2022/05/20

今シーズン最後のコンサート / 氷の津波に襲われる

今シーズン最後のコンサートが、日曜日に行われました。
3月のコンサートも難曲の「シェヘラザード」でしたが、終わってほっとする暇もなく、5月のコンサートに向けての自宅練習を翌日から始めたのでした。

コンサート最初の曲、ベートーヴェン「エグモント」序曲は、若き指揮者の卵にとってのステージデビュー曲となりました。
私たちの専任指揮者の知り合いで、金曜日に初めてリハーサルで合わせた時から、彼は興奮状態!
最初に合わせた後、「ああ、気持ち良かった~♪」と晴れ晴れした表情でした。

2曲目は、マックス・ブルッフ Max Bruch「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」
ソリストは、3月のコンサートの「シェヘラザード」でも、各楽章の冒頭に出てくる美しいヴァイオリンのソロパートを担当した、Timothy Pinkerton 君。


まだ17歳の彼、将来は世界的に活躍するヴァイオリニストになるかも・・・ということで、私を含めておばちゃんたちは、こぞって彼とのツーショットを写真に残してもらいました♪

家では40羽ものを飼っていて、何とパイ作りも得意だそう!
YouTube を観ながら研究を重ねたのだそうです。
ヴァイオリンが上手なだけでなく、リーダーシップにも優れ、性格も本当にいい子です。
彼のファンクラブもあるようで、コンサートでは盛大なる声援を受けていました。

彼はまだ小学生の頃にオケに入団しましたが、指揮者からすぐに才能を認められ、数年後にはセカンドヴァイオリンのトップに任命されました。
その頃はまだ背が低くて、後ろの列の奏者から「よく見えない」と苦笑されたことも(笑)
今では、すらりと長身に成長しましたけれどね。

この曲は2014年にも演奏したことがあり、その時にブログに詳しく書いてありますので、こちらも読んでね。
 ⇒ 40代の楽しく悲しい思い出 




後半で演奏したブラームス「交響曲第4番」は、もしかしたら今まで演奏した曲の中で一番難しかったかも・・・
日本で所属していたオーケストラでも定期演奏会の候補曲に挙がったことがあり、みんなで何度か弾いてみたもののあきらめたという前歴のある曲です。
(その後私がミネソタに移住してから、若い団員も増え、リベンジを果たしたようです)

全楽章通して40~45分位の曲で、かなりの集中力が常に必要。
ヴァイオリンの指使い、ポジション、弓のどの辺を使うのか、強弱、リズム、音色・・・注意するべきことがありすぎて、身体的にも精神的にへとへとになります。



この曲の第1楽章、切ない雰囲気の冒頭のメロディーが、「替え歌」で「トーロ~~、イーカ~~、ウーニ~~、アージ~~」などと寿司ネタにされたのを聞いたことがあります。
他にチャイコフスキー交響曲第5番、大変美しい第2楽章の冒頭は「♪だめよだ~め~、そこはだ~め~♪」ですって。
そうしか聞こえなくなって、罪作りですこと・・・

話がずれましたが、この曲は私だけでなく皆さんかなり苦労し、毎日猛練習しないと間に合わなかったと言っていました。
テンポの速い第3楽章は、なかなか指が回らず特に大変でした。

でも第3楽章だけは、まだクラシック音楽にはそれほど興味がなかった学生の頃からよく知っていたのです。
その頃大好きだったイギリスのプログレッシブロックグループ、YES「こわれもの (Fragile )に入っていて、何度も聴いていましたからね~
懐かしいなあ・・・




このコンサートが終わった後、シーズン終了のお疲れさま会が、近くのレストランで行われました。

ミネソタに移住してすぐに入ったこのオーケストラ、11年目となる今シーズンが今までで一番大変だったかも。
指揮者、団員とその家族、実行委員会の方々が集まって、心の底からの「お疲れ様」を言い合いました。

来シーズンのスケジュールも発表になり、いつか演奏したいと夢見ていたラヴェルピアノコンチェルトがプログラムに入っていて感激♪
これからの1年間、また元気でいなくちゃ。


実は今、3年ぶりに日本に里帰り中です。
コンサート翌日に出発という強行スケジュールで、まだコロナに関する制約が厳しい日本への帰国は、色々と大変でした。
これについては、また次回に改めて書きますね!


♪5月15日のコンサートプログラム♪

     Overture to Egmont Op. 84 「エグモント」序曲  (Ludwig van Beethoven)

     Concerto No.1 in G minor for Violoncello and Orchestra, Op. 26
      「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」 (Max Bruch)
       Ⅰ. Vorspiel: Allegro moderato
       Ⅱ. Adagio
       Ⅲ. Finale: Allegro energico

           Intermission
       
     Symphony No. 4 in E minor, Op. 98 「交響曲第4番ホ短調」 (Johannes Brahms)
       Ⅰ. Allegro non troppo
       Ⅱ. Andante moderato
       Ⅲ. Allegro giocoso
       Ⅳ. Allegrett grazioso - Un poco piu presto


おまけ お疲れさま会が行われたのは、湖に面した感じの良いレストラン。
     キャビンも併設されているのですが、そこで悲劇が!

     コンサートの約1週間前の、5月7日のことでした。
     解けてきていた湖の氷を強風がすごい勢いで運び、キャビンの一部を壊してしまいました。
     あっという間の出来事で、まるで氷の津波みたいだったようです。
     自然の力の恐ろしさを、改めて思い知らされました。


     規模は全然違うものの、家の前の湖でも、一部がこのようにになっていました。
     こんなのは初めてです。
     この翌日には氷が全面解けて、急に季節がすっかり変わったことにもびっくりでした。



2 件のコメント :

  1. 久々の日本は如何ですか。コロナ対策についても日米間の違いが見られるかもしれませんね。今週末は、アメリカではMemorial Day Weekendで、同国北部では実質的に短い夏の始まりですね。日本のコロナ感染者数は多少減少していますが、毎日、新規感染者が発生しているのでまだまだ油断できないと思います。帰国後は結婚式の準備等でお忙しいでしょうから日本での滞在をお楽しみください。Have a good time in Japan!

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    1. 匿名さん、

      ありがとうございます。
      久しぶりの日本を楽しんでいます。
      特に食べ物・・・毎日食べ過ぎで、アメリカに戻る前に体重が増えてしまいそうです。
      ほとんどマスク姿を見かけなくなったミネソタから来たばかりですので、ほぼ100%マスク着用の日本人の姿は、やはり不思議に感じます。
      屋外で他の人との距離が保てる場所では外しても良いとのことですが、律儀にマスクを着け続けている方がほとんどですね。

      6月から規制がだいぶ緩やかになるそうで、また外国人観光客も戻って来そうです。
      その後どうなることやら、まだ少し心配ですね。

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