2019/11/26

まだまだ知らない名曲がたくさんあると実感

24日(日)のコンサートのために、先週は連日リハーサルでした。
幸い雪が降ったのは1日だけ・・・雪道の運転はだいぶ慣れたけれど、やはりドキドキします。

今回はめずらしく、4曲とも今までに聴いたことのなかった曲ばかり。
しかもその中の1曲 Singing like the larks は2014年に作曲されたもので、ネット上に音源も見つからず・・・
自宅練習していても、「これで合っているのだろうか?」状態でした。
みんなで合わせて独唱も入ると大変魅力的な曲で、聴きに来てくれた夫も大絶賛!


指揮者が大ファンだというグスタフ・マーラー Gustav Mahler と、アメリカの作曲家アーロン・コープランド Aaron Copland
これらはいつもの通り YouTube で見つけて、合わせて練習しました。
どちらも本当に素敵な曲で、あら~今まで知らなくて損したわ・・・と思いながらね。

ロベルト・シューマン Robert Schumann 作曲の「ゲーテの『ファウスト』からの情景」は、独唱・混声合唱・児童合唱が入る、演奏時間約2時間という長い曲ですが、今回は序曲だけを演奏。
出だしに演奏されるのが序曲なのに、シューマンは他の部分を作り上げた後、一番最後にこれを作曲したのだそうです。


この作曲に精魂傾けたことにより、シューマンは次第に精神障害の症状に悩まされるようになったとのこと。
病が回復することなく、この曲が完成して3年後に彼は亡くなってしまいます。
命を削るようにして作曲されたと知ると、一音一音がなおさら大切な宝物のように思えます。


ゲストのソプラノ歌手 Tammy Hensrud さんを迎えての、マーラー作曲「さすらう若者の歌 Lieder eines fahrenden Gesellenが2曲目。
高音はもちろん、低音も朗々と響く美しい歌声に圧倒されました♪


マーラーが20代半ばの頃の作品で、自身の悲恋をテーマにしたようです。
この曲のメロディーの2ヶ所が、数年後に作曲された交響曲第1番「巨人」の中にも、そのままの形で散りばめられています。

マーラーの初期の曲ですが、後の曲に受け継がれて花開く芽を感じさせる要素がいっぱい。
古風な民謡風のメロディー、美しい自然の描写、炎のような激しさ、軍隊の行進を思わせる部分など、変化に富んでいます。



最後に演奏したコープランドの「テンダーランド組曲 The Tender Land: Suite」は、ステージ上で身近に様々な楽器の音に身を浸せる喜びを心から味わえた曲でした。
1930年代のアメリカ中西部の農場が舞台である、彼作曲のオペラに基づいた組曲で、1958年に書かれました。

実際に中西部の田舎に住んでいる私たちにとっては、感情移入がしやすいのは確か・・・
住んでいる所を飛び出してもっと広い世界を見てみたい若いお嬢さんと、それに共感はするものの心配性なお母さんと、過保護のおじいちゃん、よそからやって来た若者などが登場します。

中間部の賑やかなパーティーのシーンは、オペラでは娘の高校卒業祝いの部分だそう。
みんな賑やかに踊り出し、おじいちゃんは酔っぱらってしまい、若いカップルはそっと抜け出していちゃいちゃ・・・みたいな感じで楽しさがいっぱいです。

豊かで広々とした自然の情景を歌っているかのような出だしも、ああ私はこの景色をよく知っている・・・と感じました。
アメリカは実にいい所だね~!みたいに聞こえる最後の部分も、感動の嵐♪(笑)


同じ頃に生まれたアメリカの作曲家ガーシュインが、もっと洗練された都会的な印象であるのと対照的。
実は私、最初はコープランドの曲ってそれほど好きでなかったのですが、知れば知るほど好ましく思えるようになってきました。

田舎暮らしが長くなってきて、共感できる部分が増えてきたということでしょうか?
コープランドは、ガーシュインほどには世に知られていないのが残念です。

 コープランドが苦手だった頃のブログ記事 → ちょっとスランプ?
                      スルメのような曲だった


素晴らしい歌声の Tammy Hensrud さんは、5年前にいつもより大きな会場でマーラー交響曲第2番「復活」を演奏した時にもいらしてくださった方です。

独唱と合奏が入る第5楽章だけでも約30分かかる、恐ろしく長い曲でしたっけ。。。
よくこんな大曲に挑戦したな~
これを機会に、マーラーの曲にもまたハマりそうです。

♪11月24日のコンサートプログラム♪

     Faust Overture (Robert Schumann)
  
     Lieder eines fahrenden Gesellen (Songs of a Wayfarer) (Gustav Mahler)
     
       Ⅰ. Wenn mein Schatz Hochzeit macht
       Ⅱ. Ging heut' morgen uber's Feld
       Ⅲ. Ich hab' ein gluhend Messer
       Ⅳ. Die zwei blauen Augen

           Intermission

     Singing like the larks (Based on the writings of Willa Cather) (Richard Pearson Thomas)
     
     The Tender Land: Suite (Aaron Copland)      
       Ⅰ. Introduction and Love Music
       Ⅱ. Party Scene
       Ⅲ. Finale:  The Promise of Living


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2 件のコメント :

  1. Target CenterでのNBAの試合と合わせ聴きに行きたかったのですが、残念ながら時間的余裕が出来ず、次のチャンスとします。替わりに11月はウィーンフィルの日本公演を聴きに行きました。
    実は私の住んでいる三重県でもウィーンフィルのコンサートが開催されました。
    このコンサートは三重県四日市出身のイオン創業者である岡田さんがジャスコ時代に保有株を売却し芸術に対して貢献できるよう財団をお持ちで、音楽は国内外のオーケストラ・独奏者を招いて、県民のために、無料でコンサートを開催してくれるのです。東京大阪名古屋横浜でのS席39,000円のコンサートが津では、全員無料(ただしくじ引きです)
    (指揮)エストラーダさん(ピアノ)ブロンフマンさん でラフマニノフの三番とストラビンスキーの春祭でした。(岡田財団はイタリアのヴァイオリンも数多く保有しており有望な演奏家に無償提供もしています)
    ベミジオケからは、定期的にメイルマガジンを送ってくださるので、チャンスを狙いますね

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    1. Kobayashi さん、

      ウィーンフィルの公演に行かれたとのこと、羨ましいです♪
      大企業の創業者が、そのような形で芸術に貢献してくださっているというお話、
      本当に素晴らしいですね。
      高額チケットが全部無料とは太っ腹でびっくり・・・最高の奏者と最高の楽器によって奏でられる音は、お客様の心に一生残ることでしょう。

      私たちのオケ活動も、この町の企業や学校に支えられている部分が大きく、
      団員は演奏だけに専念できることを、とても有難く思っています。
      いつかぜひ、聴きにいらしてくださいね♪

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