2022/08/22

虫たちと「だるまさんがころんだ」をした話

とても不思議な体験をしました。
私たちがちょっとふざけて、「セレンゲティ」と呼んでいる近くの草原でのこと。

今の時期は、黄色の tansy(和名はエゾヨモギギク)と goldenrodアキノキリンソウ)が一面に咲く、広い草原のトレイルを歩いていると・・・
ブンブンブンと、虫の羽音らしきものが周囲で絶え間なく聞こえます。


一体何かな?確かめようと立ち止まると、音は全く聞こえなくなってしまいました。
あの音は気のせいだったのだろうか、もしかして耳がおかしくなったのだろうか。

また歩き始めると、再び虫の飛んでいるような音がうるさいほどに聞こえてくるのです。
そして立ち止まると、音がピタリとやんで、し~んとしてしまいました。

今度は音の元を確かめようと、黄色い花に目をやると、確かにのような虫がたくさん飛んでいるのが見えました。
私の気のせいではありませんでした。耳の故障でなくてよかった。

驚いたことに、私が立ち止まると、たくさんの虫たちも一斉に花や葉の上に止まってじっと動かなくなるのです。
そして私が動き出すと、途端に虫たちも元のように飛び始める・・・
こんなことを何度も何度も繰り返して、私はまるで魔法使いになった気分で、思わずにんまりしてしまいした。

これって、子供の頃よく遊んだ「だるまさんがころんだ」に、ちょっと似ていないかしら?
が背を向けている間に、みんな一斉に動いて鬼に近づいていき、鬼が振り返るとピタッと止まる。
確か、動いてしまって捕虜になった子とが手をつないでいるのだけれど、近づいた他の子の「切った!」の動作と合図で、みんなわ~っと逃げていくのだっけ。
ああ、懐かしいな。


実はその前の晩に、小学校からずっと親しくしていた友人の訃報が届き、ウォーキング中の私の頭の中は、彼女との数々の思い出でいっぱいになっていました。
「ミネソタにぜひ遊びに行きたい!」と言ってくれていた彼女が、もしかしたらすぐ傍に飛んできてくれて、こんないたずらをしたのかもしれません。

学校で同じクラスだった時には毎日ランチを共にし、夢中になって活動した高校のクラブも、大学の休み中のアルバイトも一緒だった・・・
学生時代は、早く大人の仲間入りをしたくて、二人ともちょっと背伸びしていたかも。
いろんなことを、お互いにあっけらかんと話していたなあ。
それぞれ結婚して子育てして仕事して、一時帰国の時には必ず会っていた。。。
もう二度と会えなくなってしまったことが、まだ信じられずにいます。

ブンブンと盛んな動きで、生きることをまぶしいほどに謳歌していた虫たちは、後で調べたらハナアブの仲間のようです。


親友は、決して死の暗闇に落ちてしまったのではなく、光でいっぱいの新しい世界で微笑んでいることを確信できるような出来事でした。
だから、もう涙は拭くことにします。

同じ日に、いつもはヒラヒラとせわしない動きで写真を撮るのが難しい monarch butterflyオオカバマダラ)が、不思議なほどにじっとして、カメラにおさまってくれました。
これも、親友が力を貸してくれたのかな。
ありがとう、この人生であなたに出会えて良き友だちになれたことを、心から感謝しています。



翌日も、同じような天候でした。
ほぼ同時間に、また同じ場所に行ってみたのですが、前日の魔法はもうすっかり消えていました。
ハナアブたちは私の動きには全く関係なく、ずっとブンブン賑やかに飛んでいたのです。

10年前に父が亡くなった時にも、トンボを通じて次元を超えて父の存在を身近に感じたことがありました。
 その時の記事 ⇒ スピリチュアルな体験

一部苦手な種類はあるけれど、虫たちには結構親近感を覚えている私に、彼らは色々と素敵なメッセージを送り続けてくれるようです。

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