本番に向けて気合いを入れて練習してきたコンサートが5月4日に終わってしまい、放心状態。
ε=( ̄。 ̄;)
頭の中では、いまだに四六時中この曲が鳴り響いていますし・・・
今回はオーケストラ創立75周年の、特別記念コンサートでした。
演奏したのは、オーストリア生まれの作曲家
グスタフ・マーラー Gustav Mahler (1860~1911) のとてつもなく壮大な交響曲第2番 ハ短調。
「復活 (独:Auferstehung、英:Resurrection) 」 という表題付で紹介されるのが一般的です。
第九以外は演奏時間が30~40分台である
ベートーヴェンの交響曲などに比べ、これは約1時間半という長い長いシンフォニー。
演奏するほうも、聴くほうも大変です!
アルトとソプラノの二人のソリストの他、オーケストラ、合唱団のメンバー合わせて総勢200名ほど。
そう言えば、指揮者、コンサートマスター、ソリスト、全員女性でした。
o(*^▽^*)o~♪
舞台の外にも金管楽器と打楽器奏者を置き、音をより立体的にする効果を狙っています。
通常の楽器の他、ハープ2台、ティンパニー2セット (この他舞台外にも1台) 、大太鼓、小太鼓、タムタム (銅鑼?ゴング?) 、グロッケン、鐘、鞭その他色々と大編成です!
いつものホールのステージにはとてもおさまりきらず、客席数2,500ほどの大きな会場
(Sanford Center)でのコンサートとなりました。
2010年に湖のすぐそばに建てられた、新しくてきれいな建物です。
アイスホッケーの試合に使われることが多いこの会場、氷のない状態を見るのは初めて・・・
1週間前の日曜には、懐かしいバンド、
シカゴの公演があったばかりです。
アリーナを半分に区切った上でステージが組み立てられ、リハーサルもそこで二日続きで行われました。
Jumbotron screen と呼ばれる大スクリーンにも演奏中の映像が映され、団員たちもいつになく緊張です。。。
音響を良くするため、あちこちにマイクスタンドも立てられました。
元々はスポーツのための施設ですから、これは仕方ないのかな。
解説というほどではありませんが、簡単に曲の紹介を・・・
マーラーは、まだ20代だった1888年に第1楽章の作曲にとりかかりましたが、その後どのように続けるか決めかね、第2楽章の着手までに5年の歳月を要したそうです。
演奏時には第1楽章と第2楽章の間に最低5分間の休みを置くよう、作曲者の指示があります。
「葬礼」 という表題の通りの重々しさから、まるで穏やかな春の田園でダンスを踊るような軽やかさへ・・・指揮者も奏者もお客様も、気持ちを切り替える時間が必要なのかもしれません。
第3楽章は、マーラー自身による歌曲集
「子供の不思議な角笛」 の中の1曲
「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」 に基づくスケルツォ。 出だしは何となくコミカルな感じがして、親しみやすいメロディーです♪
第3楽章から第5楽章までは、切れ目なしで続けて演奏されます。
お客様も、トイレに立つ時間はなしよ。
一番短い第4楽章で、ようやくアルトのソリストが朗々とその美しい歌声を響かせます。
これも
「子供の不思議な角笛」 の中の
「原光」 より。
アルト独唱
おお、赤い小さな薔薇よ!
人間はこの上ない苦悩の内にある!
人間はこの上ない苦痛の内にある!
むしろ私は天国にいたい!
私は一本の広い道へとやってきた。
すると一人の天使が来て、私を追い返そうとした。
いや、私は追い返されるままにはならなかった!
私は神のもとから来て、また神のもとへ帰るのだ!
神様は一筋の光を私に与えてくださり、
永遠にして至福の生命に至るまで照らしてくださるだろう。
続けて、約30分もの長さのある第5楽章へ。
1時間以上も待たされた
Choir (合唱団) の方たちも、やっと出番だぜ~イ♪ と思っていたことでしょう。
舞台外奏者による、神の啓示のように響いてくるコラール風のメロディーも、それはそれはすばらしいものでした。
その後に静かにやわらかく始まる合唱の内容は、ウィキペディアではこのように解説されています。
聖者たちと天上の者たちの合唱が次のように歌う。「復活せよ。復活せよ。汝許されるであろう。」そして、神の栄光が現れる。不思議な柔和な光がわれわれの心の奥底に透徹してくる。……すべてが黙し、幸福である。そして、見よ。そこにはなんの裁判もなく、罪ある人も正しい人も、権力も卑屈もなく、罰も報いもない。……愛の万能の感情がわれわれを至福なものへと浄化する。
荒々しさ、神々しさ、生と死、短調と長調、緩急が入り混じり、聴く者をぐいぐいと惹きつけて決して飽きさせない、大変に魅力的な楽章です。
最後の1音が響き渡った時は、会場中の人々の気持ちが一体となった、素晴らしい一瞬でした。
誰よりも大きな達成感を味わったのは、やっぱり指揮者だったでしょうね。
昨年ご自身のお母様を亡くされたばかりの彼女にとって、なおさら特別な1曲となったそうです。
合唱とソプラノ
よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう、
私の塵よ、短い憩いの後で。
おまえを呼ばれた方が
不死の命を与えてくださるだろう。
おまえは種蒔かれ、ふたたび花咲く。
刈り入れの主は歩き、
我ら死せる者らの
わら束を拾い集める。
アルト独唱
おお、信じるのだ、わが心よ、信じるのだ、
何ものもおまえから失われはしない!
おまえが憧れたものはおまえのものだ、
おまえが愛したもの、争ったものはおまえのものだ!
ソプラノ独唱
おお、信じよ、おまえは空しく生まれたのではない!
空しく生き、苦しんだのではない!
合唱とアルト
生まれ出たものは、必ず滅びる。
滅びたものは、必ずよみがえる!
震えおののくのをやめよ!
生きることに備えるがよい!
ソプラノとアルト独唱
おお、あらゆるものに浸み渡る苦痛よ、
私はおまえから身を離した!
おお、あらゆるものを征服する死よ、
いまやおまえは征服された!
私が勝ち取った翼で
愛への熱い欲求のうちに私は飛び去っていこう、
かつていかなる目も達したことのない光へと向かって!
合唱
私が勝ち取った翼で
私は飛び去っていこう!
私は生きるために死のう!
よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう、
わが心よ、ただちに!
おまえが鼓動してきたものが
神のもとへとおまえを運んでいくだろう!
(和訳の歌詞はウィキペディアより)
私の自宅練習は、いつものように
YouTube の動画に合わせてでした。
指揮者によって、テンポも表情のつけ方もまちまち・・・どんな指揮にも対応できるよう準備しておきます。
巨匠
バーンスタインや
アバドの指揮によるものも、もちろん素晴らしいですが、今回みつけて特に感動したのは、南米
ベネズエラの
Simon Bolivar Symphony というユース・オーケストラの演奏です。
貧困、犯罪に悩むベネズエラでは、健全な市民を育成する社会政策の一環として、政府支援による音楽教育 (
エル・システマと呼ばれる) が大変に盛んなのだそうです。
若々しく迫力のある魂のこもった演奏に、 (それから知的な美女が揃っている点にも!) 驚かされました♪
「復活」 ラストの数分の、最も感動的な部分です。 (指揮
Gustavo Dudamel)
全曲通しての動画はこちら・・・
私たちの町のオーケストラと合唱団は、老若男女ごちゃ混ぜで、これよりずっとバラエティに富んだメンバーです。
今回は隣りの州のオケからも、何とブラジルからも、お手伝いに来てくださった方がいらっしゃいました!
全員でのリハーサルは2回だけでしたし、どんな方がいらしていたのかよくわからないうちに終わってしまった・・・
皆さん、どうもありがとう♪
楽譜上の指示はドイツ語で書かれていて、意味がわからず、それも調べなければなりませんでした。
練習は大変でしたが、多分一生に一度の大規模なコンサートに参加できて、最高に幸せでした♪
この曲同様、長~い記事になってしまってすみません。 最後にプログラムも載せておきますね。
★今日のコンサートのプログラム★
Symphony No.2 (Resurrection) (Gustav Mahler)
Ⅰ. Allegro maestoso
Ⅱ. Andante moderato
Ⅲ. In ruhig fließender Bewegung
(With quietly flowing movement)
Ⅳ. Urlicht (Primeval Light) - Sehr feierlich, aber schlicht
Ⅴ. Im Tempo des Scherzos
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