2013/03/26

ねむりひめ

いよいよ3月の最終週となりました。

まだたくさんの雪が残るミネソタでは、なかなか春の実感がわきません。
それでも少しずつ気温は上がり、天気も良いので、次第に地面が見えてきています。

この「少しずつ」というのが、実はとても重要!
気温が急上昇して一気に雪が解けてしまうと、洪水を招くからです。
既に洪水予報が出ているので、その地域の方は気をつけてくださいね。


いつも見ているNHKの朝ドラ「純と愛」も、もうすぐ最終回を迎えます。
このドラマ、大好きな人と大嫌いな人にはっきり分かれているようですね。

バタバタやたらと騒々しいと、変質者のような暗~いに、私も初めはついていけなそうでした。
それなのにいつの間にか何だか引き込まれてしまい、ほとんど欠かさず見ています。

は、何事にも一生懸命で、ひたむきでお騒がせな、澄んだ瞳の女の子。
いとしと読む)は、双子の弟を亡くしてから人の本性が見えるようになってしまったため、人の顔をまっすぐに見ることができず、定職にもつかず、いつもうつむき加減だった男の子。

まあツッコミどころも満載で、あり得ない!!という場面も多いのですけれどね。
固いことは言わず、半分ファンタジーとして見ることにしています。

意外な展開で、とても厳しい状況になってしまった今、最終回には一体何が起こるのでしょう。
勝手にあれこれ想像しているのですが、どうもピンときません。


このドラマの重要な場面で何度も登場するのが、「ねむりひめ」という絵本です。
冒頭のテーマ音楽の背景にも使われています。

単なる小道具と思っていたら、ちゃんと本が発売されているのですね。
温かな色づかいで、いい感じです。


ドラマでは今、脳腫瘍の手術後に目を覚まさず、ひたすら眠り続けると、色々な困難に共に立ち向かい、今までより絆が強くなった家族の様子を描いています。

病気や事故で、もし身近な人がそのようになってしまったら・・・
想像しただけで胸がしめつけられるようです。

泣いて怒って取り乱したりしながらも、やがては豆粒ほどの希望を胸の奥に押し込め、その状況と共存するしかないのでしょうね。

ドラマの中では、のお母さんも若年性のアルツハイマーを患い、
今では家族のことさえ誰だかわからなくなってきています。

自分を守ってくれ、支えてくれていた人たちが、そのような存在ではなくなってしまう時・・・それこそ本当の愛が試される時なのでしょうね。

自分に何かをしてくれるわけではないけれども、ただそこにいてくれることがありがたい。
まさに 究極の愛 です。


でも、そんな状況が続くことに耐えられるか、それでも笑顔を見せることができるか、正直言って自信がない。。。

逆に、自分が眠り続ける立場になってしまったら・・・
意識がないのに、たくさんの管につながれて生かされ続けるって、どうなのだろう。

自分がされるのは嫌!
でも、愛する人が回復の見込みはないと宣言されてしまった時には、たとえ昏睡状態でも奇跡を信じ、いつも温かい肌に触れ、ずっと息づかいを感じていたいと願うに違いありません。

それが長期間続いた場合、疲労困憊して、時には悪魔のような気持ちになるかもしれないことも想像できます。
自己嫌悪に陥ったり、運命を呪ったり・・・それとも、う~んと強い自分に変身するのでしょうか。

家族や友人たちと一緒におしゃべりしたり食事したり、自分の足で歩いて好きな所に行ったり、毎日当たり前にしていることを、もっともっと感謝しなくてはいけませんね。


それにしても、最終回はどうなるの~?
童話の通りに(男女逆になるけれど)、の口づけで奇跡的にが目覚めて、ハッピーエンドだったらいいな。



現実の私は「春眠暁を覚えず」で、何だか眠たいわ。。。
ミネソタは今の時期、東京より1時間半位夜明けが遅いので、朝もしっかり安眠できます♪
だんだん夜更かしがひどくなっていますが。


おまけ 私と誕生日が同じフランスの作曲家ラヴェルの組曲、
     「マ・メール・ロア Ma mere l'Oye」。 
     その第1曲目のタイトルは、「眠れる森の美女のパヴァーヌ」といいます。
     夢の世界に誘われそうな、ゆったりと美しいメロディーです。

     最後の第5曲目「妖精の園」では、ぺローの童話同様、
     眠っていた王女が王子の kiss で目覚め、二人は結ばれて、いつまでも仲良く
     幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし・・・となるのですが。
     朝ドラはどうなるのかな?


     「マ・メール・ロア Ma mere l'Oye」 は、元々はピアノの連弾曲です。 
     1曲目は、少しピアノをかじったことのある人ならすぐに弾けます!
     私も、妹や娘と連弾したことがあります。

     生涯独身を通したラヴェルですが、子供好きだったご様子。 
     この曲も、親友の子供であるミミジャンのために作曲しました。

     1曲目には、Mimie の名がちゃんと入っています。
     最低音部を聴いていると 「ミ、ミ、ミ」 ってね! 
     Mimie の最後の e もドイツ音名(英語でも)で「ミ」のことなので・・・
     Jean の名に含まれる、e「ミ」と a「ラ」の音も和音になってこっそり入っている♪
     いいな! こういう遊び心・・・


4 件のコメント :

  1. おはようございます。

    “純と愛”をみてませんが,このようなストーリーなんですね。妖精の園の音楽を聴きながら、
    王子のキスで眠ってた王女が目覚める..ようにドラマでもそうなると良いですね。ネットで見れるからみてみようかな?!
    聞いてると,本当に長く眠って目覚めるそのシーンが伝わってきますね。。音楽をその状況に合わせて作詞作曲するって半端な才能だけではありませんね..コンサートは昔は良く通いましたが,多分作曲家がどんなことを音楽にしたかったのか..考えながら聞くと良く理解できますね..♪

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    1. ねこちゃんさん、

      私も Pandora という動画サイトで見ています。
      ひとつ前の朝ドラ 「梅ちゃん先生」 は始終ほんわかムードで、
      心優しい方ばかりが出てきたけれど、
      「純と愛」 では、家族関係にも問題が山積みでした!
      暗い過去を抱えた人たちが、次から次へと登場します。
      純の魔法の力 (?) で、心に傷を持った人たちが
      再生していくのですけれどね。

      音楽は本当に不思議です。
      言葉に頼らずに、音だけで色々な状況や感情を表せるって、
      それこそ魔法みたい・・・

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  2. 眠り…と聞いて始めチャイコフスキーと思いましたが、ラヴェルの組曲の中にも眠りの森の美女があるのですね♪とてもやさしい曲なのですね。

    最後の連弾も素敵ですねぇ。手を出してしまいそうです。そのうちに…^^

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    1. chopiana さん、

      チャイコフスキーのは有名ですが、
      ラヴェルのはあまり知られていませんね。
      私も数年前に初めて耳にしました。

      テレビやコンピュータのなかった時代、
      親しい人たちが寄りそって共にピアノを弾くのは、
      とてもワクワクする楽しい遊びだったのでは?
      この曲、chopiana さんと一緒に弾いてみたいです♪

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