いつかはその日が来ることがわかっていました。
でもやはり、いざとなると住み慣れた日本を離れるのは不安で寂しくて・・・
家族や親しい友人、便利で快適な都市生活、世界最高かもしれない豊かな食文化、そういったものとお別れして、今までとは全く違う新たな環境に身を置くにあたっては、かなり心の葛藤がありました。
勢いだけで移住できたかもしれない若い時と違って、すでに50代半ばでしたから、なおさらね。。。
でも、ある曲を聴いている最中に、ふっと迷いがふっ切れちゃった!
まるで、曇天の空に急にまばゆい太陽の光が射しこんだみたいに。
それがジャン・シベリウス Jean Sibelius 作曲の 「フィンランディア Finlandia」 でした。
19世紀末、フィンランドが帝政ロシアの支配下にあり、その圧政に苦しんでいた時代、次第に民衆の反発が強まり、独立に向かおうという時に生まれた曲です。
苦難を表す重苦しい出だしですが、闘争への呼びかけ、勝利への導きが、巧みな作曲技法で表されています。
圧倒的な力強さと優しさを兼ね備えた 「フィンランディア」 は、以前から親しんでいた曲でした。
けれども、なぜかその時はいつもより心の奥深くにすうっと入りこんでいって、希望の種を落としていってくれたのです。
私はきっと大丈夫だ!って勇気がわいてきました。
どこに住もうと誇りを持って自分らしく生きよう、誠実に、優しく、毎日のちっちゃな幸せを敏感に感じ取りながら。
中盤の美しいメロディーには、後から歌詞がつけられ、現在も 「フィンランド讃歌 Finlandia Hymn」 として親しまれています。
フィンランドでは、第二の国歌として愛唱されているそう。
そしてシベリウスは、フィンランドの独立を求めた民衆に勇気を与えた英雄として、今でもとても尊敬されているのですって。
またこの部分は、讃美歌第298番 「やすかれわがこころよ」 としてもよく知られています。
実は私、結婚式を挙げた教会の聖歌隊員だったことがあります。 ですから、その頃から大好きな歌でした。
讃美歌の中で、人気の高い曲のひとつです。
英語では、 Be Still, My Soul というタイトルです。 天使の歌声でどうぞ♪
This Is My Song というタイトルで、違う歌詞で歌われることもあります。
私たちのオーケストラ、10月6日のコンサートでこの曲を演奏します。
創立75周年という節目の年を記念し、現在の指揮者ではなく、前任の指揮者が振ってくださるのですって。
湖と森林に囲まれたミネソタには、自然環境が似ている北欧から移民してきた方が多いです。
フィンランド生まれのシベリウスの人気は高いはず。
「フィンランディア」 の他に、同じくシベリウスの交響曲第2番も演奏します。
練習は大変ですが、とても楽しみ♪
北国の、美しく時には厳しい自然に囲まれてこそ、この作曲家の本当のすばらしさがわかるというものです。
ミネソタでの暮らしも3年目を迎え、ずい分慣れてきたなと思いますが、ここらで初心に返ってみよう・・・
私は、ミネソタに戦いに来たわけではありません。
でも、弱気になりそうな自分の心と戦い、この地で幸せに暮らすことが、私にとっての勝利なのかも。
日本で聴いた 「フィンランディア」 が蒔いてくれた希望の種が、すくすく育っているのを確認したいと思います。
おまけ 娘が最近買ったトースターですって。 写真が送られてきました。
こんなパンが焼けるなんて・・・か、かわいい。。。私も欲しい!
NHKのマスコットキャラ、どーもくんは、アメリカでも人気者♪
このトースター、どういうわけか日本では販売されていないようですが、
アメリカのアマゾンなどで買えます。 Domo Toaster というのですって!
お値段は約40ドルです。
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