2016/10/03

2つの 「ジュピター」

さわやかな秋晴れの日曜日、約3か月ぶりのコンサート出演でした。

今回のテーマは Planetary Legends ということで、グスターヴ・ホルスト Gustav Holst 作曲の、組曲 「惑星 The Planets より 「木星~歓喜をもたらすもの Jupiter, the Bringer of Jollity で華々しくスタート♪

この曲は、3年前にも演奏したことがあります。  結構忘れてしまっていたけれど・・・
その時のブログ記事にかなり詳しく書きましたので、そちらもぜひご覧ください。


木星の大赤斑は、地球の2、3個分の大きさがあるそう。 大きな目に見つめられているようで、ゾクッとします。


次は、モーツァルトの最後のシンフォニーとなってしまった、交響曲第41番 ハ短調 「ジュピター」 を演奏。
亡くなる3年前 (1788年) の夏に、「三大交響曲」 と呼ばれる、性格の全く違う第39番から第41番までを一気に書き上げたというのですから、彼の天才ぶりに改めて驚かされます。

きっと、彼の頭の中では細部に至るまで完全に出来上がっていて、それをただ書き写しただけだったのでしょう。
もしモーツァルトがもっと長生きしていたら・・・と思うと残念ですが、短い人生だったからこそ才能が凝縮されていたのかもしれません。

「ジュピター」 は、雄大さと壮麗さに満ちたこの交響曲に与えられたニックネームで、ローマ神話の最高神 Jupiter (ユピテル) にちなんでつけられたそうです。 (ギリシア神話のゼウス Zeus に相当する。)


力強い第1楽章、優雅な第3楽章、快活な第4楽章、どれも魅力的♪
でも今回、指揮者が特にこだわったのは、第2楽章アンダンテ・カンタービレでした。

弦楽器は最初から最後まで弱音器を使用し、繊細で気品のある音を求められています。
とてもゆっくりのテンポですので、丁寧に弾かないとその分アラも目立つということ・・・神経を使います。

第4楽章のフーガは緻密な素晴らしい構成で、聴いていると天にも昇るような心地です。
でも、もし入る所を間違えたら一気に崩壊しますので、どのパートも責任重大。。。

このフーガ、きっと後に 「俺もいつか、これ以上のものを作ってみせるぜ!」 とベートーヴェンを奮起させ、その通りになったのだと想像します。

・・・というか、モーツァルトも、対位法の大家J. S. バッハの曲をかなり研究しています。
やはり、音楽の父と呼ばれるバッハの影響力はすさまじいのです。
(モーツァルトは、大バッハの息子の1人であるヨハン・クリスティアン・バッハとも直につながりがあったそう!)

こんな曲です。



休憩後は、若き有望なピアニスト Gareth Cordery さんをお迎えして、チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調」 を演奏。


それはもう、魅力的なピアノ演奏だったわ~ ♥♥♥
終わった後は、観客のどなたも迷うことなく、さっさと立ち上がってのスタンディングオベーションでした。

バックステージに、彼の分厚いピアノ楽譜がさり気なく置いてあったので、ちらっとのぞき見しちゃった。
(ステージ上では、もちろん暗譜でしたが。)

ただでさえ、非常に細かくて速いフレーズやオクターブの連打が多い難曲・・・
そこに書き込みがいっぱいで、黒々としていました。

あまりにも有名すぎ、大衆ウケする要素満載なので、いわゆる 「クラシック通」 の中には、この曲を少々バカにする人もいるそう。
いいじゃないの・・・私は平凡な大衆の1人なので、この曲大好きですけれどねっ♪

第2、第3楽章は今まであまり馴染みがありませんでしたが、牧歌的なメロディー、モーツァルトなどとは明らかに違うモダンなフレーズ、ウクライナ民謡に基づいた生き生きとしたリズムなど、変化に富んでいて楽しいです。

YouTube の動画も載せていますので、9月の記事も、よかったらお読みください。


盛大な拍手の後には、アンコールとしてベートーヴェンピアノソナタ 「悲愴」第2楽章が始まり、皆さんまたうっとり・・・
この曲は、若い頃からの私のお気に入りのひとつです。



コンサート終了後は、ソリストに握手してもらっちゃった。
あの完璧な素晴らしい演奏を聴かせてくれた手! そのぬくもりを直に感じることができて、嬉しかったです♪

芸術の秋は忙しい。。。 ほっとする暇もなく、また11月のコンサートに向けて練習開始!!


★10月2日のコンサートのプログラム★

     The Planets: Jupiter, the Bringer of Jollity 「惑星」 より 「木星~歓喜をもたらすもの」
       (Gustav Holst)
     Symphony No.41 in C Major, K. 551, "Jupiter" 交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」
       (Wolfgang Amadeus Mozart)
       1. Allegro vivace
       2. Andante cantabile
       3. Menuetto. Allegretto
       4. Molto Allegro
       
        INTERMISSION

     Piano Concerto No. 1 in B-flat minor ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 
       (Peter Ilyich Tchaikovsky)
       1. Allegro non troppo e molto maestoso
       2. Andantino semplice
       3. Allegro con fuoco


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2 件のコメント :

  1. パチパチパチ。。。ブラボ〜♬

    コロラドからも拍手を送ります。
    食欲の秋は大好きですが,芸術の秋に喝采!悲愴を聞きながら、,うっとりです〜〜私も大好きですよ。

    木星の大赤斑は、地球の2、3個分の大きさがあるそう。 大きな目に見つめられているようで、ゾクッとします。
    >赤い斑点が地球の2.3倍あったら,ジュピターは限りなく大きいんですね。宇宙には水、金 地 火 木 土。。。限りなく広い宇宙,,小さな地球でおきてる問題が本当にちっぽけでたいしたこがないようにさえ感じさせられます。sakuraさんは本当に素晴らしい才能を持ってますね〜音楽で人の心に安らぎを与えてます。。♬

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    1. ねこちゃんさん、

      木星はあんなに大きいので、1回転するにも時間がかかるのかと思っていたら、
      1日が24時間の地球に比べ、何とたったの9時間半だけなのだそうです。
      すごい速さなのですね。 びっくり・・・
      宇宙で起こっている色々と不思議な現象について考えると、
      国際間の争いなども、本当にちっぽけでバカらしいことに思えてきます。

      母国語は違っても、音楽は世界の共通語であることは確か♪
      音楽を介してなら、宇宙人とも意思の疎通ができるかも・・・なんて真剣に考えています。

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