NHKの
大河ドラマ、子供の頃から割と熱心に見ています。
日曜の夜のお楽しみでした。
私たちが今存在するのは、歴史上の様々の通過点で、偶然が積み重なった結果だと思います。
もし平治の乱の後に
源頼朝が殺されていたら、もし元寇が攻め寄ってきた時に
神風が吹かなかったら、もし
織田信長や
坂本龍馬が暗殺されていなかったら・・・
日本の歴史は、一体どんな風に変わっていたでしょう。
たくさんの
if を抱えて、今現在に至っているのですよね。
今年の大河ドラマ
「平清盛」の視聴率は、残念ながら最近ひとケタ続きのようです。
(以下の写真数枚は、NHKの公式サイトからお借りしました。)
私は結構楽しみに見ているので、悪評タラタラなのは意外な気がしました。
平清盛役の
松山ケンイチさんも、なかなかの演技だと思うけれどな。
保元の乱に敗れ、流されて怨霊になったと言い伝えられる
崇徳上皇の怨念のしわざだという噂まで、まことしやかに囁かれているとか?
セリフをちゃんと覚えてこない女優もいたそうで、投げやりムードが漂っています。
1話に8,000万円と言われる製作費、もちろん国民の皆さんの受信料から出ているのに、何ともったいない!
確かに、突っ込みどころが満載なのは認めます。
嫌い!と思ったら、次から次へとアラばかり見えてくるのだろうなと思います。
それでも私にとっては、源平の戦い、両家の内輪での争いだけでなく、存在感抜群の朝廷の方々、お歯黒集団の藤原摂関家のキモさ、それら登場人物たちの駆け引きなどが興味深く、かなりおもしろいですけどね。
伊東四郎さん演じる
白河法皇の、妖怪じみたエロじじいぶり、鬼気迫るものがあったな。
青筋立てて、怒ったり苦悩したり忙しかった
三上博史さんの
鳥羽法皇も、お疲れさまでした。
優雅さ、したたかさ、冷酷さを瞳に宿した
松田翔太さんの
後白河法皇・・・朝廷の皆さん、芸達者ですな。
ワイルドな雰囲気の
源義朝(
玉木宏さん)も、いいね!
前々回、無念の死を遂げてしまった
兎丸(
加藤浩次さん)も好きでした。
架空の人物ですが、清盛に真っ向から意見できる唯一の人だったのに・・・
このドラマ、始まった頃から画面が汚いだの何だのって、さんざん叩かれていましたっけ。
埃っぽさを表すのに、大量のコーンスターチを使ったとか・・・
でも、当時の暮らしぶりを忠実に再現しようとの試みだったのでしょう。
やたらときれいなだけだったら、ずい分嘘臭いと思うのですが。
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確かにずい分汚かった・・・ |
「朝廷の犬」でしかなかった武士が、政治と経済をリードできるような頂点に登りつめていく過程は、日本史において大きな転換期。
現在の日本で、このように底辺から這い上がっていくサクセスストーリーはないので、余計にワクワクしました。
平安時代って江戸時代より長くて、400年近くも続いたことにも、改めて驚かされました。
アメリカなんか、独立してからまだたったの二百数十年ですもの。
長い歴史と文化を持っていること、大いに誇りに思います。
ドラマの評判はともかく、
吉松隆さん作曲の
オープニングのテーマ曲がとても好きです。
繊細さと力強さを合わせ持った、一度聞いたら忘れられない曲♪
「
梁塵秘抄(平安末期に編まれた今様の歌謡集)」 の中でも特に有名な「遊びをせんとや生まれけむ」という歌が、挿入されています。
これはドラマの中でも時々、色々な登場人物によって歌われます。
遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん
遊ぶ子供の声聞けば
我が身さえこそ揺るがるれ
公式サイトによると、「生きていればいろいろ大変なことはあるけど、子どもが遊ぶように夢中になって生きようよ」「どうせ生きるなら夢中になって楽しみながら生きようよ」というメッセージとして使用しているそうです。
これが、お話の全体を貫く大きなテーマとなっているのですね。
ともすれば、頑張りすぎて辛くなってしまうこともある人生・・・
楽しい遊びには時間の経つのも忘れて没頭した、子供の頃の気持ちを思い出したいな。
テーマ曲は、左手のピアニスト
舘野泉さんの演奏によって静かに透明な音で始まりますが、まるで疾走するようにダイナミックに変化していきます。
最後は子供の声で、例の「遊びをせんとや・・・」でしめくくられます。
平清盛の生涯を、見事に表現していると思います。
このフルオーケストラの曲を、ピアノ1台だけで再現した演奏を
YouTube でみつけました。
楽譜もオンラインで販売しているので、さっそく入手♪
かなり難しいです。 4分の5拍子の部分が特に・・・!
でも、ヘタなりにも最後まで演奏すると、すごい達成感を味わえる曲です。
ミネソタの人に、何か弾いて!と言われた時に、日本っぽいメロディーと現代的なリズムを合わせ持ったこの曲、受けるかもしれない。
人に聞かせられるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうですが、頑張ります!
ドラマの方はこれから、栄華を誇っていた平家の滅亡を描く段階に入りそうです。
視聴率が少しは盛り返すのか、それとも坂道を転がっていくだけなのか・・・?
海の向こうから、ひそかに応援している者もいることを、製作側にお伝えできたらいいな。