夕べの雨の仕業のようです。
庭の芝生も、元気に色付いてきています。
今日も1日中雨との予報。 家にこもってケーキを焼くことにしました。
バナナを買って数日後・・・皮が黒くなりかけたようなのが数本、わびしげにころがっていることがあります。
お菓子に使うには、そんな危篤状態のバナナがぴったりです。
「忘れんぼのバナナケーキ」というちょっと変わったネーミングに惹かれて、以前よく焼いていたお菓子のことを、久しぶりに思い出しました。
素朴なカントリー風の焼き菓子は、この湖畔の家によく似合う気がします。
これは、軽井沢のティールーム「アリスの丘」(作家の森村桂さんとご主人が1985年にオープン)の名物ケーキです。
「アリスの丘」での人気のお菓子を紹介した、「桂のケーキ屋さん」という本を持っています。
買ったのは、息子がまだ幼稚園に通っていた頃だったかな?
おいしそうな焼き菓子の写真と、かわいらしいイラスト、お菓子にまつわる物語で構成され、まるで童話のよう・・・
でも、レシピ付ではなかったのが、ちょっと残念でした。
その中で唯一レシピが載っていたのが、この「忘れんぼのバナナケーキ」なのです。
森村桂さんは「天国にいちばん近い島」などの著者で、皇后美智子様とも親交が深かったそうです。
書かれた文章を読むと、とても感受性豊かで繊細な方だったことが想像できます。
お菓子作りに関しては、かなり頑固なところもあったのではないかな?
ケーキを天火に入れる時には、「よろしくね、たのむよ!」とお願いすると頑張ってくれるのですって。
もし失敗しても天火をけなさない、ヤケを起こすから・・・などと語られています。
そう言えば、オーブンのことを以前は「天火」と言っていたっけ。
実家に初めてお目見えした時にも、確かそう呼んでいた・・・懐かしい響きです。
「忘れんぼのバナナケーキ」という名前の由来は、初めにニュージーランドで覚えた本式の作り方を、いつの間にか忘れてしまったからだそうです。
その名前のおかげで、失恋した方や嫌なことを忘れたい方を励ます時にも、絶好の役割を果たしてくれるとか・・・
でも、ご自身にはその魔法が効かなかったのでしょうか。
心を病んで、治療中の病院で自殺されてしまったのがとても残念です。
「アリスの丘」は、桂さんのご主人が引き続き経営され、彼女のファンだった方がスタッフとして同じケーキを焼き続けていらっしゃるそうです。
いつか一度行ってみたいと思っていた店ですが、今となってはそれも叶わないだろうな。。。
代わりに本の写真と物語を元に、自分で工夫して焼いてみるのも楽しいかもしれません。
桂さんは、お菓子の材料に相当こだわっていらした様子。
そこら辺で買ってきたあり合わせのものでは、怒られてしまうかな?
「忘れんぼのバナナケーキ」のレシピ 今日は13×9インチ(約33×23センチ)の型を使用
材料
バター 120g
ブラウンシュガーまたは三温糖 70g
ブラウンシュガーまたは三温糖 70g
卵 120g(L2個)
小麦粉 120g
ベーキングパウダー 小さじ1
ブランデー漬けレーズン 大さじ2
スライスアーモンド 大さじ2
完熟バナナ 2~3本
生クリーム 大さじ1
コニャック 大さじ1
ベーキングパウダー 小さじ1
ブランデー漬けレーズン 大さじ2
スライスアーモンド 大さじ2
完熟バナナ 2~3本
生クリーム 大さじ1
コニャック 大さじ1
作り方
1) バターは室温にし、小麦粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておく。
2) バナナは親指の先ぐらいの大きさに切り、生クリームであえる。
3) バターをボウルに入れ、木べらでかき混ぜ、砂糖を混ぜ合わせる。
4) さらにコニャックを混ぜ入れ、卵を1個ずつ落として混ぜる。
5) 粉類とレーズン、アーモンド、バナナの順に加えてなめらかに混ぜ合わせる。
6) その生地を、アルミホイルを敷いた天板などに広げる。
6) その生地を、アルミホイルを敷いた天板などに広げる。
7) 180℃のオーブンで30分ほど焼き、冷めたら切り分ける。
桂さんのレシピは、かなりアバウトな書き方ですので、家で試行錯誤した結果をここに載せました。
今回はブランデー漬けではなくラム酒漬けレーズン、コニャックもラム酒で代用の「なんちゃってバージョン」・・・
それでも十分おいしい♪
桂さんは、材料を手で混ぜ合わせることをすすめています。
ちょっと抵抗があるので、ズルしていつものように木べらを使っちゃいました。 (⌒-⌒;)