夫から、そういうタイトルの映画をやってるから行こうよと誘われた時には、お菓子に関係ある話?パティシエの奮戦記とか?なんて思ってしまいました。
ありゃりゃ、お菓子の pie じゃなくて、円周率と同じスペルの pi なのね。
Pi は、主人公のインドの少年の名前です。
息子も観たいと言うので、3人で一緒に行くことになりました。
アン・リー監督によるこの映画、原作はヤン・マーテル Yann Martel という作家の同タイトルの本です。
2002年にブッカー賞を受賞。 1年以上もベストセラーが続いたという、すごい作品です。
(私は、この本のことは全く知りませんでしたが、ぜひ読んでみたいです。)
日本語訳の本も、販売されていますね。
物語のあらすじは・・・
パイが16歳の時、動物園を経営していた父親の決断で、一家はインドからカナダに向かいます。
途中、太平洋上でひどい嵐に巻き込まれ、乗っていた船がパイの家族もろとも沈没してしまいます。
どういうわけか、パイとシマウマ、オランウータン、ハイエナ、それにベンガルトラが、一隻の救命ボートで運命を共にすることになります。
そして、227日間の壮絶な漂流生活を経験した後の結末は・・・!?
でも、それで正解だったかも・・・
多分、嵐のシーンでは船酔い気味になったでしょうし、トラが飛びかかってくるシーンは、マジ怖かっただろうな。
動物が出てくる物語とはいえ、小さいお子さん向きではないですね。
パイを演じる役者は、インド全国からの約3,000人の応募者の中から選ばれたそう。
全くの素人であった、新人スラージ・シャルマ Suraj Sharma の迫真の演技がすばらしかった!
夜の海面に光る無数のクラゲ、ネオン色に輝くクジラ、地面を覆い尽くすほどのミーアキャットが住む島、インドのお祭りやダンスのシーンなど、夢のように美しく、大スクリーンで観る価値のある作品です。
そして、リチャード・パーカー Richard Parker なんていう名前を持っているベンガルトラ!!
パイに決して負けない役者でした。
でもね、あんな狭いボートの中で、あの至近距離での撮影は、どんなによく慣れたトラでも無理。
別々に撮影してあとで合成したのかな?なんて思っていたら・・・
あらまあ、ほとんどのシーンがコンピュータグラフィックスだったことがわかりました。
製作には、莫大な費用と気の遠くなるような時間がかかっているに違いありません。
海のシーンも、台湾の空港跡に設置された巨大タンクを使って、撮影されたそう。
デジタル技術の進歩には、本当に驚かされます。
本物に見えるものが、実は作られたもの。
映像もさることながら、一体何が現実だったのかを考察してみる・・・実はそれが物語の核心のようです。
哲学的な内容で、人によって色々と違った解釈の仕方があるでしょう。
笑顔のハッピーエンドを期待していたのですが、ええっ?という感じ・・・
きっとこれからしばらく、この映画について「ああでもない、こうでもない」という思いが渦巻くことでしょう。
主人公は子供の頃、インドのヒンズー教、そしてキリスト教、次にはイスラム教にも次々とハマり、どの神も分け隔てなく愛すという独特の宗教観を持っています。
Faith ・・・ 神への信仰、そして自分自身に対する信頼も、この作品の重要なテーマです。
インド訛りの英語は聞き取りにくい部分もあり、夫でさえ理解できなかったセリフがあったそう。
私は、頭の中でかなりすっ飛ばしていました。
それにしても、沈没した貨物船が日本製だったというのが、何だかなあ~
船の名は「ツシマ丸」、サバイバルキットなどにも日本語表記があるし、ほんの少しですが日本語のセリフも聞けました。
日本では、「ライフ・オブ・パイ 虎と漂流した227日」という邦題で、2013年1月に公開されるそう。
ぜひご覧ください!
家に帰ると、ネコのキキがのっそりと迎えてくれました♪
同じ仲間ですから、トラのミニチュア版みたいな顔しているけど、全然迫力なくてかわいいなあ。
匿名さん、
返信削除どういたしまして。
ぜひ、映画・本もお楽しみください。
昨日マレーシアで見ました。友人たちにはいまいちだったようですが、宗教的というか、哲学的というか、とても深い作品ですね。ミーアキャットの島がインドの神様の形をしていたり、いろいろ地味に唸ったり笑ったりのシーンがありました。三つの宗教が混ざっている環境だけに、観客の反応もリアルでした。インド訛りになれている私にとっては、逆にスピードが遅い分聞きやすかった。結局、どちらの話が本当なのかな、と盛り上がりました。
返信削除マレーシアにお住まいなのですね!
削除ミーアキャットの島の形、私も気がつきましたが、
一緒に観ていた夫と息子はわからなかったみたい・・・
アメリカでは 「唯一絶対の神」 を信じている人がほとんどですので、
パイの宗教観には、困惑を感じるかもしれません。
日本人は、何でも柔軟に受け入れる傾向があるので、
特に抵抗がないかもしれませんね。
色々な意味で、深く考えさせられる物語でした。
タイで昨夜観てきました。
返信削除最後のPiの『違う物語』を伝えたというその内容
について教えていただきたいのですが、
トラ→自分
シマウマ→日本人のグレービーソースはただの味だと言った子
オラウータン→母親
ハイエナ→シェフ
というように『作り話』をしたということですよね。
その『作り話』の中で、母親(オラウータン)や男の子(シマウマ)を殺した
のは誰だと言ったのでしょうか。英語が聞き取りにくくてよく分かりません
でした。夫も分からなかったけど、殺したのはトラだと言ったというjのです。
実際ボートの中でその2匹を殺したのはハイエナですよね。
だから彼のあの病室で日本人に説明するところも、シェフ(ハイエナ)が
殺したんだと言っているんだと想像で聞いていた私ですが、実際は
何と言って説明していたのか教えていただけますか?
確かに、自分(トラ)が大事な人達を殺したとしても、究極の状態で
武士の情け状態での「首切り」ならある話かもと、想像は膨らむばかりです。
英語の部分は別として、とても良かったと思いました。
宗教観も面白いですね。あれに仏教が入るとどうなるんだろう。
激しくネタバレになってしまいますので、
削除映画や本でドキドキ感を味わいたい方は、
絶対に読まないでくださいね。
男の子と母親を殺したのは、
匿名さんのご想像どおり、シェフだと言っていました。
すみませんが、詳しいセリフまでは覚えていません。
一緒に行った夫と息子にも聞いてみましたが、
何と説明したかは忘れてしまったそうです。
ただのサバイバル物語ではない、深~いお話でした。
どちらの話が本当だったのかは、
それぞれ考察してくださいということなのでしょうか。
本ではどのように書かれているのか、
映画の記憶が鮮やかなうちに、ぜひ読んでみたいと思っています。
映画では触れていなかった部分もあり、さらに深い内容のようですね。
ライフ・オブ・パイのCMを見て思うところあり、ネットで検索…
返信削除気がついたらここへ着ていました。
普段はそこまでなのですが、何気にちらりとプロフィールを拝見
私が夢に見ている暮らしをされている。
なんと羨ましい!
渡米してどれくらいですか?英語の習得には苦労されましたか?今はもうネイティヴ並なのでしょうか?
質問ばかりですいません。
しかも全く関係ない質問で…(苦笑)
y,kawabata さん、
削除はじめまして!
結婚してからほとんど毎年、夏だけミネソタに来ていましたが、
本格的に引越してきたのは2011年の夏です。
英語がネイティヴ並なんてとんでもない・・・
日常会話は大丈夫ですが、
映画などは、ついていけなくなる箇所があります。
自分の言いたいことは、知っている表現に変換しながら。
知らない単語やフレーズに出会ったら、すかさず書き留めて。
今でも続けて、日々勉強中の身です。
酔っ払った時の方が、よどみなくしゃべっているかも (笑)
初めまして!
返信削除この映画のCMを見てからずっと気になってます。
ただ、この手の映画は結構期待外れになるケ~スがあるので、映画館で見るかDVDを借りて家で見るかかなり迷います。
映画館で見る迫力は自宅では味わえないと思いますので結局のところ、映画館へ足を運ぶ事になるのですが。
作り物だと無理やり映画にした感はありますか?
かなり結末が気になります。
匿名さん、
削除私は予備知識全くなしで、特に期待もせずに映画館に足を運びました。
ほとんどがCGであったことは、見終わってから知った次第です。
見ている最中には、どうやって虎をあのように訓練したのだろう、
どこの海で撮影したのだろう・・・と思ったほど。
嘘臭すぎるかな?というご心配は無用です。
あの迫力と映像の美しさは、ぜひ映画館で味わってください。
原作を読んでいないので、それと比べてどうなのかは、
何ともお答えできませんが。
そうですか~
削除ではやはり映画館で見てみますね(´V`)♪
私は動物が出てくる映画は欠かさず見てるんです。
ネコ派なのでネコ関係の内容のものはたまらないですね。
鮫が出てくる映画なんかも好きですよ。
結構悲しい内容のものもありますが気になりますし。
とにかく楽しみにしています。
見たら感想送りますね(*'▽'*)
私も日本語の字幕付きで、もう一度観たいくらいです。
削除「ナルニア国物語」 のライオンは話をするので、
いかにも作り物という感じがしましたが、
この虎はあまりによくできているため、
最後にやせ細ったのを見て、インド政府から虐待だ!とのお叱りがあったとか。
ご感想、楽しみにしています♪
少し気になったので・・・
返信削除沈み行く船・・・・
もし、表記が韓国語だったら、なんだかなぁ~と韓国人は嘆いたかもしれません。
もし、表記が中国語風だったら、なんだかなぁ~と中国人は嘆いたかもしれません。
そして、表記が日本語だったため、主さんはなんだかなぁ~と嘆かれた。
もし、英語表記だったら?
英語圏の人々はなんだかなぁ~と嘆いたのかな?
匿名さん、
削除予備知識ゼロで映画を観に行ってしまったので、
ええっ、ここでなぜ突然日本が出てくる!?とびっくりしたのです。
日本製の船という設定なのに、船名が Tsimtsum (ツィムツム?)。
息子と共に首をかしげてしまいました。
(それが 「ツシマ丸」 と訳されているのですが・・・)
そのようなことを含めての「何だかなあ~」 でした。
一昨日の夜、銀座マリオンで見ました。
返信削除席を選ぶ時、ゆったりと座席表を見ながらチケット売り場の女の子と相談して決める事が出来ました。
まるで、船の席を選ぶようで、いい映画館だなあ、と思ったところから
もう映画は始まっていたのかもしれません。
もう、内鍵は、かけられないんだなあ
それが、映画の感想です。
ただ一言、この台湾出身の監督の視線は素晴らしい。^-^
原作とともに誰にも、比べることが出来ない。
mariko さん、
返信削除銀座の映画館でしたら、きっと建物自体もシートなども、
こちらとは比較にならないほどゴージャスでしょうね。
3Dでご覧になりましたか?
楽しまれたようで、よかったです♪
原作の本、私はまだ少ししか読んでいませんが、
夫は今、トビウオの辺りだそうです。
さすが賞を取っただけのことはある、
描写力、全体の構成、全てすばらしい!と絶賛しています。
「宗教」 の部分、原作ではもっと重点を置いているようですね。
パイ本人だけが知っている真実・・・謎めいた終わり方が印象的な作品です。
「対馬丸」なら、太平戦争中に、沖縄から九州まで疎開する子供達を乗せていたところ、米軍に攻撃されて沈没した船の名前ですよね。そこまで意識された内容の映画だったのでしょうか?
返信削除匿名さん、
削除Tzimtzum (すみません、前のコメントのスペルが違っていました) は、
実はユダヤ教の秘法カバラで、
「本来無限である神が、自らを収縮させて世界創造の場を与えたという思想」
を意味するのだそうです。 (ウィキペディアより)
パイはヒンドゥー教にとどまらず、世界中の色々な宗教を勉強したので、
その象徴として、船名に Tzimtzum を使用したのかもしれませんが、
なぜ日本製の船なのに、ユダヤ教関連の名が使われたのか、
なぜ 「ツシマ丸」 と訳されたのか、私もそこが理解できずにいます。
(米軍に攻撃された船の名を意識して使っているわけではないと思います。)
SAKURAさん!お久しぶりです。もう古い話ですが、映画ライフオブパイ見ました!結局DVDを借りて自宅で。感想は、やせ細った虎を見たら何だか可哀想になりました。でもCG技術って本当に凄いですね。映像の綺麗さだけは映画館の大画面で見たら最高でしょうね!
返信削除たかこさん、
削除ご自宅でDVD鑑賞というのも、ゆったりできていいですよね。
確かに、映像も音もスケールが小さくなってしまいますが・・・
虎を最後にあんなにやせさせてしまうのも、
もし本物を使っていたら、虐待になってしまうでしょう。
それでも、もしかしたらそこまでやっちゃった!?と思わせるほど、
リアルなCG技術に感心しました。