2023/08/28

ショパンの隠れた名曲

来客続きでバタバタしてばかりだった8月も、もうすぐ終わり。
ミネソタでは、早くも8月半ば頃から「小さい秋」を見つけてしまいます。
来週月曜日の Labor Day を含む長い週末が終わると、新学期も始まり、いよいよ秋の訪れとなります。


急にやって来てしばらく滞在した義弟が帰って、今日はほっとひと息です。

こんな時は、やっぱり大好きなクラシック音楽をゆっくり聴きたくなります。
YouTube で「ショパンの隠れた名曲ランキング」というのを見つけて、何が出てくるか興味津々でした。



このチャンネルを運営していらっしゃるドレミさんが、これまでの音楽経験を元に個人的好みで選んだという5曲です。
5位、4位までは「これなら知ってるよ~」とほくそ笑んでいましたが、「隠れた名曲」というタイトル通りで、3位から1位の曲は知らず、結構ショック・・・

2位と1位の曲は、ショパンの死後に発見された遺作だそうです。
ショパンは、未出版の楽譜は全部燃やしてほしいと遺言を残していたそう。
でも、ご遺族にとっては、彼の楽譜を燃やすなんてとんでもないことだったのでしょうね。
これらの曲も大切に保管され、後に出版されたそうです。

第2位の「カンタービレ変ロ長調 遺作」は、たった14小節という短い曲ですが、第1位に輝いた「ラルゴ変ホ長調 遺作」も演奏時間が2分程度で、楽譜が1ページにおさまってしまいます。

ポーランドで歌われていた聖歌「神よ、ポーランドをお守りください」のメロディーに、ショパンが和声を付けた曲だそうです。
祖国ポーランドへの彼の思いは、とても熱いものでしたからね。

楽譜も、ネットで無料のものがあっさりと見つかりました。
「音楽のお話」というサイトで、ダウンロードできます。何と有難いことでしょう。

ショパンにしては易しい曲で、ある程度ピアノの経験がある方でしたら初見でも弾けそうですけれど、これを感情込めて表情豊かに弾けるかどうかは、また別問題。。。

この曲、どこかで聞いたことがあったかも・・・という気がしたのですが、2年前のショパンコンクールの3次予選で反田恭平さんが弾いた中の1曲でした。
反田さんは、弱音の弾き方が人一倍美しいなといつも感心しています。
これから訪れる「芸術の秋」に、私も彼をお手本に練習してみますね~♪




ショパンのご遺族が、遺言に逆らって未発表の曲も出版したとのことですが、「遺族」とはどなたを指すのでしょう。
39歳の若さで亡くなり、結婚もせず子供も作らず、あの有名なジョルジュ・サンドとの関係も破綻してしまったのですから・・・

お父様は既に亡くなっていたようですが、ご兄弟がいたかしら?と思いながら調べていたら、こんなエピソードを見つけました。

映画「戦場のピアニスト」で話題になった「ノクターン第20番嬰ハ短調 遺作」に、違うバージョンが存在するのはなぜだろうということについても不思議に思っていたのですが・・・

ショパンが3つ年上の姉ルドヴィカに送った手紙に、走り書きで記載されたこの曲の写しが同封されていたそう。
残念ながらそれは火事で焼失してしまったのですが、ルドヴィカが火事の前に写譜をしていて、それを元にこの曲の出版が実現したのですって。

けれども、ショパンの死後に発見された彼の自筆譜とは違う部分がありました。
自筆譜が第1稿で、姉に送ったほうが第2稿なのでは?と考えられているそうです。

ショパンにとって、お姉様は大きな存在だったのですね。
ルドヴィカは、ショパンが住んでいたパリに駆け付け、彼の最期も看取ったそう・・・
才能に満ち溢れた弟を若くして亡くし、さぞ大きな悲しみにくれていたでしょうが、ショパンの遺言に逆らってくださってありがとう!と伝えたいです。

こういったエピソードも聞ける、こちらの動画もおすすめ♪



9月はもう少し落ち着いて、ゆっくりピアノを弾く時間を持てますように・・・
毎年、「芸術の秋」より「食欲の秋」になってしまうのが困りものです。

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