おまけのページ

2024/04/30

やたらと「勝利の喜び」が続く

ここのところ気温の変化が激しく、夏のような暑さになって半袖Tシャツで過ごした数日後には、冬のジャケットを引っ張り出したりしています。
車も、エアコンを使ったり、また暖房に戻したりと忙しいこと。

森林火災が心配なほど乾ききっていた時期もありましたが、恵みの雨が続いて今は大丈夫。
幸せそうなカエルの合唱が、あちこちから賑やかに聞こえてきます♪

そんな中、先週は毎日のようにリハーサルがあり、一昨日は今シーズン最後のコンサートでした。かなり久しぶりに合唱団 choir との共演で、お客様の入りも素晴らしかったです。

ミネソタ州の隣りのノースダコタ州 ビズマーク Bismark のオーケストラと掛け持ちの指揮者は、1週間前にあちらでのコンサートを終えてきたばかり・・・ハードスケジュールです。
エキストラとして、そちらのオケの新コンサートマスターMaureen Murchie さんも来てくださいました。

ビズマークの新コンマスを、ぜひあなたに紹介したい!」と、指揮者からハートマーク入りのまなざしで言われていたのには、なるほどの理由があります。

彼女はアメリカ人ですけれど、実は日本育ちで、高校まで仙台の学校に通っていたのだそう。
ですから、日本人と全く同じように日本語が話せるだけでなく、読み書きも不自由なくて、トヨタなどの大手企業で、通訳・翻訳の仕事もしていたのですって!

画像はご自身のサイトより

写真の通り、とてもチャーミングな方 💛
リハーサルの休憩時に、さっそく日本語でたくさんおしゃべりしました♪
私の子供たち(東京のインターナショナルスクールに通学していた)より、日本語上手だ。。。
もちろん、ヴァイオリンも「さすが!」の腕です。

今回は、もうひとりノースダコタ州の別のオケのコンサートマスターも手伝いに来てくれ、ヴァイオリンパートはやたらと強力でした。
しっかりと音大で教育を受けたプロのミュージシャンである皆さんのすぐ後ろで、私のようなド素人が弾くのは何だか気が引けます。

ヴァイオリンを始めたのが37歳と遅かった私は、何となくいつまでも「初心者気分」を引きずっていますが、考えてみたらもう30年も弾いているのだわ。
これからは、もっと偉そうに振る舞うことにしよう(笑)

3月のコンサートの難解なショスタコーヴィチの曲が、しばらく脳内に残留していましたけれど、今回の曲目の明るく美しいメロディーによりすっかり上書き修正されました。
練習期間が約1ヶ月しかなくて、とても大変でしたが・・・


オープニングは、ロナン・ハーディマン Ronan Hardimanクライ オブ ザ ケルト Cry of the Celts
日本語タイトルは、「ケルトの叫び」となっているらしい。

1996年に、アイルランドの首都ダブリンで初演されたダンスショーの中で使われた曲です。
アイルランドの民話と、聖書の中の物語にも関連があるとのこと。
邪悪な闇の支配者との戦いの後に、勝利の喜びが表現されています。
この部分がかっこいいけれど、テンポがめちゃ速い。。。でも、すご~く楽しかったです!



2曲目に合唱団の皆さんがステージに勢ぞろい。
バリトン歌手ジェイソン・トーマス Jason Thomas さんも、やはりノースダコタ州 ビズマークからです。
私はいつも YouTube と合わせて自宅練習するので、違う歌手とオケのものをいくつか試しましたが、それらのどの歌手より豊かで美しい声の方でした。

彼らと一緒に演奏した Five Mystic Songs 「5つの神秘的な歌」は、イギリスの作曲家ラルフ・ヴォーン・ウイリアムズ Ralph Vaughan Williams の作品です。
ウイリアムズ自身は無神論者 atheist であったにもかかわらず、生涯を通じて英国国教会の祈祷書と聖歌、天にも届くようなカテドラルの建築様式に魅せられていたとのこと。

司祭で詩人でもあったジョージ・バーバート George Herbert の書いた詩に、ウイリアムズが曲をつけて1911年に初演されました。
初めの4曲はバリトン歌手が中心となって朗々と歌われますが、5曲目はオーケストラとコーラスのみで「勝利の賛歌」となります。

あら~、1曲目に続き、また勝利ですか!?
これもテンポが速くて、ちゃんと数えていないと、休符の小節なのにうっかり大音量でソロを弾いてしまいます(汗;)
合唱団は3つの違うグループが合同で歌い、とても迫力があって良かったです。




休憩後は、エドワード・エルガー Edward Elgar 「エニグマ変奏曲 Enigma Variations
2曲目に続きイギリスの作曲家。 行進曲「威風堂々」などが良く知られていますね。

「エニグマ」は英語で謎、謎解きといった意味です。
でもこれは通称で、本当は「管弦楽のための独創主題による変奏曲」というタイトルなのですって。

以前、第9変奏「ニムロッド」だけは演奏したことがあります。
静かで厳かな雰囲気で始まり、慰霊祭などでもよく演奏される、この上なく美しい曲です。

この曲だけよく知られているのに、他はそうでもないのがちょっと残念・・・
1変奏曲ごとに、エルガーの友人たちのイニシャルニックネームがタイトルになっています。

それそれの曲が個性豊かな彼らの特徴を表したもので、奥様に「これは誰のことだと思う?」と謎かけをして遊んだのですって。
「なるほど!」だったり、「えっ、どうしてそうなるの?」だったり、夫婦の会話が楽しく弾んだことでしょうね。



この曲も最後は大いに盛り上がって、今シーズン最後のコンサートのファイナルにふさわしいものでした。
会場いっぱいの割れんばかりの拍手と、スタンディングオベーション。
これだから、どんなに練習が大変でも、オーケストラ活動は中毒になってしまう(笑)

今回のコンサートで知り合った Maureen さんともハグ。「また来るね~」と約束してくれました。
実行委員会の方々は、バラの花をプレゼントしてくれた♪
ちょっとした心遣いが、とても有難いな。

これで、次のシーズンのサマーコンサートまで、しばらくお休みです。
コンサートに関係ない他の曲を、もっと練習したいなと思っています。


♪4月28日のコンサートプログラム♪ 

     "Cry of the Celts" from The Lord of the Dance (Ronan Hardiman)
     
     Five Mystical Songs (Ralph Vaughan Williams 1852-1958)
       Ⅰ. Easter
       Ⅱ. I Got Me Flowers
       Ⅲ. Love Bade me Welcome
       Ⅳ. The Call
       Ⅴ. Antiphon

 
           Intermission
       
     Variation on an Original Theme, Op. 36 (Enigma Variations) (Edward Elgar 1857-1934 )
       Theme (Enigma: Andante)
       Variation I (L'istesso tempo) "C.A.E."
       Variation II (Allegro) "H.D.S-P."
       Variation III (Allegretto) "R.B.T."
       Variation IV (Allegro di molto) "W.M.B."
       Variation V (Moderato) "R.P.A."
       Variation VI (Andantino) "Ysobel"
       Variation VII (Presto) "Troyte"
       Variation VIII (Allegretto) "W.N."
       Variation IX (Adagio) "Nimrod"
       Variation X (Intermezzo: Allegretto) "Dorabella"
       Variation XI (Allegro di molto) "G.R.S."
       Variation XII (Andante) "B.G.N."
       Variation XIII (Romanza: Moderato) " * * * "
       Variation XIV (Finale: Allegro) "E.D.U."





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