10月末に娘が飼い始めた、子ネコのキキ。
生まれて12週目頃に、
Humane society(動物愛護協会)から連れてきました。
実は今までは「お試し期間」で、昨日正式に養子縁組をして、めでたく娘の子になったのです。
9月から
Law School(法科大学院)に通う予定の娘が、私たちと一緒に暮らすのは来年8月まで。
キキも彼女が連れて行ってしまうので、期間限定で孫の世話をしている気分です。
食べちゃいたいほど、かわいいニャー♪
養子縁組にあたっては、最適な時期まで待って
避妊手術を受けさせるのが条件でした。
動物愛護協会に引き取られているのは、様々な事情で飼い主の手に負えなくなった子たち。
これ以上、不幸な生い立ちの動物を増やさないためのお約束です。
これも人間のエゴかもしれないけれど、従いましょう。 ごめんね。。。
ここアメリカで、
とても驚いたこと・・・
周りの多くの人たちが、「どうせ全身麻酔なのだから、ついでに
declaw(ディクロー:爪除去手術)してもらうといいよ」と、にこやかにすすめるのです。
「大事な家具を傷つけられたり、遊びに来た小さい子供の顔でも引っかかれたら大変でしょう?
裁判沙汰になるかもしれないよ。(そう言えば、アメリカ人はすぐ裁判起こしたがるって聞いてたっけ・・・)
子ネコのうちにディクローしておけば、傷も軽くてすむし、トラウマにもならないよ」 だとさ。
日本ではマンション暮らしだったため、ペットを飼うことが禁じられていました。
(内緒で「ぷーすけ」という名のモルモットを飼ってたことがあるけど・・・)
私たちは、ネコの生態については何も知りませんでした。
ましてや、
爪除去手術なんてものは聞いたこともありません。
へえ、アメリカでは一般的なんだ~ それはいいかも。
軽く考え、ググってみてわかったこと・・・ネコにとって何と残酷な手術なんでしょう!
爪をちょっと深めに切るぐらいに思っていたのですが、そんな甘いものではありませんでした。
なんと、二度と爪が生えてこないように、人間で言えば
指の第一関節から先を切ってしまうのですって!!
レーザーなら比較的痛みも軽くすむそうですが、この町にはそんなハイテク機械を持っている獣医などいなそう。
原始的なギロチンのような器具で、
ずさっと切り落とすのだそうです。
術後は出血もひどく、感染の危険もあり。
爪という最大の武器を失ったネコは、よく噛みつくようになる可能性もあるとのこと・・・
動物愛護協会では、ディクローについて決して良い顔はしませんでした。
術後に性格が変わってしまい、手に負えなくなったからと言って、ネコをまた連れてくる飼い主もいるとか。
ディクローにより、家具に傷をつけられる心配がなくなる、爪を切らなくてすむ・・・
そんなのは、飼い主側にとって都合が良いだけです。
イギリスでは禁止されていますし、ヨーロッパ諸国やオーストラリアでもほとんど行われていないそう。
日本でも、そんな手術を受けたネコは見たことがないです。
これについて家族会議が開かれました。
白い靴下をはいたような、かわいらしいこのお手々の運命や、いかに!?
元々ネコはどちらかというと苦手だった夫は、初めはディクローに一票でした。
私は絶対反対!!!
娘は、実際に飼いネコをディクローさせた何人もの人から、どんなに楽になったかという話も聞いていたので、気持ちが揺れていました。
今では夫もキキのかわいさにすっかりやられてしまって、文字通り
「ネコかわいがり」しています。
痛い思いをさせるのは、やっぱりかわいそうだよね~と言いだしました。 よしよし・・・
娘だって、キキを残酷な目に合わせたくない気持ちでした。
けれども来年通学のためにアパートを探すにあたって、ただでさえペットOKの所が少ないのに、ディクローが条件なんて所も多いという話も聞き、迷っていました。
そして、私たちの出した結論は・・・?
これにゃのだ~!
★キキのつぶやき★
ディクローしなくていいことになって、ほっとしてるよ~ ありがとう!
人間の子供がちょっといたずらしたからって、その指先をちょん切る親はいないものね。
ピンクとパープルのプラスチック製爪カバー(ソフトクロー)、
みんながかわいいね!ってほめてくれる。
今までどおり高い所にも登れるし、爪とぎもできるし、全然痛くないよ。
本当はこれもちょっとイヤなんだけど、ママが住む所みつからないと困るものね。
まめに爪を切ったり、爪カバーをつけるのは大変かもしれない。
でも、それがママのお仕事だもの、よろしくね♪
家具には心がないけど、わたしたちには血が通っている。
痛い思いをするのはイヤなの。
痛くても、イライラしても、言葉に出せないし。
皆さん、お願い。
わたしたちの気持ちより家具の方が大切だなんて、どうか思わないで・・・
お金儲け主義の獣医の言葉になんか、惑わされないで・・・
もう手術を受けさせてしまった人を責めるつもりはないけど、
もし、どうしようかなと迷っているなら、
今日のわたしのつぶやきを、どうぞ思い出してね。