2022/08/31

受け継がれる命、みんな頑張れ~

今週末は Labor Day(労働者の日)の長い祝日で、こちらではもう「夏の終わり」とされています。
嬉しいことも悲しいことも色々あって、嵐のように過ぎ去って行く気がする今年の夏です。

でも自然界に目をやると、いつものようにしっかりと命が受け継がれている様子・・・
生き物たちは誰に教わるわけでもないのに、「次世代に命のバトンを渡す」ことを、見事にやってのけますね。
そこには何の迷いも疑いもなく、ただ本能に従って淡々と行われることに感動を覚えます。

息子夫婦がミネソタに来ていた6月、ゲストキャビンのすぐそばで見つけた小鳥の巣
実直そうな表情のお母さんがじっと卵を守っている姿には、神聖なものさえ感じました♪
Nuthatch というコジュウカラ属の鳥のようです。


お母さん鳥がどこかに行っている間にそっと覗いたら、小さなが3つ♪(6月28日撮影)


しばらくしてヒナがかえっているのを見つけたところ、実は4羽いました!
どんどん育つうちに小さな巣は狭くなり、つぶされそうになってムギュ~っとした顔の子が愛しい・・・(7月8日撮影)
この数日後にはみんな飛び立ってしまい、あっという間に巣は空っぽに。



毎年8月に行われる地域のカウンティ・フェアでは、子育て中のお母さん(人間も動物も)があちこちに。
みんな、頑張れ~!

お母さんの背の上のヒヨコちゃん、とても気持ち良さそう。



可愛らしい生き物たちを紹介しましたが、
ここから先は、虫嫌いの方は閲覧注意です!!





庭の花の手入れをしていたところ、マリーゴールドの花の上で子作り中のカップル発見。


メスのほうは「食事中だから、邪魔しないでよ!」みたいな感じで、オスが体を離すと何事もなかったように、花粉を食べ続けていましたが。

あら、こちらでも・・・黄色系の花が好きなのかな??
これは、この辺ではよく見かける Goldenrod soldier beetle という名の虫。
アブラムシなどを食べる、益虫のようです。



さて、再び警告です。

蜘蛛が苦手な方は、ここで退場お願いしますね。
結構グロいかもしれない画像が出てきますので・・・

私は変人なので、外では大丈夫ですけれど、やっぱり家の中では会いたくないな。


いいですか、いきますよ~ ちゃんと警告しましたからね。






庭のゼラニウムの手入れ中、黄色くなってきた葉を取り除いたら、何か出てきた!

結構大きなクモです。それに、何て不思議な形だこと!(8月17日撮影)


調べたら、Wolf spider という強そうな名前のクモで、お腹の白いものは egg sac卵嚢)です。
ゼラニウムの葉っぱ数枚に糸を張って巣を作っていたのに、その葉を私が切ってしまったようです。
ごめんね・・・

数日後に見たら、元の場所の近くにまた細い糸を張って新しい巣を作り、お母さんクモは卵嚢と共にその中に身を潜めているのが確認できました。

そして、また数日後にチェックすると、巣のすぐ外に身軽になったお母さんクモが!
ゼラニウムの葉3枚を、糸で合わせるようにして作った巣で、外からは中の様子はよく見えません。
葉がしっかり合わさっているので、雨や風もしのげるようです。


その1枚はだいぶ黄色くなってしまったけれど、今度は切らずにそっとしておきましょう。
お母さんがすぐ近くにいるのがわかるかな?


ちょっと体がムズムズするものの、好奇心には勝てず、中をのぞいてしまいました。
うわっ、生まれたばかりの赤ちゃんクモがたくさん、ウヨウヨとうごめいています!
クモが心底苦手な方にとっては、失神ものですね。(8月30日撮影)

すぐそばのお母さんクモが、撮影中に指に飛びついてくるのでは・・・とドキドキでしたが、そんなことはありませんでした。


「可愛い」と感じる私は、やっぱり変人?
でも、ベッドの中などでは決して見つけたくないですよ。

魚なども同じですが、たくさんの赤ちゃんが生まれても、他の生物に食べられてしまうものがほとんどなのでしょう。
逆に、これがみんな大きくなってしまっても、生物界のバランスが崩れる原因となります。
はたして、この中で何匹が無事に大人になれるのやら・・・

猛々しい印象の Wolf spider の和名は、コモリグモという平和なもの。
以前はドクグモと呼ばれていたそうですが、強い毒を持っているわけではないようです。
赤ちゃんクモたちをみんな背に乗せて移動する習性もあるとのことで、お母さんはそのために近くに待機しているのかな。

毛嫌いされがちなクモに秘められた大きな母性愛に、ひたすら感動した8月後半でした♪

2022/08/22

虫たちと「だるまさんがころんだ」をした話

とても不思議な体験をしました。
私たちがちょっとふざけて、「セレンゲティ」と呼んでいる近くの草原でのこと。

今の時期は、黄色の tansy(和名はエゾヨモギギク)と goldenrodアキノキリンソウ)が一面に咲く、広い草原のトレイルを歩いていると・・・
ブンブンブンと、虫の羽音らしきものが周囲で絶え間なく聞こえます。


一体何かな?確かめようと立ち止まると、音は全く聞こえなくなってしまいました。
あの音は気のせいだったのだろうか、もしかして耳がおかしくなったのだろうか。

また歩き始めると、再び虫の飛んでいるような音がうるさいほどに聞こえてくるのです。
そして立ち止まると、音がピタリとやんで、し~んとしてしまいました。

今度は音の元を確かめようと、黄色い花に目をやると、確かにのような虫がたくさん飛んでいるのが見えました。
私の気のせいではありませんでした。耳の故障でなくてよかった。

驚いたことに、私が立ち止まると、たくさんの虫たちも一斉に花や葉の上に止まってじっと動かなくなるのです。
そして私が動き出すと、途端に虫たちも元のように飛び始める・・・
こんなことを何度も何度も繰り返して、私はまるで魔法使いになった気分で、思わずにんまりしてしまいした。

これって、子供の頃よく遊んだ「だるまさんがころんだ」に、ちょっと似ていないかしら?
が背を向けている間に、みんな一斉に動いて鬼に近づいていき、鬼が振り返るとピタッと止まる。
確か、動いてしまって捕虜になった子とが手をつないでいるのだけれど、近づいた他の子の「切った!」の動作と合図で、みんなわ~っと逃げていくのだっけ。
ああ、懐かしいな。


実はその前の晩に、小学校からずっと親しくしていた友人の訃報が届き、ウォーキング中の私の頭の中は、彼女との数々の思い出でいっぱいになっていました。
「ミネソタにぜひ遊びに行きたい!」と言ってくれていた彼女が、もしかしたらすぐ傍に飛んできてくれて、こんないたずらをしたのかもしれません。

学校で同じクラスだった時には毎日ランチを共にし、夢中になって活動した高校のクラブも、大学の休み中のアルバイトも一緒だった・・・
学生時代は、早く大人の仲間入りをしたくて、二人ともちょっと背伸びしていたかも。
いろんなことを、お互いにあっけらかんと話していたなあ。
それぞれ結婚して子育てして仕事して、一時帰国の時には必ず会っていた。。。
もう二度と会えなくなってしまったことが、まだ信じられずにいます。

ブンブンと盛んな動きで、生きることをまぶしいほどに謳歌していた虫たちは、後で調べたらハナアブの仲間のようです。


親友は、決して死の暗闇に落ちてしまったのではなく、光でいっぱいの新しい世界で微笑んでいることを確信できるような出来事でした。
だから、もう涙は拭くことにします。

同じ日に、いつもはヒラヒラとせわしない動きで写真を撮るのが難しい monarch butterflyオオカバマダラ)が、不思議なほどにじっとして、カメラにおさまってくれました。
これも、親友が力を貸してくれたのかな。
ありがとう、この人生であなたに出会えて良き友だちになれたことを、心から感謝しています。



翌日も、同じような天候でした。
ほぼ同時間に、また同じ場所に行ってみたのですが、前日の魔法はもうすっかり消えていました。
ハナアブたちは私の動きには全く関係なく、ずっとブンブン賑やかに飛んでいたのです。

10年前に父が亡くなった時にも、トンボを通じて次元を超えて父の存在を身近に感じたことがありました。
 その時の記事 ⇒ スピリチュアルな体験

一部苦手な種類はあるけれど、虫たちには結構親近感を覚えている私に、彼らは色々と素敵なメッセージを送り続けてくれるようです。

2022/08/18

奇跡の歌声♪

あっという間に8月も後半に入り、昨日のウォーキングでは既に紅葉が始まっている木を見つけてショックでした。
今年は去年と違って雨の多い夏で、芝も木々も青々としていていいね!と話していたばかりだったのに・・・

やたらと忙しかった日々も一段落で、少しほっとしているところです。
でも、このブログ記事を書いているうちに、明日は親戚のガールズの子守りを頼まれ、土~月にはまた義弟が来るとの知らせ。ありゃりゃ。


また話題が前後してしまいますが、サマーコンサートについてまだ書いていなかったので、記録しておきます。

今年は8月に入ってからでしたけれど、サマーコンサートは大抵「独立記念日」に近い日程。
ですから、いつもアメリカ国家から始まります。
オーケストラの団員になったばかりの頃は、お客様が一斉に起立して、胸に手を当てる様子にどぎまぎしたっけ・・・今はもう慣れました。

いつものアメリカ愛国歌の他、エルヴィス・プレスリービートルズのメドレー、2月にも演奏したABBAのメドレー「マンマ・ミーア!」など、ポップスが盛りだくさんの楽しいコンサートでした。

ゲスト歌手は、指揮者がどなたかの葬儀で出会ったという、まだ若い男性。
多分、「あなた素敵な声ね。オーケストラをバックに歌ってみない?気持ちいいわよ~」みたいな勧誘に乗って、来てくれたのだろうと想像します。

指揮者が惚れ込んだだけあり、お客様も伴奏を務める私たち団員も、涙にむせんでしまうほどの、本当に感動的な歌いっぷりでした。
思い出すだけで、今でも胸が熱くなるほどです。
ソロの1曲目からスタンディングオベーションって、初めてだったかも!

ゲスト歌手の他、私たちのコンサートマスターが、今回は歌手として参加。
女性3人組の一員として数曲歌った他、「レ・ミゼラブル」の中から、"I Dreamed a Dream" のソロを披露してくれ、拍手喝さいを浴びました。

この曲ですぐに思い出すのは、スーザン・ボイル Susan Boyle さん♪
2009年にイギリスのオーディション番組 Britains Got Talent に出演した時は、ダサめのおばさんの風貌・・・
誰もがちょっとバカにしているのが明らかに感じられたのに、歌い始めてからの皆さんの表情ったら!



この曲、邦題が「夢やぶれて」ですが、それどころか大きな夢が叶った瞬間でしたね。
東京オリンピックの開会式で流れた「翼をください Wings to Flyも、実は彼女の歌声だったそう!

そして今回のコンサートのゲスト歌手、Dominic Plummer さんも、「レ・ミゼラブル」の挿入歌 "Bring Him Home" 他を歌ってくれました。
彼はまだ20歳の大学生で、意外なことに専攻は音楽ではなくビジネスだそう。

普段、私たちのコンサートでは撮影も録画も禁止なのですけれど、なぜか今回は彼の歌がアップされていたので、ここにも載せちゃいます。
本格的な機材を使った様子ではないため、音質も画質もイマイチなのがちょっと残念。
でも、雰囲気は伝わることでしょう。



前回のコンサートのヴァイオリン・コンチェルトで、ソロを担当したハイスクールの学生が、今回はコンサートマスターを務めました。
彼も、本格的に音楽の道に進むか、何か他の部門にチャレンジするか、まだ決めかねている様子。
皆さん、多才でうらやましいこと!

高校生から、何十年も続けているベテランのご年配の方々まで、心をひとつにしてみんなで頑張るこのオーケストラ活動が、楽しくてたまりません♪


♪8月6日 のプログラム♪

     The Star Spangled Banner  アメリカ国歌
     Raiders March (John Williams)
     God Bless the USA (Greenwood /  Darling)
     What a Wonderful World (arr. Lopez)
     Tribute to the King エルヴィス・プレスリー・メドレー (arr. Rickets)
     You Raise Me Up (Brendan Graham)
     Stars and Stripes Forever 星条旗よ永遠なれ (John Philip Sousa)
     I dreamed a Dream 夢やぶれて(「レ・ミゼラブル」より) (arr. Krogstad)

       Intermission

     Somewhere Over the Rainbow 虹の彼方に (arr. Cerulli)
     Boogie Woogie Bugle Boy ブギ・ウギ・ビューグル・ボーイ (arr. Glasscock)
     Amazing Grace / Down by the Riverside アメイジング・グレース (arr. John Darling)
     Armed Forces Salute (arr. Bob Lowden)
     Bring Him Home 彼を返して(「レ・ミゼラブル」より)
       (Claude-Michelle Schonberg, arr. Krogstad)
     America the Beautiful (arr. Carmen Dragon)
     Hello, Goodbye: Songs of the Beatles in Condert ビートルズ・メドレー (arr. Rickets)
     Mamma Mia Medley 「マンマ・ミーア」ABBAメドレー (arr. Gary Fry)


2022/08/13

二日続きで葬儀

息子夫婦が日本に帰ってから、8月もずっとバタバタ状態で忙しくしているうちに、ミネソタの夏はもう終わりに近づいています。

今週は、何と2日続きで親戚の葬儀がありました。
別の場所で、それぞれ車で片道2時間近くかかる所でしたから、さらに遠くに住む下の義妹夫婦と義弟は我が家にしばらく泊りがけでやってきて、ここを拠点に行動。

まずは9日、少し前に99歳で亡くなった伯父(夫の母の妹さんのご主人)の葬儀が、メソジスト教会プロテスタント系)で行われました。
伯父さんの子供たち(夫のいとこたち)が、たくさんの思い出の写真や、手先が器用だった伯父さん自作の革製品時計その他を展示。
夫がメープルシロップの採取を始めたのも、彼の影響でしたっけ・・・

お年を召してからも、ボウリングやその他の運動をずっと続け、すっきりした体形を保っていらっしゃいました。
パソコンも早いうちから使いこなし、知識欲の衰えることがなかったのが、本当にすごいなと思います。
いつも穏やかで優しかった大好きな伯父さんにふさわしい、温かな雰囲気の葬儀で、大勢の方がいらして良かったです。

私たちの娘の結婚式で司式をしてくれた姪が、今回は歌うことになり、私はピアノの伴奏を頼まれました。
"In the Garden" という、こちらでは結構良く知られた心癒される曲です。


夫の親世代の方々は、この伯父さんを最後に、皆さん天国に集合してしまいました。
彼の奥様は58歳の若さで他界されたので、「あら~、あなたずい分老けたわね」とびっくりだったかも?
次はいよいよ自分たちの番だな・・・つぶやいた夫のひとことに、みんなちょっとしんみり。。。

葬儀後に、教会でも軽いランチを振る舞われましたが、家に帰る途中、みんなで Big Dipper というアイスクリーム屋さんに寄っちゃった♪
日本だったら不謹慎と言われるかもしれませんけれど、アメリカでは黒の喪服姿ではないので、別に違和感はありません。

私が頼んだのは Coconut Explosion という名で、なぜか人一倍大きかった!
名前の通り、爆発しちゃっている感じでした。

溶けてポタポタ垂れてきそうなアイスクリームに四苦八苦していたため、写真を撮る余裕がなかったのが残念。
代わりに、店のサイトからの他のアイスクリームの写真を載せておきます。
私のは、これの2倍はあった気がするけれど・・・




翌日10日に、続けてもうひとつ葬儀がありました。
私は日本人の友人たちと前々からランチの約束があったため、これはパスさせていただきましたが。
「上の義妹のご主人の妹さんのご主人」という、1度だけお会いしたきりの方でしたしね。
普通の感覚ですと「ほとんど他人」だと思うのですが、皆さん義理堅くて感心してしまいます。

こちらはカトリックの教会で行われ、プロテスタントの信者である他の親戚にとっては、かなり違和感を覚えた葬儀だったとのことです。

「アメリカでは、政治と宗教の話はするな」とよく言われますが、こちらに住んでいると心から納得です。
民主党 vs. 共和党プロテスタント vs. カトリックと、場合によっては激しい対立となってしまいます。
友情も親戚付き合いも、これによってぶち壊しになることが少なからずあり、この2点について熱く語る人が周りにほとんどいなかった日本での暮らしが、まるで異次元の世界のように思えます。

それはさておき、どなたかの葬儀に参列すると、いつも考えさせられることがあります。
自分の死後に、残った家族や親せき・友人たちは、私をどんな人として思い出してくれるのだろうかということです。
日々の過ごし方も、人への接し方も、その時はちょっと反省するのに、少し時間が経つとまた忘れてしまうことの繰り返し。。。
私を含め、それが多くの人にとっての「普通の人生」なのかもしれませんね。