明日と明後日の最低気温は、-30℃以下になるとの予報です。 ( ̄△ ̄;)
けれども、3月2日のコンサートに向けて、熱~いリハーサルが続いています。
そう、冗談ではなく暑いのです。
練習に使わせていただいている大学のバンドルームは、いつも暖房が効きすぎ!
それに、ヴァイオリンの演奏って上半身はものすごい運動量・・・
こんなに寒い時期でも、半袖でやってくる団員もいるほどです。
次のコンサートは、めずらしく典型的なクラシック音楽の名曲ばかりでプログラムが構成されています。
いつもは、現代音楽が少なくとも1曲は入るパターンが多いのですけれどね。
私にとっては、特別な思い出のある曲も演奏するので、気合いを入れて練習中です。
今日のブログは、その中の1曲、ブルッフのヴァイオリン交響曲第1番ト短調について・・・
「特別な思い出」 についても、後で書きますね。
マックス・ブルッフ Max Bruch は、1938年生まれのドイツの作曲家です。
ブラームスより5年遅く、チャイコフスキーより2年早く生まれました。
この3人は共に、すばらしいヴァイオリン協奏曲を残しています。 大豊作の時代ですね♪
ヴァイオリン協奏曲といえば、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、そして先ほど触れたブラームスとチャイコフスキーのものが、特に人気があるようです。
でも、ブルッフのコンチェルトもここに加えて、世界の五大ヴァイオリン協奏曲としたってよいのではないかしら?
個人的には、金メダルはチャイコフスキーに♪ 何度聴いても、鳥肌が立ちます。
そしてあとの4曲は私にとっては甲乙つけがたく、皆さんに銀メダルをあげたい感じ!
どの曲も第3楽章は幸福感にあふれていて、後味がいいのよね~
ブルッフはヴァイオリン協奏曲を3曲残していますが、飛び抜けて人気があるのが第1番ト短調。
あとの2曲は、私も聴いたことありません。。。
特に第2楽章は比類のない美しさで、初めて耳にした時、まるで天上の音楽のように感じました。
心がきれいに浄化されていく気がし、いつまでも味わっていたく、日常生活に戻るのが嫌になってしまうような・・・
第2楽章に限定するなら、私にとっての金メダルはブルッフのコンチェルトです。
壮大な雰囲気の第1楽章から休みなく続けて演奏されるのですが、うって変わっての優しく甘美なメロディーは、まるで芳醇なワインのよう。
情感たっぷりに弾くこの第2楽章は、ソリストにとっておいしくてたまらないことでしょう。
途中で突然転調したり、トレモロで高音に昇りつめたり、オーケストラの伴奏にも隠し味がいっぱい。
そしてリズミカルで華やかな第3楽章は、明るく希望に満ちた雰囲気で、晴れやかにハッピーエンドとなります♪
さて、 40代の頃の特別な思い出 のお話に移ります。
私がヴァイオリンを始めたのは、37歳の時。 いわゆるレイトスターターでした。
約2年後、40歳になる数ヶ月前には、無謀にも地元のアマチュアオーケストラに入れていただきました。
子供の頃からピアノは習っていたので、楽譜を読むことについては問題なく、何とかなるかなあという感じでした。
最初は、セカンドヴァイオリンの後ろの方で、目立たないようにこっそりと弾いていたっけ・・・
団員の皆さんはとても親切で、特にセカンドヴァイオリンのトップだった方は、まだまだ初心者だった私に、色々とアドバイスをくださる師でもあり、楽しい飲み友だちでもありました。
音楽教室で教えていらっしゃるほどの腕でありながら、ずっとレッスンを受けて努力を怠らない方でした。
その彼から、ブルッフのヴァイオリン協奏曲のソロを発表会で弾くので、ピアノの伴奏をお願いできないだろうかとリクエストがありました。
日頃の恩返しのつもりで、もちろん快諾しました♪
気持ちを込めて弾くソロのテンポは揺れまくるので、伴奏には 「あうんの呼吸」 が要求されます。
彼とは 「一心同体」 (?) と他の団員に冷やかされるほど仲良しでしたので、本番もばっちり!
ベートーヴェンのスプリングソナタなども、いつか一緒にやろうね!ということでピアノ譜をいただいていました。
・・・ところが・・・
とても残念なことに、ご病気のため、彼はその翌年に帰らぬ人となってしまいました。
私が50歳の誕生日を迎える前日のことでした。
亡くなられたという知らせを受け、オケの次の練習日に私たちが彼を偲んで演奏したのは、その年の定期演奏会に向けて練習中だった、ベートーヴェンの交響曲第7番の第2楽章でした。
(実は、この曲も3月2日のコンサートで演奏します。 また音楽の神様のいたずらだな・・・)
「永遠の(または不滅の)アレグレット」 と呼ばれている、厳かな葬送行進曲のような楽章です。
みんなまだへたくそでしたので、これじゃ彼は安心して天国に行けないね~と、泣き笑いになってしまいました。
前年に最後の共演となったコンサートで、彼の隣りで演奏したのも、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番でした。
ソロは、その頃芸大の学生さんだった依田真宣 (よだまさのぶ) さん。
指揮も、同じく芸大の田尻真高 (たじりしんすけ) さんで、黄金のコンビだったな~♪
その年の暮れ、田尻さんが指揮した芸大有志による 「たじオケ。」 は、「のだめカンタービレ杯」 音楽コンクールで見事に最優秀賞を受賞!
田尻さんは、指揮者として審査員特別賞も合わせて受賞しています。
彼がまだ芸大の1年生の時に、その指揮ぶりとお人柄にひかれ、最初に定期的な仕事をお願いしたのは私たちのオケでした。
そう言えば、その頃副団長だった私が、依頼の電話をかけたのだったわ。
写真も載せちゃいます。 (*^▽^*)~♪ お二人とも、大活躍していらっしゃることと思います。
依田真宣さん |
田尻真高さん |
この時の定期演奏会には、大学の夏休みで日本に戻ってきていた息子も参加させていただき、その点でもとても思い出深い曲だというわけです。
そして、亡くなった友人が愛用していたヴァイオリンは、元の持ち主のご厚意により、思いがけず譲っていただくことになりました。
ミネソタに引っ越してくる直前のことでした。それからずっと、大切に使わせていただいています。
コンサート開始の時にはいつも、 「○○さん、一緒に弾きましょうね♪」 という気持ちで、感謝の思いを込めて楽器を構えるのです。
特別に大切な曲であるブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、ミネソタから発する私の思いが、天国の友人に届きますように・・・
以前にもご紹介したことがありますが、またしつこく、イツァーク・パールマン Itzhak Perlman による第2楽章を載せますね。
特に温かみのある音である気がするので・・・
おまけ ソチオリンピックが終わり、ちょっと気が抜けてしまった気分の方も多いのでは?
開会式の時には、なぜか五輪のひとつ (アメリカ大陸を表す輪) が開かなかったハプニング!
担当者は、殺されたか島流しにされたのでは・・・とか、
あれは、訪問しなかったオバマ大統領へのあてつけだったのではとか、
無責任な憶測も飛び交いました。
開かなかったその輪を、閉会式ではちゃんと五輪にする粋な演出があり、
あら~、ユーモアのセンスあるじゃん!とロシアを見直しました。
巷では、こんなTシャツも出回っているようです。 欲しいかも。。。
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