おまけのページ

2023/11/27

割と地味だった2023年のサンクスギビング(感謝祭)

遅ればせながら、今年のサンクスギビング(感謝祭)の様子を記録しておきます。
サンクスギビングは11月の第4木曜日に決まっていて、今年は11月23日。
日本の勤労感謝の日と同じでした。名前も似ていて、何だか紛らわしいですね。
我が家では当日は避けて、いつも2日後の土曜日に祝います。

娘一家は早々と水曜日に登場!
パーティーの準備と共に、毎日の食事の支度、7ヶ月になった孫娘とワンコ2匹の世話もあり、私たちもずっとバタバタしていました。

ここ数年は料理好きな婿殿が、サンクスギビングの主役であるターキーを担当してくれて助かります。
今年は、18.5ポンド(約8.4キロ)の立派なターキー!何と、孫娘より重いぞ・・・



パーティー当日は親戚と親しい友人たちを招待し、今年は総勢12名。
掃除や買物などにはそれなりに時間がかかったものの、料理持ち寄りなので助かります。
誰が何の料理を担当するかは、いつの間にかすっかり定着し、それぞれのお得意の一品をみんな心待ちにするようになりました。

私たち夫婦は、毎年「芋係」です(笑)
夫はガーリックマッシュポテト、私はスイートポテトキャセロール
どちらも娘たちが来る前に早めに作っておいて、フリーザーに保管し、前日に解凍しました。

お腹の調子が悪くてグルテンの摂取をやめている友人のために、小麦粉をグルテンフリーのものに変えたバージョンも作り、とても喜ばれました。

友人夫婦は、レフセ Lefse というじゃがいものクレープのような料理を持ってきてくれました。
前日の夜に、「今作ってるよ~」と写真が送られてきて、私たちはワクワク♪


レフセについては、11年前にこの友人と一緒に初めて作った時に、レシピ写真と共に詳しくブログに書いたことがあります。

その頃は、他に日本語の記事が見当たらなくて、私は耳で聞いた通りに「レフサ」と書きましたが、今調べると日本では「レフセ」と呼ばれているようなので、これからはそれに従います。
最後はあいまい母音ですから、軽く発音すればどちらでも良いのでは・・・?

その時の記事に動画も載せていますので、発音も含めてぜひチェックしてみてください。

レフセノルウェーなどに伝わる料理で、スカンジナビア系の多いミネソタでは、かなり人気があります。(私も大好き♪)
バターブラウンシュガーを乗せて、巻いて食べることが多いようです。


たくさんの料理が並びました! でも、茶色系ばかりですね(汗;)



去年までは彩りを考え、頑張ってが豊富なサラダなどを足していましたが、今年は孫娘もいてそこまで手が回りませんでした。
サンクスギビングの料理は、日本のおせち料理のように定番のものが多く、それらが入っていれば皆さん大満足です。
色合いは別に気にしないようですので、まあいいでしょう。

2023年の私の新年の誓いは、「まあいいか」の精神でゆるく生きることでしたから、誓いがちゃんと守られているということです。
(自分勝手な言い訳・・・)

この時期、ミネソタではもう雪景色であることがほとんどです。
でも今年は、雪が積もっていなくてまだ「秋」という感じでしたので、秋のデコレーションに違和感がなくて良かった♪

翌日には雪が降り、あっという間に冬景色になってしまいましたけれどね。

2023/11/17

11月なのに、なぜか「海」特集

この前の日曜日、いつものオーケストラのコンサートに出演しました。
鹿狩りのシーズンにもかかわらず、お客様の入りは上々で良かったです。

毎回のコンサートにはテーマがあるのですが、今回は "Songs of the Sea" というタイトルで、演奏した4曲はどれもに関係のあるものでした。
というと「真夏」を思い出すので、11月のテーマだったのは不思議。

1曲目は、楽器でクジラの鳴き声や波などの動きを表現した、"And God Created Great Whales" という曲。
聖書「創世記」1章21節に表されているフレーズです。あの分厚い聖書の第1ページ目、天地創造の場面の一部なのです。

和訳の聖書では、この部分は「海の大いなる獣」とされ、英訳でも「クジラ」とは明記されず great sea creatures または great sea-monsters となっているものもあります。

曲の出だし部分などは、創世記の海のカオス状態を表すためなのか、弦楽器は周囲の人と同じ動きにならないように注意して、テンポもそれぞれ好きなように・・・と、楽譜に注意書きがありました。
下の動画を観ていただくと、皆さんバラバラの勝手な動きで弓を運んでいるのがよくわかりますね。

作曲者の Alan Hovhaness 氏は、日本韓国インドハワイなどの伝統音楽の要素を研究されたとのことで、この曲のメロディーにも、何だか懐かしさを感じました。
ちょっと「君が代」っぽいと思ったのは、私だけだろうな。




2曲目は、高校生の頃にこのオーケストラのメンバーでもあった Eric Haugen 君が主役のチェロコンチェルト


最初のリハーサルは、悪天候のためズームによるものになってしまったのですが、その時に作曲者の Max Wolpert 氏も参加でびっくり!

これは、チェリスト Eric 君と私たちのオーケストラのために書かれたできたてのホヤホヤの曲で、ネットには音源が全く載っていなくて、自宅練習に苦労しました。。。
そのズームリハーサルの後(コンサート本番の13日前)に音源が配られて、やっと雰囲気がつかめましたが。

タイトルの ”Leviathans" は、意味がわからなかったのでググりました。
ウィキペディアによると「旧約聖書に登場する海の生き物もしくは怪物。 その姿は伝統的には巨大なクジラ、魚、またはワニのような姿で描かれるが、後世には蛇や竜などの形でも描かれている」とのこと。

カタカナでは「レビヤタン」とか「レヴィアタン」などと表記されますが、英語ですと [ləvάɪəθ(ə)n] という発音記号で表されます。

作曲者の話では、幼い頃から海に憧れを抱いてきたけれど、内陸州に育ち、船酔いもするたちだったので、実際に海に行く代わりに海に関する物語を読むのが好きだったそう。
海に住むモンスター海賊難破船などについて想像しては楽しんでいたとのこと。
大きな海への恐れとワクワク感、冒険心の全てを表したものを作ろうと思い立ってできたのが、この曲だったそうです。

はい、その通りの曲でした!
時々、頭の中が???でいっぱいになりましたが(笑)、最後は光に満ちた大海原の上を高速で飛翔するような解放感を、私は味わいました♪
人によって印象が違うことでしょうけれどね。
チェロは、弾くのが難しいだろうかなりの高音まで、素晴らしい音を聴かせてくれました。


休憩後の1曲目は、ピアノの連弾と弦楽器だけの静かで美しいララバイ
発表直後は認められず、作曲者 Eric Whitacre 氏は、まだ赤ちゃんだったご自分の息子さんのためにだけ毎晩歌っていたそうです。
(眠ってくれる成功率は、50%以下だったそうですが・・・)

けれども数年後に合唱用に編曲され、それがきっかけとなって、コンサートバンド用にも編曲されて広く演奏されるようになったとのこと。

私は、戦地のガザウクライナの子供たちを思いながら演奏しました。
安らかな気持ちになるのはとても無理な状況でしょうけれど、少しでも慰めになりますように。



そして最後は、印象派の作曲家ドビュッシー Claude Debussy 交響詩『海』 (La Mer) でした。
1905年に出版された初版スコアの表紙は、何と葛飾北斎「神奈川沖波裏」の図柄で飾られています。
使われたのは左半分だけで、富士山は消されているけれどね。

北斎の絵からインスピレーションを得たのかどうかは定かでないようですが、もしそうだったら、何だか嬉しいですね。


ドビュッシーはフランス人でしたから、楽譜上の指示語もイタリア語ではなくフランス語で書かれていて、意味をいちいち調べなければなりませんでした。

『海』が書かれた頃、ドビュッシーの私生活は嵐の真っ只中だったそう。
彼と銀行家夫人との不倫が逃避行にまで発展し、奥さんがピストル自殺未遂をしでかしたのですって!
世間からバッシングを受け、親しかった友人も離れて行き・・・という状況だったとのことです。

(余談ですが、「月の光」など美しい曲の数々を作曲したドビュッシーは女癖については最悪で、売れない時代に彼を支えた女性も、ピストル自殺未遂を犯しています!)

『海』が発表された時、初めの頃は聴衆の反応はイマイチだったそうです。
初演の3年後にドビュッシー自らが指揮をして、やっと大成功をおさめることができ、めでたしめでたしとなりました。

練習を重ねるうちにどんどん好きになりましたが、初めの頃はやはり「何だか、ややこしい曲だな」という印象を私も受けました。
ドビュッシーらしい音の使い方で、実に見事に海の様子が表現されていますけれど、1回聴いただけでは、盛り上がりに欠けてつかみどころのない感じがします。

自宅練習では、色々なオーケストラ指揮者の YouTube を観て研究しました。
下のバーンスタイン指揮のものは、ちょっと古いですけれど、終わった時の客席の歓声がすごいので名演だったのでは?



そう言えば、しばらくを見ていないなあ・・・
ミネソタにはたくさんのがあり、水を見るとほっとしますけれど、潮風のにおいや波の音がとても懐かしいです。


♪11月12日のコンサートプログラム♪

     And God Created great Whales, Op. 229, No. 1 (Alan Hovhaness)
     
     Cello Concerto #1, "Leviathans" (Max Wolpert)
       Ⅰ. Iä! Iä!
       Ⅱ. Love Song at 52 Hz.
       Ⅲ. HIC SVNT DRACONES
 
           Intermission
       
     The Seal Lullaby (Eric Whitacre)

     La Mer (The Sea): Three Symphonic Sketches (『海』管弦楽のための3つの交響的素描)
      (Claude Debussy)
       Ⅰ. "De l'aube à midi sur la mer" – très lent – animez peu à peu
         (海上の夜明けから真昼まで)
       Ⅱ. "Jeux de vagues" – allegro (dans un rythme très souple) – animé(波の戯れ)
       Ⅲ. "Dialogue du vent et de la mer" – animé et tumultueux – cédez très légèrement
         (風と海との対話)

2023/11/10

鹿狩りのシーズンが始まる!

多くのミネソタの男性たち(中には女性も!)が楽しみに待っていた、鹿ハンティングシーズンが、この前の週末にいよいよ始まりました。

親戚の中にもさっそく出かけた人が何人かいて、成果の報告が届いています。
けれども数年前から、夫も義弟ももう狩りはやめてしまいました。
年と共に、あんな可愛い動物に銃を向けることに、罪悪感を覚えるようになってきたそう。
私が「可哀そう。。。」と言い続けているので、洗脳されちゃったかな。

ハンターたちの一番の目的は、もちろん「鹿肉 venison 」を食べることです。
赤身でヘルシー。日本でも珍味扱いされているのかな?
その他に「鹿は農作物に被害を及ぼし、急に道路に飛び出して交通事故を招くので、毎年ある程度の数を駆除しなければいけない」という大義名分があり、狩りの頭数は厳しく制限されています。

鹿肉は、私も昔は食べていたのですけれど、何年か前に「もう食べない」と宣言してしまいました。
味がどうのこうのではなく、家のすぐ近くで見かけることが多いため、何だかペットとして可愛がっている動物を食べちゃうような気がして、無理だと感じてしまったのです。

はどうなのよ?と言われそうですが、それらは身近に見かけることはないので別・・・って、自分勝手な言い訳でしょうか。。。

夫たちは狩りはやめたものの、子供の頃から馴染んでいる鹿肉は、相変わらず大好物です。
先週末に義弟がやって来た時に、雑木林の真ん中の空き地で「鹿肉を味わう会」が催されました。
実際には、男性陣が大勢集まっての野外での「飲み会」だったのですけれどね。

下の写真は、義弟の友人のひとり。
ハンティングシーズン中は、誤射を防ぐために、このようなオレンジ色のものを身に着けるのがお約束です。
落葉樹がすっかり地面に落ちてしまった今、遠くからでもよく目立つ色ですものね。
ですから、全員がこんな格好でやって来ました。何だか、ハロウィーンの続きみたい。。。


この鹿肉は、獲れたてのほやほやではなく、去年の残り物。
たくさん獲れすぎて、1年間フリーザーで眠っていたものを、友人のひとりが持ってきました。
なぜか牛肉も、ひと固まり混ざっています。迫力あるなあ!


皆さんお昼頃に集合し、キャンプファイヤーで暖をとりながら、延々と夜中までおしゃべりが続きました。
私はデザートを作って持って行き、午後遅くに少しだけ参加。
暗くなる前に帰宅しました。

野菜と共に長時間煮込んだ肉は、柔らかく美味しく出来上がったそうです。


一体どのぐらいのを燃やしたのか・・・こういう機会のために、夫は前々からせっせと薪を用意して、十分すぎるほどの貯えがありますが。

煙突のようになる、中空になった薪も♪ 見ているだけで、楽しそうですね。


夫と義弟は真夜中過ぎに、ヘロヘロになって戻ってきました。
お疲れ様・・・