ご先祖様がスウェーデンとノルウェーからの移民だという、スカンディナヴィア系の友人に誘われ、昨日は
聖ルシア祭 (聖ルチア祭) に参加させていただきました。
(英語読みでは
ルシア 、イタリア語読みでは
ルチア ですので、この記事でも両方使うことをお許しください。)
ルーテル教会 で、朝6時に始まるとのこと。
早っ!!
朝には弱いのですが、こんな経験は滅多にできないかもしれないので、ありがたくお誘いに乗りました。
4:50にアラームセット、5:25に家を出て車を飛ばして行きました。 (何しろ過疎地に住んでいますので・・・)
もちろんまだ真っ暗ですし、霧も出ていて、運転がちょっと怖かったです。
聖ルシア祭 については全く知りませんでした。
昨日聞いたお話とウィキペディアなどから得た情報を、ここに簡単にまとめておきますね。
キリスト教の殉教者、 聖ルシア Santa Lucia (または聖ルーシー Saint Lucy 、生没年は283年、304年とされる) の聖名祝日に行われるイベントで、毎年決まって 12月13日 で す。
グレゴリオ暦が改訂されるまでは、聖ルシア祭は北半球の冬至 の日でした。
「ルシア (ルチア) 」 はラテン語で光 を意味し、 Lux または Lucid から派生した名前です。
・・・日本だったら、光子さん・・・?
キリスト教伝来前の晩冬の祝祭 「光の祭り」 が、ルシア信仰と結びついたとのこと。
聖ルシアはナポリの船乗りたちの守護聖人でもあり、日本でも有名なナポリ民謡 「サンタ・ルチア」 は、彼女のために作られたものだそう。
とても陽気な感じのするあのカンツォーネが、北欧の聖なる祝日に教会で歌われているとはびっくりです!
「サンタ・ルチア」 は、元々はナポリの美しい海の情景を歌ったものですが、スカンディナヴィアでは、ルシアが闇の中から光と共に現れたという歌詞に変更されているそうです。 (国によって、歌詞の内容は違うとのこと。)
夜が非常に長い スカンディナヴィア では、 「闇から光が現れる」 という考え方に救われる気がするのでしょうね。
聖ルシアが生まれたのはシチリア島のシラクサだったため、 「シラクサ (シラクーサ、シラクーザ) Siracusa のルチア 」 とも呼ばれています。
生涯については省略しますが、キリスト教迫害政策によって、ルシアは厳しい拷問を受けました。
棄教か死かという究極の選択を迫られましたが、信仰を捨てることはなかったため、美しい両目をくりぬかれてしまったそうです。
けれども奇跡が起き、ルシアは目がなくとも見ることができました。
絵画や像では、黄金の皿の上に自分の眼球を載せた姿で描かれることが多いです。
最後には短剣で刺されて殉教したルシアですが、 家族が彼女の埋葬の準備を始めた時、目が元通りになっていることに気付きました。
こうして彼女は、 目の見えない方の守護神 としても崇められています。
北欧諸国、特にスウェーデンでは、聖ルシア祭の行われる
12月13日 はクリスマスと並ぶほどの大切な日です。
北欧系の住民が約1/3を占めるミネソタ州でも、その伝統が大切に受け継がれています。
この町での聖ルシア祭は、教会ではなくレストランで行われたのが最初で、今年は39回目ですって!
毎年欠かさず参加されている方も、大勢いらっしゃいます。
プログラムには、
Välkommen till var 39th Annual Sankta Lucia Fest, 2014 と書いてあります。
多分、
Welcome to the 39th ~ という意味だと思います。
まずは小学校低学年らしき子供たちが、サンタクロースのような赤い衣装で歌やダンスを披露。
なるべく邪魔にならないように撮影したので、障害物も入っていてボケボケですみませんが・・・
そして、ハイスクールの女の子たち (
Star Boys と呼ばれる男の子も2人混ざっていた) が、キャンドルを手に
サンタ・ルチア を厳かに歌いながら、ゆっくりとした足取りで入場。
お揃いの白い服と腰に巻いた赤いリボンが定番です。 赤いリボンは、聖ルシアの流した血を表しているそう。
聖ルシアに扮する先頭の女の子は、何本ものキャンドルを乗せた冠をかぶり、他の子たちは手に持っています。
本物のキャンドルなので、落としたりしないかしらと大人たちは心配そう・・・
ちょっと八つ墓村 っぽいぞ。。。と、私は思った。 ここだけの話。
本場スウェーデンでの美しい動画を YouTube でみつけたので、貼りつけておきます。
VIDEO
その後、みんなでカフェテリアに移動。
これも昔からの伝統のひとつだそうですが、サフラン入りのS型パン、
ルッセカット Lussekatter 、 (
ルシアのロールパン Lucia buns 、または丸まったような形のせいか
ルシアのネコ Lucia cats とも呼ばれる) とコーヒー
Kaffe が、先ほどの女の子と男の子たちによって配られました。
光や太陽を象徴するような黄色いパン、明るい季節が待ち遠しくてたまらない北欧の人たちにとっては、特別な食べ物なのでしょうね。
ミネソタも冬がやたらと長いので、いつか自分でも焼いてみたいです。
写真を撮り忘れてしまったので、ウィキぺディアから画像をお借りします。
日本人にも大いに好まれそうなクリスマス雑貨が、販売されていました。
これも伝統的なクッキーだそう。
ハートの形 でとても薄く、ジンジャーやカルダモンの香りがします。
Lucia pepparkakor ,
Swedish ginger cookie と呼ばれています。
手のひらに乗せて願い事をしてから、真ん中を人差し指で押して割ってみて!と言われました。
うまく3つに割れたら、その願い事は叶うということです。
やってみたら、大成功♪ 喜んでいたのですが、どうやら3つに割れるに決まっているようです。。。
スウェーデン国歌の斉唱などがあってから、
スモーガスボード smörgåsbord ,
smorgasbord と呼ばれるビュッフェ形式のお食事を楽しみました。
スウェーデン式のミートボール
Köttbullar 、卵料理、ポテトソーセージ、パン、ハムやチーズ、果物、ライスプディング
Risgrynsgröt などでした。
酢漬けのヘリング (ニシン)
Inland Sill は私も大好きですが、朝っぱらから食べたのは初めて。
今まで、酒のつまみ以外には食べたことがありませんでした。
早朝ですし、しかも教会の中・・・今日はアルコールはなしよ。
この壁飾りも素敵ですね。 こういうナチュラルな感じ、大好きです♪
この写真ではよくわかりませんが、幸せを運ぶという馬、
ダーラナホース Dalahäst ,
Dalana Horse もたくさん並んでいました。
そういえば日本では、今年は午年だっけ?
それにしても、スカンディナヴィア系の方々の中では、日本人である私の存在は浮きまくっていたこと!
実はひいおじいちゃんがスウェーデン人で・・・なんて自己紹介したら、爆笑されちゃった。
うちの子供たちにはノルウェーの血が1/8入っているので、許して~
ブログで日本人にも紹介したいので来たと言ったら、皆さん喜んでくださり、これもこれも持って行け~とクッキーの入っていた紙製の入れものが集まってしまいました。
それから、かわいいオーナメントとバスケットをプレゼントしてくださった方も!
さっそくツリーに飾りました。 皆様どうもありがとう
(✿ฺ´∀`✿ฺ)ノ
北欧雑貨や北欧家具は日本でも大好きな人が多く、
IKEA も、アパレルメーカーの
H&M もすごい人気よ♪ とヨイショしておきました。
ところで、
「スカンディナヴィア」 と
「北欧」 って使い分けがよくわかりませんでしたが、指す国が違うのですね。
スカンディナヴィア Scandinavia に含まれるの は、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの3国 だけ! (えっ、そうだったの・・・?)
北欧 を
Nordic とすると、上の3国に
フィンランド、アイスランド、 デンマークの自治領である
グリーンランドと フェロー諸島、 フィンランドの自治領である
オーランド諸島 を加えたものらしいです。
北欧 を地域的な分け方と考えて
Northern Europe とすると、またややこしい。
間違っているかもしれませんが、狭義の
北欧 つまり
北ヨーロッパ は、
ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、アイスランドの5国 を指すらしいです。
広義には、
イギリス、アイルランド、バルト三国 (エストニア、ラトビア、リトアニア) 、 場合によってはドイツやロシアの一部なども含まれるようで、何だかよけいにこんがらがってきた・・・
今までいい加減な使い方をして、大体あの辺よねという意識しかなかったことを反省。
ミネソタで暮らすからには、
スカンディナヴィア とはどの国を指すのかだけは、しっかり覚えておかなくでは。
自分のルーツに関わる話題で、間違ったことを人に言われたら、あまりいい気がしないでしょうからね。
昨日と今日は、気持ちの悪いほどの暖かさです。 今日なんて7℃もあってまるで春!!
Tシャツ姿で歩いている人までいて、さすがミネソタンと感心しました。
12月に雪が解けるなんて、普通はあり得ないこと。 それに霧がすごいです。
明日からはまた冬に逆戻りだそう・・・
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