2020/10/08

8ヶ月ぶりの演奏は、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」

2月の「映画音楽特集」を最後に、3回のコンサートをキャンセルせざるを得なかった私たちですが、

 ついにオーケストラ活動再開♪♪♪

指揮者と実行委員の方々の、大変なご苦労のおかげです。


ステージ上でもソーシャルディスタンスを守らなくてはいけないので、今回は15名という少人数で弦楽合奏だけを行うことになりました。
出演者はもちろんお客様にもマスクをしていただき、客席は椅子と椅子の間に距離を取り、団員は体調などに細心の注意を払って・・・

今まで使わせていただけた大学の練習室もハイスクールの大ホールも、リスク回避のため使えなくなり、まずは場所探しが大変だったようです。

色々な所を当たって、本番は一昨年新築されたばかりのイベントセンターをお借りすることができました。
新しい建物のため、グーグルマップで場所を調べても草原しか見えず、笑ってしまいます。
主に結婚式と披露宴を行うために使われることが多いそうで、なかなか素敵な造りです。

練習は、ルーテル教会の一室をお借りして・・・ここも天井が高く、ステンドグラスがはめ込まれた趣のある部屋でした。

実はどちらも音響がとても良く、少人数でも迫力の音が出せたのでは?と思っています。


今の状況で一度に大勢のお客様に来ていただくのは不可能ですので、土曜の夜と日曜の午後の2回コンサートを行いました。
その他に、ライブ配信でご自宅に居ながらにして鑑賞できるストリーミングのシステムも、今回初めて導入。
無料ならともかく、お金を払ってどれだけの方が聴いてくださったのかな・・・?

曲目は、チェンバロも加わってバッハ「ブランデンブルク協奏曲第3番」
指揮者自らが編曲した「アメージング・グレース」などの小曲を3曲。
最後は、日本では「オー人事、オー人事」のCMですっかりおなじみになった、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」

楽譜が配られてから初リハーサルまで1週間ぐらいしかなく、かなりの荒業でした。。。
特にチャイコフスキーが大変だった・・・
以前から大好きで一度は弾いてみたかった曲ですが、毎日の自宅練習でへとへとになりました。


それにしても、何と魅力にあふれた曲なのでしょう!
CMに使われたほどですから、冒頭のインパクトがものすごく強い第1楽章。
重厚な和音がぐわ~と一斉に鳴る部分には、鳥肌が立ってしまいます♪

第2楽章は優雅で軽やかなワルツ
実は、第1ヴァイオリンの楽譜には装飾音符と臨時記号が多くて、なかなか大変・・・
水面ではのんびりしているように見えるけれど、下で一生懸命足をかいていると言われる水鳥の気分です。

第3楽章は、「エレジー(哀歌)」というタイトル。
でも哀しみよりは、出だしの部分などは家のリビングルームから見る朝もやに包まれた湖の光景が浮かんでくるのだけどなあ。
眠っている赤ちゃんを、微笑みながらそっと見つめる若いお母さんの横顔とか・・・

続けて演奏される第4楽章では、穏やかな音の流れの序奏から主題に入ると、ロシアのにおいが色濃く香り始め、リズミックで快活な民謡風のメロディーが楽しくてたまらない!
マスクの下で、思わずニコニコしてしまいます。
最後には第1楽章の出だしの部分が再現されるという素晴らしい構成で、大変ドラマチックな終わり方です。


ステージと言っても、少しだけ高くなった所で演奏したのはコントラバスとチェンバロだけ。あとはお客様と同じ床面でした。
客席とこんなに近かったのは初めてで、それがかえって評判良かったようです。

「ブランデンブルク協奏曲第3番」は、指揮者に「とにかく楽しんで演奏しましょうね!」と言われていたため、肩の力を抜いて・・・
でも少人数なので、音の掛け合い中に誰かがコケたら大変ですから、ひとりひとり責任重大でした。


コンサートが終わってほっとすると同時に、みんなでこの曲目で演奏するのはこれで終わりなのだと寂しい気持ちも・・・

これからオーケストラ活動はどうなるのだろうと、長いトンネルに迷い込んだような不安な気持ちだった数ヶ月が終わり、やっと光が見えてきてみんなの笑顔が戻りました。
マスクしていて口元は見えなくても、みんな目が笑っていましたから。

11月、12月のコンサートも小規模で行う予定が立っていますが、その後のことはまだ何も決まっていません。
元のフルオーケストラで、大きなホールにいっぱいのお客様を埋められるようになるのは、一体いつになることやら。
でも、取りあえず再スタートすることができたことを、心から感謝しています。


★10月3日&4日のコンサートのプログラム★

     Brandenburg Concerto No. 3 in G major, BWV 1048  (Johann Sebastian Bach)
      Ⅰ. Allegro
      Ⅱ. Adagio
      Ⅲ. Allegro Assai

     3 Songs of Hope  (arr. Beverly Everett)
      God's Time is Always Best
      O God beyond all Praising
      Amazing Grace

     Serenade for Strings in C major, Op. 48  (Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
      Ⅰ. Pezzo in forma di sonatina: Andante non troppo - Allegro moderato
      Ⅱ. Valse: Moderato - Tempo di valse
      Ⅲ. Elegie: Larghetto elegiaco
      Ⅳ. Finale (Tema russo): Andante - Allegro con spirito

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