小さな白い点々が見えてきて、それが徐々にズームアップされると、この映画の登場人物たちだということがわかります。
私たちの美しい地球、暗い宇宙、飛行士、スペースシャトル、順にフォーカスされる印象的なカメラワークでした。
ツッコミどころも、色々ありましたよ~
宇宙服って脱ぎ着がものすごく大変で、1人ではできないのではなかったかしら・・・とか、
宇宙服の中が、あんなに軽装なわけないよなあ・・・とか、
ちらっとマニュアルに目を通しただけで、いきなり操縦は無理だよなあ・・・とか。
ドキュメンタリー映画ではなくてSF映画ですので、お堅いことは言わないことにしましょう。
原題は
Gravity なのに、邦題にはご丁寧にゼロが加わって
「ゼロ・グラビティ」 。
無重力 の宇宙空間での出来事だということを、強調したかったのでしょうか。
でも、ちゃんと重力がある地上への帰還を切に願う気持ちも、
Gravity というタイトルには込められているのではないかと、ふと思ったのですが。
宇宙空間にいると、普段は当たり前に存在する重力というものが、ひどく懐かしくなるに違いありません。
それから、まるでへその緒のようなロープにつながった宇宙服で漂う様子、ライアンが胎児のようなポーズで丸まっている様子、それにもきっと深~い意味が込められているに違いありません。
1968年の映画
「2001年宇宙の旅」 にも、最後のシーンで突如として胎児が出てきましたっけ。
あの難解な映画ほどには、
Gravity に哲学的なものは感じませんでしたが。
ところで、つい最近のニュースで、巨大な気球で宇宙へ飛び立って地球を眺めるツアーのことが話題になっていましたね。
料金はたったの(?)75,000ドル(約750万円)ですって!
でも上空30kmということで、無重力状態ではないそうです。
もし、何らかのアクシデントで気球が割れてしまったら・・・!!
行ってみようかなと思っていたお金持ちの方々も、この映画を観ると躊躇してしまうかもしれません。
どんなにお金持ちだったとしても、私は多分行かないと思います。
いろんな意味で、地に足のついた暮らしが最高です、ねっ♪
おまけ 日本語の字幕付き、
「ゼロ・グラビティ」 予告編です。
映画の中では使われていませんが、予告編の出だしの音楽は私の大好きな曲♪
エストニアの作曲家
アルヴォ・ペルト Arvo Pärt の、
Spiegel im Spiege l です。
ブロ友の
chopiana さん に教えていただいたのがきっかけで、ハマっています。
「鏡の中の鏡」 という意味の曲名で、これをBGMとして使ったセンスに脱帽だわ~
まるで時空を超越したような、不思議な気分になる曲ですもの・・・
chopiana さんの記事 も、ぜひご覧ください。
驚くべき映像と共に、この曲が詳しく紹介されています。
VIDEO