2024/11/25

すっかり英語になった Bento(弁当)

アメリカに住んでいると、「こんな日本語が、そのまま使われているのか」と驚くことがあります。
「津波」や「神風」「カラオケ」などが通じることはよく知られていますが、食べ物に関しても、「豆腐」「大根」「パン粉」「わさび」「海苔」「みりん」「蕎麦」「小豆」など、そのまま通じるものがたくさん。

発音やアクセントの位置は、ビミョーに違うことが多いですが・・・
例えば「Panko パン粉」は、ほとんどの人が「パ」を frying pan の pan と同じように「ア」と「エ」の混ざったべしゃっとした母音にするので、ちょっとゾワゾワします。。。
(私たちが英語で話す時もきっとそうで、人のこと言えないけど)

「弁当」という単語もずいぶん浸透し、Bento box なるものがあちこちで売られています。
本来は Lunch box ですが、Bento box だと仕切りがついていたり、いくつかに分かれた構造のことが多いようです。

もうすぐ、Thanksgiving(感謝祭)の集まりがあります。
食べ物はいつも持ち寄りですので、食べきれない量となるのがいつものこと。
残り物を皆さんに持たせるのに、何か良い容器がないかなと探したところ、3つに分かれているプラ容器を見つけました。

名前は Bentgo です。多分、BentoGo をかけ合わせたのでしょう。
色もどぎつくなくて何だか可愛い。
サイズ、色、いくつに分かれているかで、たくさんの種類があります。


写真ではわかりにくいですが、私が買ったのはくすんだピンクです。
一番大きい部分には2カップ分、小さい部分はそれぞれ1カップ分の食品が入るとのこと。


でも、商品に添えられた写真のようなお弁当に恵まれる人は、アメリカではほとんどいないのではないかしら。
大抵は、サンドイッチキャロットスティックとかリンゴか何かで終わりなのでは?
私はアメリカで子育てしたわけではないので、話に聞くだけですが・・・

この容器、Quick & Easy Meal prep という目的で売られているので、ランチというより夕食の準備のために使われているのでしょうね。
バランスの良い食事をまとめて作り置きし、フリーザーに保管して、必要な時にチンして食べる訳です。
この容器はフリーザー、電子レンジ、食洗器全てOKなので、なかなか良いのでは?

こんな可愛いのが、Bento Lunch Box Set としてアマゾンで売られています。
持っているだけで嬉しくなりそうだけど、アメリカではあまり有効活用されなそうな気が。。。


我が家のサンクスギビングの集まりは、本来の木曜ではなく、いつも土曜日です。
早めに買っておいた七面鳥は、そろそろフリーザーから出しておかないと、解凍に時間がかかります。
買物や掃除、泊り客のための準備と料理、今週もバタバタと忙しくなりそうです。


この前の初雪はすぐに解けてしまいましたけれど、昨夜からの雪が結構積もり、一晩ですっかり景色が変わってしまいました。
家の前のも、一部が凍り始めたのがわかります。



今週は昼間もずっと氷点下の予報。いよいよ本格的なミネソタの冬が始まりました。

今朝は、今シーズン初めての雪かきをしました。
裏口の階段の雪かきは、私の仕事です・・・夫が行うと、細かい部分が雑なので(笑)


気温が低いためサラサラの軽い粉雪で、力はそれほどいりません。
一番下の段に写っている、プラスチックのちりとりブラシでほとんどやってしまうため、いつも夫に笑われます。

クリスマスリースは、近くの郵便局のおばちゃんが作ってくれたものです。



サンクスギビングが終わると、もうあっという間にクリスマス
本当に、時の経つのが早いこと・・・

毎年早くなるように感じるのは、5歳の子にとって1年は人生の「5分の1」、60歳になれば人生の「60分の1」と、分母が大きくなるにつれ、「1」の割合が小さくなるからだとどこかで読んだことがあります。

一理あるかもと、大いに納得しました。
雑多な出来事に流されがちですが、日々の暮らしに「プチ喜び」を見つけながら過ごしたいですね。

2024/11/19

若きヴィオラ奏者に泣かされた・・・

今夜は、ついに初雪が舞っています!
記録的に暖かかったミネソタの秋でしたが、いよいよ本格的な冬に突入かな?

日曜日には、またコンサート本番があり、無事に終わってほっとしているところです。
10月半ばのコンサートが終わった翌日から、さっさと自宅練習を始めないと間に合わないプログラムでした。

ハンティングシーズンにもかかわらず、大勢のお客様が来てくださって感激です。
身内だけでも、いつも必ず来てくれる夫の他に、二人の義妹、夫の従妹夫婦とその息子さん&彼の10歳と8歳のお嬢さん、友人夫婦2組と、とても賑やかでした。

今回は、アメリカの作曲家 Aaron Copland アーロン・コープランドの曲を数曲と、イギリスの作曲家 William Walton ウイリアム・ウォルトン「ヴィオラ協奏曲」を演奏しました。
二人共20世紀の初めに生まれ、ほぼ同時代に活躍した作曲家です。

ヴィオラはヴァイオリンよりひと回り大きく中音部を受け持つ弦楽器ですが、割と地味で、ヴァイオリンやチェロに比べ、スポットライトの当たる機会があまり多くありません。
ヴィオラ協奏曲の数も他に比べるととても少なく、私も数曲しか聴いていないと思います。

私たちのオーケストラのヴィオラ団員は、とても優秀で素晴らしい音を出しますが、「ヴィオラジョーク」が数多く存在するほど、一般的には「ヴァイオリンがイマイチな人が、ヴィオラに転向する」という失礼な見方があるそう・・・

ヴィオラジョークのひとつに、
 「デジタル録音だとヴィオラの音が聞こえないのは何故?」
  ⇒「 録音技術が格段に進歩したため、全ての外部ノイズをカットするようになったから」
というものがあります。
本当に、ヴィオラ奏者を馬鹿にしています。。。

でも、William Walton のヴィオラ協奏曲を聴けば、そんなひどいジョークを言いふらした人もひれ伏すに違いありません。
何と艶やかな音なのでしょう♪ ヴァイオリンもチェロも、こんな音は出せません。



この曲の自宅練習は、なかなか難しかったです。
拍子記号が頻繁に変わり、休みの小節がしばらく続くと、どこで入れば良いのかわからなくなります。

YouTube でスコア付きのものを見つけたので、それを見ながら練習。
でも、ここで大問題が・・・!
ト音記号ヘ音記号には慣れている私ですが、ヴィオラソロはほとんどハ音記号で記されています。
これが読めない・・・私の頭の中ではどうしてもト音記号に変換されてしまうのです。
ですから、耳に聞こえてくる音と目で見る音符が一致しなくて、訳がわからなくなってしまいます。

何度も聴くうちに段々慣れてきましたが、団員の中にも何人かいるヴァイオリンとヴィオラが両方弾ける人って、本当に尊敬しちゃう。
楽譜を読む時、頭の中がこんがらがらないのだろうか・・・

団員だけでのリハーサルが4回行われ、いよいよコンサートの2日前に、若いヴィオラのソリスト Gina Gravagne さんがテキサスから来てくださいました。


美しい音にうっとりしながら、ヴァイオリンの休みが長く続く時に彼女の弾く姿を眺めていると・・・
弓の持ち方がとてもユニークなことに気付きました。

どこがどう違うのだろうとさらに観察していたら、何と右手の指数本がひどく短いか欠けているようです。
家に帰ってコンサートプログラムのソリスト紹介ページを読んだら、先天的な symbrachydactyly(合短指)という障がいなのだそう。
左手は正常で、3歳からヴィオラを習い始めたとのことです。

成長過程ではきっと色々な困難があったのでしょうが、見事に乗り越えて大輪の花を咲かせたような演奏でした。
本番のステージでは、この曲の最終楽章が美しいヴィオラで静かに終わる時、思わず涙が溢れちゃった。
実は私のスタンドパートナーも、みんなに気付かれちゃっただろうかと心配しながら涙を拭っていたそうで、その後に二人で顔を見合わせて微笑んでしまいました。


休憩後のコープランドの曲「ロデオ」は、ザ・アメリカ!という感じで、リズミカルなもの、アメリカ民謡風なもの、情景の浮かぶ美しいもの、色々混ざっていて演奏していても楽しかったです。



コープランドの曲の数々は、今までのコンサートでも何度か演奏したことがあり、ファンが多いことがわかります。

古き良きアメリカの雰囲気にどっぷり浸かると、どこかわからない方向に暴走しそうな現在のアメリカのことを、しばらく忘れることができそうかな?


♪11月17日のコンサートプログラム♪ 

     Fanfare for the Common Man 市民のためのファンファーレ (Aaron Copland)

     Concerto for Viola and Orchestra ヴィオラとオーケストラのための協奏曲 (William Walton)
       Ⅰ. Andante Comode
       Ⅱ. Scherzo and Trio
       Ⅲ. Finale - allegro moderato
       Ⅳ. Aria (Andante religioso)
       Ⅴ. Rigaudon (Allegro con brio)
 
           Intermission
       
     Rodeo: Four Dance Episodes 「ロデオ」より4つのダンスのエピソード (Aaron Copland)
       Buckaroo Holiday カウボーイの休日
       Corral Nocturne 畜舎の夜想曲
       Saturday Night Waltz 土曜の夜のワルツ
       Hoedown ホーダウン

     Variation on a Shaker Melody from Appalachian Spring
      「アパラチアの春」よりシェーカー教の賛美歌による変奏曲 (Aaron Copland) 


2024/11/11

いよいよ鹿のハンティングシーズン到来

大騒ぎだったアメリカ大統領選挙が終わりました。
結果についてどうこう言っても仕方がないので、さっさと気持ちを切り替えて、日々の務めに励んでいます。

週末は、多くのミネソタンが楽しみにしていた鹿狩りのオープニングでした。
夫と、泊まりに来ていた義弟が中心になって、今年も恒例の「祝う会」が行われました。
二人共もうハンティングはしないし、集まった人たちの中で現役ハンターはそれほどいないのに、なぜ「祝う会」なのか、訳がわかりません(笑)

多分、自分では鹿を仕留めなくても、いつも友人からの鹿肉のおすそ分けがあるので、それを祝うという趣旨かな?
早い話が、みんなで集まって、キャンプファイヤーの周りで飲んでおしゃべりして、おいしいものを一緒に食べるのが、楽しくてたまらないのでしょう。

前シーズンに友人のひとりが仕留めた鹿がフリーザーに眠っていたので、それをいただきます。
ルタバガ rutabag という根菜とニンジンなども一緒に煮込んだようです。
野菜が煮崩れて、最後にはトロトロになります。


デカいサーモンもあるよ♪ 私は鹿肉 venison を食べることはやめたので、こちらのほうが嬉しい。


は山のように用意してあり、ぜいたくに使えます。
お昼前から深夜まで続く会ですから、かなりの薪を使っただろうな。



基本的に男子会ですけれど、私も毎回少しだけ参加します。
デザートを焼いて持って行くので大歓迎してもらえますが、長居はしないように気を付けます。
Daylight Saving Time(夏時間)がその前の週末に終わり、あっという間に暗くなってしまいますしね。

ハンティングシーズン中は、誤射を防ぐためにこのように派手なオレンジ色の服の着用が義務付けられています。


私も同じ色のベストと帽子を持っていますが、日本では絶対着ないだろうな・・・


甥や友人たちから、続々と「鹿を仕留めた!」との知らせが舞い込んできます。
ハンティングシーズンが始まる前、私もドライブウェイで鹿に遭遇したり、ウォーキング中に出くわすことがありました。
「ハンターたちから隠れていてね」と声をかけましたけれど、日本語通じなかったかな。

仕留めた人には「おめでとう!」と祝うものの、おすそ分けの鹿肉をフリーザーの中に見るのはちょっと辛いなと感じるようになってしまいました。
時々庭にもやって来て、つぶらな瞳が可愛くて、食べるなんて無理・・・
夫と義弟は大好物なので、喜んで頂戴しますけれどね。

何年経っても、近くで銃声が聞こえるとやはりぞっとします。
鹿狩りの季節、早く終わるといいな。。。