2012/11/08

ジャジャジャジャ~ン♪

10月7日のコンサートの熱もさめやらぬまま、来る11月11日のコンサートに向けて練習中です。

次回は、エルガーチェロ協奏曲など全4曲を演奏します。
目玉は誰でもご存知の ジャジャジャジャ~ン♪ から始まる、ベートーヴェン交響曲第5番「運命」


この冒頭、ベートーヴェン自身が「運命が扉を叩く音」と弟子に説明したそう。
その話から、日本人なら誰でも知っている「運命」という通称が生まれたそうです。

でも、こちらのコンサート紹介サイトでは、 The well-known and well-loved Symphony No. 5 in C minor と書かれているだけ。
Fate という副題が加えられることは、英語圏では滅多にないようですね。


去年の夏ミネソタに引っ越してくる直前に、日本でも演奏したばかりなので、この曲は余裕です。
ふっふっふっ・・・

・・・なんて気を許していたら、弓のアップダウンが微妙に違う。
慣れてしまっているだけに、違うボウイングだとよけいに弾きにくいです。

最初の「ジャジャジャジャ~ン♪」と、すぐに続く2度目の「ジャジャジャジャ~ン♪」の間の取り方も、何だか違ってタイミングが取りにくい!
小さなことだけど、譜めくりの場所も違う。

それでもやはり、ベートーヴェンのシンフォニーというのは高揚感を煽るツボが押さえられているのか、とても気持ち良く演奏できます。

特に第3楽章の終わり、何だか不気味で暗い雰囲気だったのがいつの間にか長調に変わり、最後にクレッシェンドでわあっと盛り上がって、ノンストップで華々しくドラマティック、歓喜に満ちた第4楽章が始まる箇所が一番好きで~す♪
金管楽器も朗々と鳴り響きます。

暗から明へ、霧が晴れてぱ~っとまぶしく日が差してくるような、
もやもや鬱々とした気持ちが吹っ切れて、また前向きに人生を送っていこうと決意したような・・・

難聴に悩み始め、自殺まで考えたベートーヴェンの苦悩と、それを乗り越え芸術に命を捧げようとする強靭な意志を物語っているようなシンフォニーです。

音楽家にとって耳が聞こえないことは、まさに命取り。
ベートーヴェンはそれを人に悟られないよう、引きこもりがちになってしまいました。
その恐怖は一体どんなものだったのでしょう。

それを克服したベー様、強いな。。。


6日の夜にリハーサルがありましたが、いつもより出席者が少なかったです。
もしかしたら大統領選の結果を、家のテレビで見たかったのかしら。

コントラバスは全滅。 ホルンも4人いるはずが2人しか来なくてショボ~ン。
しかも、そのうちの1人はあまり練習して来なかったのが見え見えで、ついに指揮者がキレてしまいました。
あなたはここにいる資格はありません!みたいなことを、みんなの前で口走っちゃった。。。

他のメンバーも凍りつき、ナーバスになってますます悪循環。
飛び出してはいけない所で誰かが飛び出すとキッとにらまれ、音程をはずすと無言で首を振られ・・・

ワーグナー「タンホイザー」より「第3幕への前奏曲」という曲も演奏するのですが、こんな状態ならカットする!とまで宣言されてしまいました。
貴重な人生の20分間を、あなたたちも私も今晩無駄にした・・・そこまで言われてしまった。

明日の夜のリハーサルの様子で決めるそう。
ホルンのお兄ちゃん、お願いだから猛練習してきてね。
おっと、私ももっと頑張らなくちゃ。

「運命」第4楽章では、宇宙空間に飛び出していくほどの飛翔感を演奏中に味わえます。
ただし、うまくできればの話。 墜落しないように気をつけましょう。



おまけ 昔の録音ですが、いい感じです・・・第3楽章から第4楽章、続けてどうぞ♪


2012/11/04

亭主元気で留守がいい

Daylight saving time が、夜中の2時に終了!
家中の時計を1時間遅らせることから、1日が始まりました。

略してDSTとも言うデイライトセービングタイム「サマータイム / 夏時間」と呼ぶのは何だかそぐわないかな・・・?
そのまま「日光節約(活用)時間」とでも訳した方が、意味がわかりやすいと思います。

コンピュータやテレビのチューナーなどの時刻は、自動的に切り替わります。
その他は掛け時計、腕時計、電化製品やカメラなど、全部手動で遅らせるのでなかなか大変・・・
ウォーキングのお供の万歩計も、忘れずに直さなきゃ。

朝は、8時に起きてもまだ7時でした!(笑)
何だか得した気分でしたが、夕方早々と暗くなってしまうのが困ります。


ハロウィンもあるし・・・と玄関前に何となく置いてあったパンプキン、一昨日見たらこんなになっていました。


犯人は、そこらをウロウロしているこの子かな?


逮捕しようとしたら、木の上に逃亡・・・
ここまで来られるものなら、来てみたら?って顔してる。


今日はさらに、こんなになっちゃった!


ちゃんと目鼻ができていてびっくり!なかなかの芸術家のリス君ですね。
まあいいや、うんとお楽しみなさい♪

*その後、アライグマかも?というコメントいただきました。 リス君、疑ってごめんね!


いよいよ昨日から鹿のハンティングシーズンが始まり、男性陣は舞い上がってその話ばかり。
夫も一昨日から泊りがけで、友人の所有するハンティングランドに出かけていきました。

寒~い外で、じっと鹿がやってくるのを待つなんて、よっぽど好きでないとできませんね。
でも長いことミネソタを離れていた夫にとってのハンティングは、鹿を殺すことが第一の目的ではないのだそう。
それは、「禅」に通ずるものがあるとか・・・?

はあっ???殺生の場で、ですか?

無我の境地で自然と一体になり、風の音や雲のたなびき、空の色の変化などを全身で感じ取るのが、彼にとってはハンティングの醍醐味なのだそう。

だから、鹿を仕留めることができなくても全然構わないのですって。
ほほう、なるほどね。。。

瞑想(というか、居眠り?)なんかしちゃって、鹿を見張るための deer stand から落っこちないでね。


ハンティングの後はお酒を飲みながら、男共で政治について熱~く語り合っているに違いありません。
大統領選、いよいよ明後日ですもの。

一緒に行ったメンバーは、共和党派の人、民主党派の人、ちょうど半々です。
アルコールが入って、ケンカになっていないといいけれど・・・

話し始めると止まらない人たちばかりなので、ちょっと心配です。
みんな自分の意見は絶対曲げずに、相手を改心させようと企んでいます。

私としては、銃規制についてどのような態度で臨むのかが気になります。
どちらの候補者もお茶を濁している感じ。
明言すると、銃規制反対の人たちからの反発が目に見えていますからね。

ハンターたちは、安全に配慮した上で銃を所有するのは、自分たちの当然の権利と信じていることでしょう。
でも家の中に銃が並んでいるって、新米ミネソタンの私にはやはり怖いです。


政治の話は、彼らに任せて・・・
夫の留守中、私は友人とのブランチに出かけ、帰りにゆっくり買い物したり、息子と一緒に家で映画を見たり合奏したり、ちょっと優雅に楽しく過ごしました♪


亭主元気で留守がいい

日本ではよく言われますが、アメリカでそんな発言をしたら非難ごうごうかも!?
一緒にいたいという気持ちがなくなったら、終わっちゃってると見なされるようです。

だから、夫がいなくても楽しかったのは、ここだけの秘密ですよ~

夫の定年退職後、いつも顔を突き合わせている状態ですので、たまに離れるのは「寂しい」より「ほっとする」のが本音・・・

携帯電話で毎日様子を確かめ合うようなことは、私たちはしません。
妻子のことは忘れて男同士で盛り上がるのは、大いに結構。

一緒の時にも、ひとりの時にも、それぞれ違った楽しみ方ができる・・・
いつもべったりでお互いの行動を全て把握していないと不安になるより、よっぽど良い関係だと思うのですが、人によって考え方も違うのでしょうね。

明日夫が帰ってきたら、ちゃんと I missed you...(あなたがいなくて寂しかったわ・・・)と伝えるつもりよ~ん♪

2012/11/01

本場仕込みのレフサ作り

ミネソタは、スカンジナビア系移民の子孫が多い州として知られています。
寒くて冬が長い北欧と、ミネソタの気候が似ているからでしょうか。

夫の母方の祖父も、ノルウェーの出身です。
私の母のご先祖様は武士でしたが、子供たちには、もしかしたらバイキングの血も混ざっているのかも!?


スウェーデン系の友人が、私に本場のレフサ lefse の作り方を教えてくれるとのこと♪
レフサとは、じゃがいもを使って作るクレープみたいなもの。
サンクスギビングやクリスマスなどの祭日に食べることが多いそうです。

義母も昔は、よく手作りしていたとか・・・
夫も私も、夫の弟と妹たちも、みんなレフサが大好き!


友人が道具と材料を家に持って来てくれ、二人で一緒に作りました。

専用の rolling pin(のし棒)には、生地がくっつかないよう、Tシャツの生地のような布がまいてあります。
のし棒の下に写っている2枚の丸いキャンバス生地は、でき上がったレフサが乾燥しないようにはさんでおくためのものです。


レフサ用の大きなグリルは、直径が16インチ(約40cm)もあり、収納場所に困りそう・・・

下のは、レフサの生地をのし台からグリルに移動したり、焼いている時に裏返しにするためのスティック (lefse stick)
平べったくて長い、木製の棒です。
まずは、じゃがいもを柔らかくゆでてつぶす作業から。
これには、 ricer というガーリックプレスの親玉みたいな器具が必要です。


米粒大の穴からじゃがいもを押し出すと、お米みたいな形になって出てきます。
Rice が動詞として使われるなんて、びっくり。

Ricer という名称も、今まで知らなかったわ・・・
穴から出てきたじゃがいもの形を見ると、なるほど納得です!


普通のポテトマッシャーじゃだめなの?と聞いたら、穴の大きさが全然違うから、あまりなめらかにならないそう。
日本の昔ながらの裏ごし器なら、代わりになるかもしれませんね。
大量だと大変だけど・・・

これに、小麦粉や生クリームなどを混ぜて直径5センチほどのボール状に丸めたら、さっきののし棒で薄~く伸ばします。
のし台とのし棒の両方に、多目の小麦粉をふりながら作業しないと、くっついて大変なことになってしまうらしい・・・

友人がやるときれいな円形になるのに、私がやるとどうもいびつになってしまいます。
根性が曲がっているのかしら。。。
でも、何枚も伸ばしているうちに、だんだん上達してきました。

華氏450度(232℃)に熱したグリルに、生地を乗せて焼きます。
表面に気泡のでこぼこが見えてきて、生地の端が少しきつね色になってきた所で裏返し。


裏はうっすらと焼き色がつく程度でOK。
すぐにキャンバス生地の間にはさんで、できたものをどんどん上に重ねていきます。
グリルの上に残った打ち粉は、その都度ブラシなどで取り除いた方が、出来上がりがきれいだそう。

最後に載せたレシピの倍量で、35枚のレフサができました!


焼き立ての1枚にさっそくかぶりつくと、もう恍惚状態で~す♪


一番ポピュラーな食べ方は、バターを塗って砂糖(ブラウンシュガーがベター)をふりかけ、端からくるくる巻くだけ。
四つ折りにする時もあります。

私は、ロールサンドイッチみたいのも作ってみました。
クリームチーズを薄く塗り、ハムとピクルスを乗せて巻き、一口大に切ります。
これも、かなりいけますよ♪ 日本の100円ショップで買ったピックを使いました。

 Lefse sandwich

他にもクレープやトルティーヤなど、薄焼きの「粉もの」ってみんな大好き♪
レフサにはカビが生えやすいので、すぐに冷凍するか冷蔵保存が良いそうです。

手間暇かかりますが、やはり市販のものよりず~っとおいしかったです!
家には専用のグリルはないので、クレープパンを使って復習してみようと思っています。
うまくできるかな?

アメリカは人種のるつぼとよく言われます。
それぞれの人が、それぞれの国の先祖代々の料理を受け継ぎ、誇りを持ってまた子孫に伝えようとしているのは、すばらしいことだなと思います。

 
本格派レフサの材料 (注:アメリカの1カップは、約240ccです)


 Riced potatoes (ゆでて細かくつぶしたじゃがいも)  3カップ
 塩  小さじ1
 小麦粉   1と1/2カップ
 砂糖  大さじ1
 ベーキングパウダー  小さじ1/2
 無塩バター  1/2カップ
 生クリーム  1/4カップ (生地の状態によって調節)
 

【追記(2018年)】

 YouTubeレフサの作り方の動画を見つけましたので、ここに載せておきます。