次回は、エルガーのチェロ協奏曲など全4曲を演奏します。
目玉は誰でもご存知の ジャジャジャジャ~ン♪ から始まる、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」 。
この冒頭、ベートーヴェン自身が「運命が扉を叩く音」と弟子に説明したそう。
その話から、日本人なら誰でも知っている「運命」という通称が生まれたそうです。
でも、こちらのコンサート紹介サイトでは、 The well-known and well-loved Symphony No. 5 in C minor と書かれているだけ。
Fate という副題が加えられることは、英語圏では滅多にないようですね。
去年の夏ミネソタに引っ越してくる直前に、日本でも演奏したばかりなので、この曲は余裕です。
ふっふっふっ・・・
・・・なんて気を許していたら、弓のアップダウンが微妙に違う。
慣れてしまっているだけに、違うボウイングだとよけいに弾きにくいです。
最初の「ジャジャジャジャ~ン♪」と、すぐに続く2度目の「ジャジャジャジャ~ン♪」の間の取り方も、何だか違ってタイミングが取りにくい!
小さなことだけど、譜めくりの場所も違う。
それでもやはり、ベートーヴェンのシンフォニーというのは高揚感を煽るツボが押さえられているのか、とても気持ち良く演奏できます。
特に第3楽章の終わり、何だか不気味で暗い雰囲気だったのがいつの間にか長調に変わり、最後にクレッシェンドでわあっと盛り上がって、ノンストップで華々しくドラマティック、歓喜に満ちた第4楽章が始まる箇所が一番好きで~す♪
金管楽器も朗々と鳴り響きます。
暗から明へ、霧が晴れてぱ~っとまぶしく日が差してくるような、
もやもや鬱々とした気持ちが吹っ切れて、また前向きに人生を送っていこうと決意したような・・・
難聴に悩み始め、自殺まで考えたベートーヴェンの苦悩と、それを乗り越え芸術に命を捧げようとする強靭な意志を物語っているようなシンフォニーです。
音楽家にとって耳が聞こえないことは、まさに命取り。
ベートーヴェンはそれを人に悟られないよう、引きこもりがちになってしまいました。
その恐怖は一体どんなものだったのでしょう。
それを克服したベー様、強いな。。。
6日の夜にリハーサルがありましたが、いつもより出席者が少なかったです。
もしかしたら大統領選の結果を、家のテレビで見たかったのかしら。
コントラバスは全滅。 ホルンも4人いるはずが2人しか来なくてショボ~ン。
しかも、そのうちの1人はあまり練習して来なかったのが見え見えで、ついに指揮者がキレてしまいました。
あなたはここにいる資格はありません!みたいなことを、みんなの前で口走っちゃった。。。
他のメンバーも凍りつき、ナーバスになってますます悪循環。
飛び出してはいけない所で誰かが飛び出すとキッとにらまれ、音程をはずすと無言で首を振られ・・・
ワーグナーの「タンホイザー」より「第3幕への前奏曲」という曲も演奏するのですが、こんな状態ならカットする!とまで宣言されてしまいました。
貴重な人生の20分間を、あなたたちも私も今晩無駄にした・・・そこまで言われてしまった。
明日の夜のリハーサルの様子で決めるそう。
ホルンのお兄ちゃん、お願いだから猛練習してきてね。
おっと、私ももっと頑張らなくちゃ。
「運命」第4楽章では、宇宙空間に飛び出していくほどの飛翔感を演奏中に味わえます。
ただし、うまくできればの話。 墜落しないように気をつけましょう。
おまけ 昔の録音ですが、いい感じです・・・第3楽章から第4楽章、続けてどうぞ♪
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