おまけのページ

2016/09/12

別れても (別れたからこそ?) 最高のパートナー♪

「食欲の秋」 ということで食べ物の話題が続きましたので、今日は 「芸術の秋」 にフォーカスいたします。

10月2日には、久しぶりのコンサート出演予定♪
それに向けて自宅練習中の曲の1つは、チャイコフスキーの名曲 「ピアノ協奏曲第1番」 です。

壮大で大変印象的なあの出だしのおかげで、その部分だけは知っているという方も多いことでしょう。
でもこの曲は、大好きな人と苦手な人にはっきり分かれるらしい・・・
チャイコフスキーが最初にに友人に聞かせた時にも、思い切りけなされたらしいです。

わかりやすく情緒的なメロディーや、民謡をベースにした心揺さぶられるリズム、ものすごい高揚感を得られるエンディングなど、多くの人にとって、チャイコフスキー作品には好ましい要素がてんこ盛り。

一方嫌いな人からは、甘ったるいメロディー、ただの自己陶酔・・・と厳しい言葉が並ぶようです。
まあ、人の好みはそれぞれですからね~


いつもの通り、ヘッドホンで YouTube 先生に合わせて練習開始!
他の楽器の音も聴きながら曲の構成に慣れ、テンポの変化を知るためにも、この方法がおすすめよ。
速すぎてついていけない部分は楽譜だけ目で追って、後でゆっくり練習します。

様々な演奏を、自由に聴き比べることができる時代に感謝♪
おおっ!と思ったのは、シャルル・デュトワ Charles Dutoit が指揮、まだ30代半ばだったマルタ・アルゲリッチ Martha Argerich がソリスト、というバージョンです。


実はこの2人は1969年に結婚していて、1974年には日本で夫婦共演の予定でした。
ところが、夫婦喧嘩のためアルゲリッチが一方的に公演をキャンセルし、帰国してしまったそう。
(どうやら、デュトワの浮気が原因だったらしい・・・)
娘もいたのに、結局2人はその後離婚することになりました。

アルゼンチン出身、情熱的で気性の激しそうなアルゲリッチが怒ったら、デュトワはたじたじだったことでしょうね。

それでも、その後2人は和解したようで、上の動画は離婚の翌年である1975年 (偶然、この曲が誕生してからちょうど100年!) のコンサートです。

かなりテンポの速いアルゲリッチのピアノを、巧みに操るデュトワは、さすが元夫!
でも、「全部あんたの思い通りってわけにはいかないわよ」 というアルゲリッチの主張も、時々垣間見えるかも。。。

豊かな髪、キスしたくなるような形の良い唇。 鍵盤の上を自由自在に動き回るしなやかな指。
指揮しながら、「この指が、かつては俺の体を・・・」 なんて妄想に浸らなかったかしら (笑)

演奏が終わった後、デュトワがアルゲリッチの頬にチュッとキス。
尊敬と愛情を込めてお互いに手を取り合う場面には、ぐっときます。

デュトワもまだ魅力的な30代で、愛の言葉を耳元で囁くのがいかにも上手そう。
ステージ上ではとてもお似合いに見え、最初に動画を観た時には、あれ?この時はまだ夫婦だったっけ?と思ったほど。

離婚後も、何度も共演している2人・・・コンサートの合間には、プライベートな話をすることもあるのかしら。
どちらも数回の結婚と離婚をくり返し、情熱の赴くままに自由に生きている感じです。
それもお互いに認め合った上で、音楽の神様に導かれて深~い所で理解し合っているのでしょうね。


そして2人共それぞれ年を重ね、同じくチャイコフスキー 「ピアノ協奏曲第1番」 を共演している2014年の動画も見つけました。
若手音楽家の育成のために毎年スイスで開催される、ヴェルビエ音楽祭 Verbier Festival で、ヴェルビエ祝祭管弦楽団 Verbier Festival Orchestra をバックに演奏しています。

すっかり銀髪になってしまったものの、アルゲリッチは若い時から髪型が変わりませんね。
相変わらず情熱的なピアノですが、テンポはだいぶ落ち着いています。

すぐ下のは、3分足らずの短い動画です。


フルバージョンはこちら。

1975年には、どこか挑み合うような感じも見受けられたのに、70代になった2人にはもうしがらみも何もなく、お互いを労わり合い、人生を称え合うような温かさがあります。

若い時は頬にチュッでしたが、この時はアルゲリッチのおでこと右手にチュッ!でした。
終わってからも、2人で肩を抱き合いながら退場・・・ こういうの、いいな~♪

アンコールの、シューマン 「子供の情景~異国から」 にうっとりのデュトワの表情は、優しさに満ちています。



デュトワは、NHK交響楽団の常任指揮者を務めていたこともあり、日本びいきとして知られています。
フランスの作曲家の曲を得意とするので、フランス人と思い込んでいましたが、スイス生まれだそう。

このブログで以前ご紹介した、「死ぬほどヘタクソなボレロ」 (ブログ記事はこちら) の指揮もしています。
彼の名誉のために付け加えておくと、オリジナルの名演奏の映像だけを誰かが勝手に使用し、どこかのアマチュア (学生かな?) のとんでもない演奏を重ねたものなのですけどね。

ちょっと心が沈んだ時には、これを聴けば笑わずにはいられなくて、すっかり元気になるかも。。。
特に、腹筋崩壊確実の 「瀕死の象」 はおすすめです!

ボロロ with デュトワの差し替え動画はこちら

今日はチャイコフスキーの曲の解説というより、演奏者についての雑談で勝手に盛り上がってしまいました。
さて、私も妄想に浸っていないで、もっと練習しなくちゃ♪



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6 件のコメント:

  1. ニューヨークでテロによる爆発事故が発生しましたが、貴州のセントクラウドのショッピングモールでもIS(Islamic State)による刺殺事件が発生したそうですね。2001年の同時多発テロ以降平穏だったアメリカにも戦慄が走った?生きていると理不尽な目に会ったり不当な扱いをされ「世の中は平等ではない」と思うことがたくさんありますが、その日その人に起こることはベストなことなのだそうです。英語のことわざに"Everything happens for the best."(紆余曲折はあるが物事はうまく行く)があります。これは、"Everything turns for the better."に置き換えられます。私も若いころはマイナス発想でよくぼやいておりましたが、「起こることは必要、必然且つベスト」なのだそうです。とは言ってもそう思えないこともありますので、思えないときは無理に思うことはありません。

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    1. 匿名さん、

      セントクラウドでの事件については、日本の友人たちも心配してくれました。
      家からは車で2時間半ぐらい・・・私もそのショッピングモールには何度か行ったことがあるので、信じられない気持ちでいます。

      今回のブログ記事で取り上げた指揮者とピアニストには、
      "Everything turns for the better." がぴったり当てはまるのかもしれません。
      離婚したからこそ、音楽の同志としてはより良い関係になったのではないでしょうか。
      ここに至るまでには、色々な葛藤があったことでしょうけれど、
      相手を恨んだり呪ったりせず、お互いの人生を祝福する様子に心打たれます。

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    2. 友人のセントクラウド大学の卒業生(60代前半)の話では、彼らが学生のころ事件があったショッピングモールはなくダウンタウンだけあったそうです。町が発展したそうです。東京は昨日まで秋の長雨でしたが、今日は久々太陽が
      でました。お彼岸が過ぎましたが、今週は気温が高いようです。そちらは北国
      なので日本の本州より紅葉が早いですね。これはウィスコンシンのサイトなのでお気に召さないかもしれませんが、ご興味あればご覧ください。https://www.facebook.com/wisconsinonly/

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    3. こちらの紅葉はかなり早く、あっという間に葉が散ってしまいます。
      以前11月に一時帰国した時には、紅葉が2回味わえてラッキー!と思いました。
      ウィスコンシンのサイト、ため息が出るような美しい自然の写真がいっぱいですね。
      見ているだけで、心癒されます。

      セントクラウドには Fuji という日本料理のレストランがあり、
      Twin cities に比べると小さくても、私たちの住む所に比べると、都会だな~という感じです。

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  2. St. Cloudは在ミネソタ中に 北部の旅の途中に通過というか始まりの1泊(金曜日退社後出発して)した町で、あんなマイナーな町にテロが起きるなんて テロも細分化してきたのですか?もう何でもアリ?
    現在、下の娘夫婦がLAを旅行中なので ちょっと心配、ディズニー狂いの彼らはディズニーだけが目的なのですが。

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    1. Akko さん、

      セントクラウドであんな事件があったなんて、耳を疑いました。
      姪の1人は、あの町の大学に通っていましたし・・・
      犯人は射殺されてしまい、事件の全貌がよくわかりません。
      アメリカのあちこちで事件多発で、本当に恐ろしいです。

      お嬢さんたちの道中ご無事でありますよう、お祈りいたします。
      まだ日本にできる前、私が生まれて初めて行ったディズニーランドもLAでした。

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