2013/02/26

ホルストの「惑星」

明日の子供のためのコンサートと、3日の定期コンサートでは、17日とは全く違う曲を演奏するので練習が大変!

その中のひとつが、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルスト Gustav Holst (1874-1934) の組曲「惑星 The Planets」です。
 「金星」と「木星」の2曲を演奏します。


組曲を通して演奏するには、女声コーラスや特殊な楽器が色々と必要で、今回は無理とのこと。
でも、大好きな「惑星」の特にお気に入りの2曲なので、十分にうれしいです♪

 「惑星」を初めて聴いたのは、1970年代に冨田勲さんがシンセサイザー版のアルバムをリリースした時でした。
シンセサイザーという魔法の楽器の可能性を最大限に生かした画期的なアレンジに、ガ~ンと強い衝撃!!

コーラスも、ロケット打ち上げの秒読みも、オルゴールの音も全部合成音!? すごすぎる!!
機械的な音のはずなのに、冨田さんの音にはなぜだか温かみを感じました。

ホルストの原曲を聴いたのは、それからしばらく経ってから。
冨田さんのレコードを聴き慣れていたので、パポピパ~みたいな無線通信音声やロケットの発射音などの幻聴が、どうも一緒に聞えてくるような気がして困りました。


「惑星」は7つの楽章でできていて、それぞれに惑星の名と副題がついています。
ただし、私たちが学校で習った「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」の順ではありません。
「地球」は含まれず、「火・金・水・木・土・天・海」という順に曲が進みます。

この順番については、諸説あるようです。
地球から距離が近い順なのだとか、木星を中心にまず太陽に向かい、それから太陽から遠ざかって・・・とか。

「惑星」が作曲された時、冥王星はまだ発見されていませんでした。
冥王星って、何年か前に惑星の仲間からはずされてしまったので、ちょうどよかったのかな。


惑星の名前、全部英語で言えますか?
英語名は、ギリシア・ローマ神話の神々にちなんでつけられています。

 水星   Mercury(マーキュリー) 
 金星   Venus(ヴィーナス)  
 地球   Earth(アース)
 火星   Mars(マーズ) 
 木星   Jupiter(ジュピター)
 土星   Saturn(サターン) 
 天王星   Uranus(ユーラナス、ユレイナス) 
 海王星   Neptune(ネプチューン)  
 そして、惑星から矮惑星 dwarf planet に降格となってしまった冥王星は Pluto(プルートウ)です。 

金星 Venus

ホルストの「金星~平和をもたらすもの Venus, the Bringer of Peace」は、愛と美の神ヴィーナスにふさわしく、ひたすら美しいです。
けれども途中からいきなり、シャープが6つもつく嬰ヘ長調になってしまうので、うっとり酔いしれてはいられない!

女神の歌声のようなヴァイオリン&チェロのソロと合奏の対比、光が射してくるような転調、神々しくて洗練された雰囲気の曲。
テンポはゆっくりなので、まあ何とかなるでしょう。

木星 Jupiter

「木星」の出だしは、ファーストヴァイオリンとセカンドヴァイオリンがそれぞれ2パートずつに分かれ、セカンドはファーストのちょうど1オクターブ下の音を奏でます。

それぞれラドレとミソラのくり返しだけなのに、スタートがずれているので音がとても複雑に絡み合い、宇宙の混沌を表しているような・・・
ホルストは音のマジシャンだという気がします。

この冒頭、わあ!これから何が始まるのだろう、と聴く人を引きつける効果があります。
でも弾いているうちに、どこが小節の頭かわからなくなってきちゃう。。。

「惑星」の全曲を知らなくても、「木星~歓喜をもたらすもの Jupiter, the Bringer of Jollity」の中間部の旋律だけなら、歌手 平原綾香さんのデビュー曲 Jupiter や、ダイアナ妃の葬儀の折に、耳にしたことのある方が多いはず。

弦楽器とホルンがユニゾンで奏でるあのメロディーは、壮大で厳かで、イギリスらしい格調の高さを匂わせ、なおかつ慈愛に満ちていて、とにかく胸にぐっときます。

スコットランド民謡が原曲である「蛍の光」に使われている音階にも似ているので、懐かしさを感じるのかな?
 注:日本の唱歌や童謡などに多く使われる、ヨナ抜き音階のことです。
   (その調の音階の4番目と7番目の音が抜ける)。
    ただし「木星」の中間部分に4度の音(ラ♭)は登場しませんが、7度の音(レ)は使われています。

メロディーの音域が次第に高くなり、最後はフォルテッシモ!!
使われる楽器数も増えていき、盛り上がりの効果抜群です♪



その他の楽章については省略しますが、最初と最後についてだけ、少し触れておきますね。

火星 Mars

「惑星」の最初は、勇ましくて「スターウォーズ」を連想させるような「火星~戦争をもたらすもの Mars, the Bringer of War」です。
タタタ・タン・タン・タタ・タンの5拍子のリズムがひたすらくり返され、めちゃかっこいい!
これもやりたかったなあ。

でもこの出だしの部分、コル・レーニョ col legno といって、弦楽器の弓の毛の部分ではなく棒の部分で叩く奏法なのです。
他の曲でやったことがありますが、弓も弦も傷んでしまいそうで怖い。。。

海王星 Neptune

一番最後の「海王星~神秘なるもの Neptune the Mystic」の終わり方も独特です。
典型的な交響曲は、ジャン、ジャ~ンと派手に華々しく終わるのに対し、この組曲はまるで消え入るような終わり方。 宇宙空間にとけ込むように神秘的・・・

女声コーラスが入るのですが、ライブの時は舞台上には立たず、舞台裏で歌うのだそうです。
それでも一応ステージ衣装に身を包むのでしょうけれどね。 何だかお気の毒。。。

コーラスパートの最後の1小節に、リピート記号がついています。
ステージとの境のドアを少しずつ閉じていって、コーラスがフェイドアウトするのだとか。

冨田勲さんのシンセサイザー・バージョンでは、まるで無限の宇宙の果てに霞んで消えていってしまいそうな印象の女声コーラスの後に、静かなオルゴールであの「木星」のテーマが奏でられるというものでした。


「惑星」が大ヒットしてもその名声に甘んじることはなく、ホルストは教師としての仕事を続けました。
世間はこれを上回るような曲の登場を望んでいましたが、ご本人が本当に作りたかったのは、宗教音楽や自分の生徒たちが演奏できるような曲だったとか。

去年の3月のコンサートで私たちが演奏した「セントポール組曲」も、とても楽しかったっけ♪
ホルストとセントポール女学校の生徒たちのやり取りが、目に浮かぶような・・・

  ⇒ その時のブログ記事は こちら

世間での成功より、自分らしい生き方を貫いたホルスト、心から尊敬します。


「惑星」は危険です!ハマるとどんどんのめり込み、中毒になってしまう可能性大。
皆さん、お気をつけて・・・

音だけで宇宙旅行ができてしまうというのは、本当にすごいことだな~
無限の宇宙に思いをはせ、人生の意味や死後の世界のことにまで想像がふくらんでいく・・・深い、深~い曲なのです。


なお今回の記事の一部は、NHK・BS で放送されていた番組「名曲探偵アマデウス」の内容を参考にさせていただきました。


おまけ 「木星」 です♪ 例のメロディーは3分を過ぎたあたりから始まります。


全曲続けて聴きたい方は、こちらをどうぞ♪ 
古いですが・・・ ユージン・オーマンディ Eugene Ormandy の指揮。


ついでにこんなのも見つけてしまいました。
スコアがアニメになっている・・・すごい!!


2013/02/22

今日はネコの日、にゃんにゃんにゃん♪

日本では、2月22日はネコの日だそう。 (=^・ω・^=)
2、2、2、で「にゃん、にゃん、にゃん」なのですってね。

うちのネコさん、キキ とたっぷり遊んでやることにしましょう。
週末に遊びに来ていた娘(キキのママ)がミネアポリスに帰ってしまって、寂しがっているからね。。。

今日は、写真をいっぱい載せちゃいます。

ネコってどうして、箱や袋が大好きなんだろう・・・
見ると突進してきて、必ず入っています。




「なぜそうなった・・・?」シリーズ






時々、化けネコになっている ( ̄□ ̄;)


いたずらしたのは、わたしじゃないも~ん!


洗面所のシンク付近に住んでいることが多い。
蛇口から出る水に興味深々。



ダイエットした方がいいかしら・・・

家中、色々な所で寝ている。 最近気に入っているのは、乾燥機の上。


キキはバイリンガルなので(?)、私はいつも日本語で話しかけています。
ちゃんと、ニャーと言ってお相手してくれます。

今1歳半のキキ、元気で長生きしてね!

2013/02/18

プレジデンツデーつながりで

毎年2月の第3月曜日(今年は2月18日)は、プレジデンツデー Presidents' Day というアメリカの祝日です。

二人の偉大なアメリカ大統領(ワシントンとリンカーン)が2月生まれだったことから、制定されました。
今では、歴代の全ての大統領の功績をまとめて称えちゃえ!という日です。

昨日行われた私たちのコンサートのテーマも、プレジデンツデーにちなんで Music&President でした。
休暇のためミネアポリスから戻っていた娘も含め、家族みんなが聴きに来てくれました♪

今回は、人文学者であり、作家、社会評論家でもあるクレイ・ジェンキンソン Clay Jenkinson さんをゲストに迎えての、レクチャーコンサートでした。
そして私たちが、それぞれの大統領に関連する音楽を演奏したというわけ。


ジェンキンソンさんは、第3代アメリカ大統領トーマス・ジェファーソン Thomas Jefferson と、第26代大統領セオドア・ルーズベルト Theodore Roosevelt に扮して、その生涯と時代背景についての興味深い話をしてくださいました。

17年間にわたって、アメリカの49の州で大統領を演じているそう・・・
衣装だけでなく身振りも話し方もそれらしく、話も面白おかしくて、観客は何度も爆笑の渦!


ジェファーソン大統領とルーズベルト大統領に扮したジェンキンソンさん。
似てるかな?

Thomas Jefferson 大統領
Jenkinson 氏

Theodore Roosevelt 大統領
Jenkinson 氏


ジェファーソン大統領は、アメリカ独立宣言草案者の1人でした。
フランスからルイジアナを買収し、国土を大幅に拡張、議会制政治を導入したという功績があります。

フィドルの演奏が得意だったなんて、初めて聞いたわ~
奥様のことも、フィドルで口説いて射止めたとか?

ついでに当時の奴隷たちも射止めちゃったらしく、正妻だけではなく奴隷たちとの間にも、何人も子供をもうけてしまったそうです。
肖像画は、どちらかというと草食系っぽく見えるけれど、そちらの方はお盛んだったご様子 ( ̄ェ ̄;)

ヴァイオリンとフィドルには、微妙な構造的違いがあるのかどうか、私にはよくわかりません。
お酒がこぼれちゃったら大変なのがヴァイオリンで、誰も気にしないのがフィドルとか?

私たちのコンサートマスターが、それぞれの代表的なフレーズを演奏しました。

正装してかしこまり、楽譜通りに弾くのがヴァイオリン。
ほろ酔いの(泥酔かも・・・)お父ちゃんが、楽譜なんか全然見ないで(っていうか読めない・・・)気分のおもむくままに弾いちゃうのがフィドル、そんな感じがします。

フィドラーはこういう曲は弾かないよという例で、前回のブログに書いた正統派のバロック音楽を演奏したのは、ちょっと苦しいこじつけかな?


一方、パナマ運河を建設してアメリカ経済を活性化させたルーズベルト大統領は、カウボーイ的な男らしさで知られていたそう。
カウボーイに関する歌も大好きだったとか。
私たちの後半の演奏も、 Cowboy Fantasy という曲から始まりました。

彼が在任中に作曲された、スコット・ジョプリン Scott Joplin の
 ・エンタテイナー The Entertainer
 ・ラグタイム・ダンス Ragtime Dance
の2曲も演奏。

独特のかっこいいリズム、こけずに弾くには集中力が必要・・・

そして America the Beautiful や An American Frontier など アメリカ万歳! の匂いがプンプンの曲も演奏。 レクチャーも入った分、とても長~~いコンサートでした。
お客様も、団員もお疲れ様でした。。。


本当は撮影厳禁なのですが、娘がひそかに隠し撮り!


昨日のコンサートのプログラム
(なかなか曲が決まらなかったので、今回は見かけがしょぼい)


次回のコンサートは、何と今月27日。
それに向けてのリハーサルが明日から始まるので、さっと頭を切り替えてまた練習に励まなければ!


アメリカ大統領といえば・・・
サウスダコタのラシュモア山 Mount Rushmore 、花崗岩の山肌に掘られた大統領の彫像は、よく知られていますね。
内側の2人が、昨日ジェンキンソンさんが取り上げた大統領たちです。

私は実物を見たことがありませんが、夫によると、バカみたいに大きくて(鼻だけで6メートルもある!)周りには何もないので、わざわざ見に行くほどのものではないとか・・・

でもアメリカ人にとっては「自由の女神」に次ぐアメリカの象徴として、人気スポットのようです。
何かのついでに機会があれば、そのバカでかさをこの目で確かめてみたいな!

各大統領の名前を付け加えました♪


おまけ バッハのブランデンブルク協奏曲 第3番、
     私たちもこの動画のように、指揮者自らが弾くチェンバロに合わせて演奏。
     指がもつれそうになった所もあったけれど、気持ち良く弾けました♪