クリスマスコンサートの後、しばらくヴァイオリンの練習をサボっていました。。。
久しぶりのコンサートが次の日曜日にあるため、今週はせっせとリハーサルに通っています。
今回は
バロック音楽の特集です。
パッヘルベルのカノン、
アルビノーニのアダージョ、
ヴィヴァルディの 「四季」 、有名な
「G線上のアリア」 を含む
バッハの
管弦楽組曲第3番など、かなりおいしいメニューとなっていて楽しみ♪
イタリアの
ヴェネツィア生まれの作曲家、
アントニオ・ヴィヴァルディ Antonio Vivaldi (1678~1741) の
「四季 Le quattro stagioni (The Four Seasons) 」 は、日本でも大人気の曲ですね。
特に 「春が来たぜよ!」 という喜びに満ちあふれた
「春」 の第一楽章は、クラシック音楽のファンでなくても、必ず耳にしたことがあるでしょう。
そういえば、
大井町駅の発車メロディーにも使われていたなあ。。。
あれを聞くといつも、電車に乗り込んでから曲の続きが延々と頭の中で流れて止まらなくなったものです。
「冬」 の第二楽章も大変に美しい曲です。
雨音を聞きながら、暖炉の傍らで穏やかな優しい時間がゆったりと流れていく情景が浮かびます。
NHKの 「みんなのうた」 で、これに歌詞をつけた
「白い道」 という歌が放送されていたっけ・・・
最もよく知られたヴィヴァルディの肖像画といえば、これ!
(これが本当にヴィヴァルディなのかどうかは、確かではないらしいですが。)
肖像画ではかつらをかぶっているのでわかりませんが、彼は 「赤毛のアン」 ならぬ
「赤毛のアントニオ」 でした。
25歳で聖職につき、ニックネームは
「赤毛の司祭 Il Prete Rosso (Red Priest) 」 だったとのこと。
肖像画をよ~く見てくださいませ! 何とフリフリのブラウスですよ~
(❤ฺ→∀←)ノ
昔の少女マンガに出てきた、やたらと細い美少年みたいな・・・ (一輪のバラもお約束でしたっけ)
そうそう、ジュリー (沢田研二さん) も、罪なほどにフリフリが似合いました。
バロック時代の作曲家である
クープラン、
アルビノーニ、
テレマン、
スカルラッティなどは、皆さん揃ってフリフリ衣装で肖像画に収まっています。
男性もこれが正装だったのでしょうが、ヴィヴァルディが一番ぴったりな感じ。
彼は生まれた時からあまり丈夫ではなかったようで、喘息の持病もあったとか。
指も細くて華奢な感じで、お袖のフリフリがぴったりです。
同じアントニオでも、
アントニオ猪木さんとは正反対。。。
ところで、その頃ヴェネツィアには、孤児や捨て子を養育するための
ピエタ慈善院 Ospedale della Pietà という施設がありました。
そこで音楽的才能があると見込まれた女の子たちは、慈善院の
付属音楽院で指導を受けて演奏家として活躍したそう。
彼女たちのコンサートによる収入が、慈善院の運営を支える大きな柱となっていたわけです。
裕福な方々の施しだけに頼らず、自らの才能と努力でちゃんと収入を得ていた彼女たち、立派だと思います。
身寄りのない女性たちにとって、音楽のもたらす喜びは心の支えにもなっていたことでしょうね。
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ピエタ慈善院 |
男の子たちは通常16歳になるとここを去りましたが、女性は結婚せずに一生を慈善院で過ごした方も多かったようです。
ヴィヴァルディが慈善院付属音楽院の
合奏長 (後には、もっと時間の制約が少ない
協奏曲長に変わった) となってから、彼女たちの合奏・合唱はますますレベルアップしたそう。
指導だけでなく、ヴィヴァルディ先生に新曲もどんどん書いてもらえたなんて、何だかうらやましくなってしまう!
レ・ヴィヴァルディアーネ Le Vivaldiane という女性だけの室内合奏団が、現在のヴェネツィアにあり、ピエタの女性演奏家さながらの衣装でコンサート活動を行っているそうです。
CDも出ています。 きっとヴィヴァルディ時代の音が、忠実に再現されているのでしょうね。
さてさて・・・
約300年前の音楽院で、ヴィヴァルディの愛弟子のひとりであったという勝手な空想に耽りながら、私も
「四季」 の練習に励んでいます♪
憧れの先生にもっともっと認めて欲しくて、人一倍頑張って練習する少女が私。 うふふ。
ここはこのポジションで弾くと弾きやすくなるよ、なんて手取り
足取り教えてくださったかも。
(ヴィヴァルディは、ヴァイオリンの名手でもありました。)
指が触れるとドキドキ。。。「上手になったね」 なんてにっこりしていただくと、天にも昇る気持ちになって頬をぽっと染めるのです。
♡o。.(✿*´。 ` *✿)ポッ
まさしく、少女マンガの世界だわね。
実際には、 「四季」 はヴィヴァルディがもう50歳近くのおじさんになっていた1725年の作品ですが、私の空想の中では、あくまでも合奏長になったばかりの若々しい彼ということで・・・
空想 (妄想?) が暴走するのは、音楽に限らず
芸術大好き人間の特徴かもしれません。
「四季」 には、各楽章に作者不明の
ソネット (14行の詩) が付いていて、曲の情景がありありと浮かびます。
春の喜びを歌う小鳥たち、雷鳴、酔っ払って眠ってしまう人たち、歯がガチガチ言うような冬の寒さと暖炉の暖かさなど、音だけで見事に表現してしまうのは本当にすごいなと思います。
私たちヴァイオリンパートは、さえずる鳥やブンブンうるさいアブ、嵐や雨音など、色々な役割を演じています。
ミネソタの住人は、やはり厳しい
「冬」 の寒さの表現に一番長けているかもしれません。
でもソネットの最後にあるように、次にまたやってくる
「春」 を待ちわびる喜びがあるからこそ、この寒さにも耐えられるのですよね。
世界中で様々な言語が使われていますが、音楽を通じて同じイメージを共有できるのは素敵だな♪
宇宙のどこかに人間のような生命体が存在するとしたら、多分彼らにもこの曲が理解できるのではないかしらね。
おまけ これは美しい! 季節によって背景が変わり、ソリストもお召し替えする
「四季」。
ソロは、色彩豊かな音色の
ユリア・フィッシャー Julia Fischer さん。
演奏がすばらしいだけでなく、おきれいな方・・・天は二物を与えちゃっていますね。
(ヴァイオリンだけでなくピアノもお得意だそうですで、二物どころか三物か?)
ついでに、フリフリ衣装の
ジュリー、動画でもお楽しみくださいませ・・・
こんなに色気があって表現力もある歌手、今の日本の芸能界にいるかしら?
まだ恋に憧れていた頃、大好きな歌でした♪
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