2018/05/02

みんなの気持ちが見事にひとつに♪

今シーズン最後のコンサートが、盛況のうちに終わりました。

数あるピアノ協奏曲の中でベスト10を選べと言われたら、多分多くの方が候補に挙げるだろうと思われる、エドヴァルド・グリーグ Edvard Grieg の作品を演奏。
休憩後は、ヨハネス・ブラームス Johannes Brahms「交響曲第2番」でした。
どちらも名曲中の名曲ですので、客入りもすごかったです♪

でもノルウェーの作曲家グリーグのピアノ協奏曲は、「そんなに難しくないから大丈夫よね」扱いされて、ソリストと合わせる3日前に30分ぐらいさささ~っと所々合わせただけ。

エドヴァルド・グリーグ

今回はブラームスにやたらと比重が置かれて、グリーグはちょっと気の毒な存在でした。
ブラームスの「交響曲第2番」(略して「ブラ2」)には指揮者の特別の思い入れがあったようで、叱咤激励のメールがみんなに届いたり、弦パートには特別なトレーナーが送り込まれて2時間半みっちり鍛えられたり・・・
カリスマ指揮者の熱の入れ具合は、いつもよりさらにすごかった!

ヨハネス・ブラームス

ありがたいことに、「ブラ2」は日本のオーケストラの定期演奏会で演奏した経験があるので、かなり助かりました。

今はファーストを弾いている私も、その頃はセカンドヴァイオリンでした。
演奏会のDVDに合わせて弾いてみて、おおっ、ちょっとは上達したな!と自己満足(笑)

自分を含め、みんな若かったな~
その後天国に旅立たれた団員もいらして、DVDの中のお元気な姿が切なかったです。


グリーグのソロを弾いてくださった Russell Hancock さん、カリフォルニアから飛んできてくださったそう。
お子さんの頃から神童だったらしいですが、この曲を聴いて大感激している様子を見て、お母様がその日のうちにスコアを買ってきてくださったとか。
さすが!の演奏でした。


演奏活動も盛んにされているそうですけれど、政治学の博士号もお持ちで、シリコンバレーのベンチャー企業のCEOとしてもご活躍という多才な方!
第1楽章の長いカデンツァもいとも簡単にこなしていらして、羨ましくなります。

グリーグが「北欧のショパン」と呼ばれていることは知っていましたが、プログラムによるとそう名付けたのはフランツ・リストだったそう。
リストは、まだ若かったグリーグの才能を見抜いて心から賞賛したそうです。

ミネソタに移住してから私も、気候が似ている北欧の作曲家による曲がさらに好きになってきました。
凛とした空気の清らかさや、春を待つ憧れなどを、曲の中に感じるからでしょうか。
グリーグのピアノ協奏曲も、ご機嫌に演奏しちゃいました♪
指揮者も、第3楽章の終わりで私たちに向けて満面の笑み・・・よかったよかった!

自宅練習は、YouTube に載っているドイツと日本のハーフの Alice Sara Ott(アリス=紗良・オット) さんのピアノと共に頑張ったよ~
前に日本のテレビ番組で紹介されていたのも観たことがありますが、本当にキュートな方♪
クリクリとした目で、実に気持ちよさそうにピアノを弾いています。
そして、ステージの上ではいつも裸足!
ペダルを踏むのに、そのほうが感覚が伝わりやすいのでしょうね。



ブラームスの協奏曲第2番は、指揮者によれば「神と共に作られた作品」とのこと。
そして随所に、師であったロベルト・シューマンの妻クララへの溢れる愛が表現されているのですって。

才能豊かで聡明なクララとの間に存在したお互いへの尊敬と深い愛情は、シューマンの死後も変わらず、死を迎えるまでずっと交友が続いたそう。
二人がどんな関係であったのか事実はわかりませんが、ブラームスは一生独身を貫き、プラトニックな愛だったとされています。

「交響曲第2番」の第1楽章が完成してクララに送った時、これは必ずウケるわよ!と励まされたそうです。
彼女の予言通り初演は大成功で、第3楽章は繰り返して演奏されたとのこと。
大好きなお姉さまに認められて密かにガッツポーズのブラームスを想像して(それはないか・・・)、何だか親近感が増しました。

「ブラ2」には特別な思い出があります。

娘がアメリカの大学に入学し、いよいよ夫婦二人だけになってしまったので、住み慣れた都内から横浜市に引っ越すことに。
新居に荷物が全部届いて引っ越し業者が去ってから、一番最初に聞きたくなったのがなぜかこの曲でした。

全楽章通して聴くと、不安とちょっぴりの寂しさが混ざっていた気持ちが落ち着き、新しい環境は浄化され、これからも大丈夫!と確信。
新居の空気を震わせた「ブラ2」のおかげです。音楽って、本当に不思議・・・



この前のコンサートで今シーズン最後を飾った演奏は、指揮者の熱い想いと団員それぞれの頑張りのおかげで大成功!!
後で指揮者からのお礼メールが届きました。
全員が100%以上の力を出し切ってくれ、この成功により今後はより高いレベルを目指すことができそうだ・・・とのこと。

ひゃ~、これからはさらなる難曲が課題として与えらるってことですか?

7月に始まる来シーズンまで、活動はしばらくお休みです。
やっと雪が解けて現れた庭のゴタゴタを、きれいに掃除しなくては♪


♪4月29日 コンサートのプログラム♪

     Piano Concerto in A minor, op. 16 ピアノ協奏曲イ短調 (Edvard Grieg)
       Ⅰ. Allegro molto moderato
       Ⅱ. Adagio
       Ⅲ. Allegro moderato molto e marcato

           Intermission
     
     Symphony No. 2 in D major, op. 73 交響曲第2番ニ長調 (Johannes Brahms)
       Ⅰ. Allegro non troppo
       Ⅱ. Adagio non troppo
       Ⅲ. Allegretto grazioso (Quasi Andantino)
       Ⅳ. Allegro con spirito


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