おまけのページ

2013/03/03

年取った亀のお話と熊おじさん

ひな祭りの今日、またしてもコンサート本番♪
プログラムは、27日の子供のためのコンサートとほぼ同じで、テーマは Music&Peace でした。

ホルストの「惑星」も、スケールが大きくて素晴らしい曲ですが、今日は The Fable of Old Turtle という曲にスポットライトを当ててご紹介しますね。

今回は、ネイティブ・アメリカンのフルーティスト Keith Bear さんに来ていただきました。
この Mr. 熊さん、本名は O’Mashi! Ryu Ta といい、それは Northern lights (北極光、オーロラ)を意味するのだそう。

お名前からして詩的です。
彼のウェブサイトも、大地や空の色をベースにした素敵な色づかいなのです。


英語で Flutist と紹介されていますが、いつも見慣れているフルートとはだいぶ違います。
ご自分で作られた縦笛で、何だか尺八の音に似ている気がします。

大量生産する道具のない時代から先祖代々伝わってきた方法で作っていて、同じものはひとつもないそうです。
彼にとってこの楽器は、Sacred branch of the Tree of Life ・・・つまり、生命の樹の聖なる枝であるのです。


Fable of Old Turtle は、ミリオンセラーとなった子供のための絵本 Old TurtleDouglas Wood 作)にインスピレーションを得て、Linda Tutas Haugen さんという方が作った曲です。


彼女が Keith Bear さんのことを聞きつけ、ぜひ彼のソロを入れたアレンジにしたいと熱望したものの、 Keith さんは全く楽譜の読み書きができないそう・・・
そこで電話口で何度も吹いていただきながら、楽譜を書き起こすという大変な作業があったそうです。

しかも、彼の手作りの笛(それぞれ、ちゃんと名前がついているそうです)はみんな音程が微妙に違い、何10本も試してやっとぴったり合うものをみつけたのだとか。

「キー(key、調性)は何ですかと聞かれたので、う~ん、モンキーかな?と答えたよ」と、おやじギャグを飛ばしていました!
Storyteller なので、お話も上手。 楽しいおじさんです。
お孫さんが26人、ひ孫さんも1人いるそうなので、音楽もお話もたくさん聞かせてあげているのだろうな。


Keith さんの音楽の師は、なのですって!
西洋音楽のいわゆるドレミなんて、彼にとっては無意味なようです。
何調であるとか、何拍子であるかってことも。

そう言われてみると、楽譜なんてただの記号にすぎないのかもしれない・・・
7/4 や、5/4 拍子などが不規則に出てくるので、私たちとしては頭の中で数えながら演奏するのが大変でした~


Old Turtle という絵本は、昔々動物たちがまだ話をすることができた頃、とはどんな存在であるのかを議論する所から始まります。

最後に一匹の年取った亀が、神とは・・・と色々なことを語ってみんなをまとめ、こう予言します。
神から地球への愛のメッセージとして、また地球から神への祈りの存在として、外見も話す言葉も様々な人間というものが現れるだろうと。

亀の言葉通り人間が登場しますが、やがて自分たちの存在意義を忘れ、それぞれが信仰する神について言い争いを始め、ついには殺し合い、地球のことを傷つけるようになってしまうのです。

見かねた山や海、岩や風、星たちが、年取った亀から聞いた神についての話を、人間に語ります。
やっと人間は我に返り、お互いの中に、自然の美の中に、再び神を見るようになったという物語です。


作曲者の Linda さんご自身がいらして、曲に合わせてナレーションを入れてくださいました。
そして Keith さんの笛と私たちの音が溶け合い、お客様に素晴らしいメッセージを伝えることができたと思います。

今日のコンサートのことを、日本語でブログの記事にさせていただいてもいいかどうか Linda さんにお聞きしたら、ぜひぜひ!と本当にうれしそうにおっしゃってくださいました。
読めないのが残念だけど・・・とも。



休憩をはさみ、第2部で演奏した Between Two Cultures は、Star Wollowing Bull さんというアーティストの3枚の絵を元に Russel Peterson さんという方が作曲しました。

Unknown Territories
Windego vs. the Cannibal Man
Once Upon a Time

音楽と絵のコラボ、まるで「展覧会の絵」みたいだわ♪
この絵から想像できる通り、静と動、緩と急が混ざり合った、とてもユニークで印象的な曲です。

普通のクラシック音楽に使われる楽器に加え、たくさんの種類の打楽器やハープ、アルトサックスなども登場し、とても厚みのある音でした。
奏者を集めるのが、かなり大変だったのではと察します。

私自身もこの曲のタイトル Between Two Cultures の通り、アメリカと日本、2つの文化の間に生きているわけですから、想いを込めて弾きましたよ♪

めちゃ難しい曲でしたが、お客様の心も鷲づかみにしたようで、拍手が鳴りやみませんでした。



今日の2曲、CD も販売されていないし、YouTube にも載っていないしで、ヴァイオリンだけの楽譜を見てもどんな曲なのかさっぱりわからず、初めはかなり困ってしまった。。。

でも逆に、みんなで合わせてみて初めて、へえこんな曲なんだ♪と知る喜びも味わえ、リハーサルを重ねていくのが楽しみでした。

何とまあ、コンサートの前日である昨晩、作曲者のウェブサイトにこの2曲へのリンクが載っているのを発見!
もっと早く見つけていたら、家での個人練習も楽だったのになあ。

 The Fable of Old Turtle By Linda Tutas Haugen (サンプルのみ)

 Russell Peterson's Compositions and Arrangements




★今日のコンサートのプログラムです★

     The Planets, Op.32 (Gustav Holst)
       Venus
       Jupiter
       
     The Fable of Old Turtle (2001) (Linda Tutas Haugen)
       (Based on the Children's Book Old Turtle by Douglas Woods)

     Between Two Cultures (2005) (Russell Peterson)
       Ⅰ. Unknown Territories

       Ⅱ. Windego vs. the Cannibal Man
       Ⅲ. Once Upon a Time



おまけ 今年も、お雛様を飾りました♪ 明日はもう片付けなくちゃ・・・


4 件のコメント:

  1. たまごろう2013年3月4日 8:24

    Sakuraさん、こんばんは♪
    ひな人形飾ったのですね。そちらに持って行かれたのですか?すごい!
    うちは実家では子供のころは飾っていましたが、結構しまい忘れが多くて。。だから結婚が遅かったのかしら?^^;
    産まれる子供は男の子の予定なので、かぶとを買わないといけないなぁと思っている今日この頃です。

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    1. たまごろうさん、

      お雛様は、私の両親から娘の初節句のお祝いでしたが、
      出し入れするのはいつも私です。
      部屋がぱっと華やぎますね♪
      お雛様専用の防虫剤も、ちゃんと日本から持って来てあります。

      お腹がずい分目立ってきたかしら?本当に楽しみね!
      そう言えば、うちの息子には兜がないなあ・・・

      赤ちゃんのために、どうぞお大事にね。

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  2. おはようございます。

    日曜日もコンサート.大変ですが,喜んでくれる観客の笑みを見るとまた頑張ろう〜と勇気が出てきますね。
    オーケストラで演奏する..メンバーになるって並大抵ではありませんね。Sakuraさんは音楽に長けている..脱帽です。私は演奏する方ではなく聞きにいく方で満足♪

    雛壇,私は年中飾っておきたい方ですよ。

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    1. ねこちゃんさん、

      お雛様、できれば私もずっと見ていたいですが、
      ほこりや日焼けも心配なのでしまうことにしています。

      人口13,000人ちょっとの、それほどは大きくない町ですが、
      熱心に演奏する人、聴いてくださる人がこんなにいるのは、
      とてもうれしいことです。
      昨日もコンサートの帰りに寄ったコーヒーショップで、
      あっ、ヴァイオリン弾いてた方ですよね!と声をかけられ、
      ちょっと芸能人気分 (?) でした。
      私は皆さんの足を引っ張らないよう、必死についていっている状態ですけど。。。

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