2016/05/26

100歳年上のお姉さま

家の敷地と隣家の敷地の間に、ポツンと市所有の土地があり、そこは小さな墓地となっています。
手入れをする人も、墓参りをする人もいなそうですが、いくつかの墓標が残っているため、サマーキャンプでは格好の肝試しスポットです。

私のいつものウォーキングコースから少し外れた場所にあるので、今花盛りのライラックを見に行ったついでに、先日久しぶりに訪れてみました。


ちょうど来週の月曜日は、メモリアルデー (戦没者追悼記念日) の祝日。
3連休となる週末に、身近な方のお墓参りに出かける人も多いのです。
しかも今日 (日本では27日) は父の命日ですので、お墓の話題にはちょうどよい日かな?


ここにあるのは、19世紀終わりから20世紀初めにかけて生きていらした方々のお墓です。
きっと、開拓時代にミネソタにやってきて居ついたのでしょう。

その中のひとつに、私よりぴったり100年早く生まれ、今からちょうど100年前である1916年に亡くなった女性のものがあることに、初めて気付きました。
つまり、今の私の年齢で亡くなったのだなと思うと、とても感慨深いです・・・

なぜか、墓標はワイヤーで頑丈に守られています。


どんな人生を送り、何が原因で亡くなった方なのでしょう。 彼女の子孫は、今でも近くに住んでいるのかしら?
想像の翼を広げて、色々と思いを巡らせてみます。

近くにはスズランが群生し、小さな可憐な花が咲き始めたところです。


白頭ワシの大きな巣もあり、悠々と飛び回る鳥たちに空からも見守られている感じ。


美しい湖のそばで、静かで安らかな永遠の眠りの中にある彼女に対し、不思議な親近感を覚えます。



実は、お墓の彼女とほぼ同じ時代に生きたフランスの作曲家セヴラックの、「春の墓地のひと隅」 という曲をピアノで練習中。
そのイメージを得る目的もあって、この墓地を訪れたというわけです。

お父さんと妹さんを相次いで失った年にセヴラックが作曲した、豊かな心象風景を表した曲です。
深い悲しみと鎮魂、人の生死には無頓着に再生をくり返す自然の圧倒的な美しさまでを表現した、隠れた名曲だと思います。


手折ってきたライラックは、家の中で品の良い芳香を放っています。
墓地の近くにあるこのライラックも、一体いつ誰が植えたものなのでしょうか。


住む世界は違うけれど、新しく知り合った隣人である、ちょうど100歳年上のお姉さまに、これからも時々会いに行こうかな!


キング・クリムゾン「エピタフ (墓碑銘)」 という曲を、何とザ・ピーナッツが歌ったバージョンを発見♪
さすが双子で、同じ声質でのハモリがお見事ですね!

 *最初に載せた動画が削除されてしまったため、チェンジしました。



初めに書いた通り、今日は父の命日です。
4年前のその日、不思議なことに父が日本で亡くなった時間に、そうとは知らずトンボに導かれるように出かけた林の中で、今日も父と語り合おうと思っています。

8 件のコメント :

  1. さくらさんより100歳年上の方のお墓を見つけられたとのこと。たぶん、北欧から移民して来た方のお墓でしょう。北欧系の移民の大半は1850年から1920年の間に行われたそうです。この期間ノルウェーでは人口の4分の1が移民したそうです。ミネソタ出身でウィスコンシン在住の友人のおばあさんはスウェーデンから移民して来ており乗ってきた船がタイタニックの生存者を引き上げたそうですから1912年の4月だと思います。スウェーデン系は、ウィスコンシンよりミネソタに多いようです。その証拠にミネソタ南部に所在するGustavus Adolphus Collegeは、スウェーデンの王様の名前にちなんでつけられました。米国滞在中、スウィーディッシュミートボールや戦後ノルウェーから移民して来た家庭で日本のおかゆみたいな料理で柔らかいご飯にバターとシナモンをつける料理をいただいたことがあります。

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    1. 匿名さん、

      人口の4分の1が移住とは、ものすごい数ですね!
      あっちにもこっちにも北欧系の方が多いのは、そのせいでしょう。
      タイタニックの生存者を助けた船に乗っていた方とつながりがあるというのも、
      何だかすごいお話です。

      ポピュラーなスウィーディッシュミートボールの他、
      じゃがいものパンケーキみたいなレフサ、クルムカカというお菓子など、
      北欧の料理は、結構よくいただいています。

      悪名高い lutefisk (ものすごい臭いだとの噂) は、まだ挑戦する機会がありません。
      発酵させた干しダラを、数週間灰汁に浸してから調理するそうです。
      ドキドキしますが、一度は試してみたいと思っています。

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  2. こんにちは
    100歳年上のお姉さまどんな方だったのでしょう。

    懐かしー!クリムゾンキングの宮殿。
    一時期メンバーだったレイク、後にエマーソン・レイク・&パーマー結成で「展覧会の絵」が有名でしたね。
    キース・エマーソンさん今年亡くなりましたね。

    「エピタフ」をザ・ピーナツさんが歌っていたなんて知りませんでした。

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    1. RMK さん、

      私もプログレが大・大・大好きだったので、ELP の 「展覧会の絵」にもハマっていましたよ。
      大河ドラマ 「平清盛」 では彼らの 「タルカス」 が使われていて、意外で驚きました♪
      すごいテクニックだったけれど、怪演 (?) とも言えたキース・エマーソンさんが亡くなってしまったのは残念です。。。
      歌声が魅力的でイケメンだったグレッグ・レイクさんは、すっかり膨張してしまったし・・・

      100歳年上のお姉さまが眠る墓地は、みんな土葬ですので、
      夏に肝試しに出かけるキャンプの子たちは、よけいにキャーキャー騒いでいます。
      静かに眠らせてあげたいですが・・・

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  3. 100才年上のお姉様、移民して、人生を終えた所なんでしょうね。お墓の回りには湖があり,自然に囲まれ最高の場所だったに違いありませんね!
    夏恒例の肝試しに使われて光栄に感じてるかもしれませんね〜汗
    お墓って苦手だったんですが、両親が他界して,順番でいけば私が次となり,お墓参りに行けば彼らが眠ってるからちょっと安心感が芽生えてきてます。。なんか変かしら!?死を恐れなくなったのでしょうね!
    ライラックの香りが届いてきそうです。。家にも咲いてますが昨日の雹の嵐て木々が裸にされてしまいました、

    お父さんが亡くなられて4年。。どんなことを語り合ったのでしょうか?

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    1. ねこちゃんさん、

      年を重ねるということは、その分親しかった方たちとのお別れも多くなるということですよね。
      あちらの世界の住人に知り合いが増えてくるに従って、
      確かに、死が特別のことではなくなってくるのかも・・・?
      父との語らいは、やはり感謝の念ばかり。
      生前は反抗的な気持ちになったこともありましたが、それらは全て浄化されました。

      ライラック、嵐で裸になってしまったとは残念ですね。
      こちらでは、薄い紫と白が並んで植えられている所も多く、
      色と香りで楽しませてくれています。

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  4. お父様 4年前にお亡くなりになって・・・お若かったのですね。ご命日に100歳年上の女性の墓碑を発見するとは 奇遇ですね!なんか 縁、運命のような。
    私たちが在米中に仲良くしていた ご夫婦、旦那さんはスウェーデン系、奥さんはドイツ系だそうで、奥さんは旦那さんのため クリスマスには「ROSETTE」や「SANDBAKKELSE」などのスウェーデンのお菓子を作るとのこと、私も教えてもらい アイロンや型を買って帰国しました。あまり作らないけど 今年はがんばってみようかしら。
    ミネソタはドイツ系の人も多いですね、南の方にNEW ULMという町があり 何度か出かけました。美味しいソーセージを買うのも楽しみだった。
    人種のるつぼというけれど 皆さんルーツを大切に守っていますね!

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    1. Akko さん、

      Rosette を揚げるのに使うアイロン、可愛らしい形が色々あり、私も欲しいなと思っています。
      でも、このお菓子もかなりカロリーが高そうですね。。。
      ミネソタは、ドイツ系、北欧系の方が断然多いですね!
      少数派の日本人として、日本の良き習慣や文化、もちろん日本食も、大いに宣伝したいと思っています。

      昨日結婚式があったため、ミネアポリスから先ほど帰ってきたところです。
      今日 (30日) はメモリアルデーで、あちこちにあるお墓には、カラフルな花が供えられているのを見かけました。

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