鹿のハンティングシーズンが始まったため、いつもより客入りがやや悪かったかな。
ドヴォルザークの、交響曲第8番とチェロ協奏曲を演奏しました。
彼の名前は、出身地のチェコでは Antonín Leopold Dvořák と表記されます。
日本ではドボルザーク、ドヴォルザーク、ドヴォルジャークなど様々ですが、「ク」 以外は平坦な感じで言うのが普通ですよね。
こちらでは 「ヴォ」 にアクセントをつけるので、へえ、そうだったの・・・という感じ。
発音をカタカナで表すのは不可能ですが、ドヴォジャークが近いでしょうか。 (初めのドは母音を入れずに d の音だけです。)
本場のチェコでは、また少し違うのかもしれませんが。
日本で慣れ親しんでいる作曲家や画家の名前って、アメリカ人の発音とはずい分違うことが多く、驚かされることがしばしばです。
アメリカ暮らしが長くなると、そのうちに日本式の発音に戸惑うようになるかも?
さて昨日のコンサート、オープニングは Wretched Bloomed という怪しい雰囲気 (?) の曲でした。
タイトルの意味がわからない・・・と思っていたら、アメリカ人にとっても、???だそうです。
作曲者 James Young さんが小学校5年生の時、ピアノを教わったのが私たちの指揮者だった、というご縁で演奏することになりました。
ご本人も、会場にいらしていたようです。
そして、ドヴォルザークの交響曲第8番、日本では通称 「ドボ8」 です。
この曲は日本でも演奏したことがあるので、練習はかなり楽でした♪
でも、日本のオーケストラ仲間のことを思い出し、ちょっとウルウルします。
超有名な第9番 「新世界より」 も、もちろん大好きですが、第8番はもっと好きかも。
チェロ奏者にとっては、とてもおいしい曲です。
流暢なチェロの出だしに、みんな聴き惚れてしまいます。
全体的に、ものすご~く親しみやすくてわかりやすいメロディーが続きます。
ダンス音楽のようだったり、やたらと土臭かったり、きらびやかだったり、変化に富んでいるのが魅力。
チェコ民謡のメロディーに、かなり影響を受けているそうです。
日本人の心の琴線に触れる、何だか懐かしい音階でできているのが、きっと人気の秘密ですね。
トランペットの朗々とした響きで始まる第4楽章には、 「黄金虫は金持ちだ」 に似たメロディーが登場します。
あっ、アメリカ人にはそういう風には聞こえていないか・・・
ドヴォルザークのチェロ協奏曲のソリスト Eric Haugen 君は、プロのチェロ奏者になるために、現在ミシガン大学で勉強中の学生さん。
何と3歳半でチェロを始め、小学校から高校にかけての時期、このオーケストラのメンバーだったそう。
ものすごいテクニック!!将来が大いに期待されます。
地元出身ですので、温かい拍手がいつまでも鳴り止みませんでした。
彼の最初のチェロの先生も、20年近くこのオーケストラで演奏しています。
師弟での共演、さぞ感慨深いものだったでしょうね。
チェロの響きは、人間の声の周波数に近いと聞いたことがあります。
落ち着いた艶のある響きはとても魅力的ですが、低音ゆえにオーケストラの他の楽器とのバランスを考えるのは難しいらしく、ヴァイオリン協奏曲やピアノ協奏曲ほどには数が多くありません。
このドヴォルザークのチェロ協奏曲は、その中で一番好きという方が多いですね。
ブラームスが、「このような曲が書けると知っていたら、自分もチェロのための協奏曲をとっくに書いたのに。」 と言ったそう。 残念でした・・・
この曲、実はファーストヴァイオリンはとても暇なのです。
穏やかで美しい第2楽章なんて、数10小節も休みが続きます。 こんなに休める曲はめずらしいかも。
(ちゃんと小節数を数えていないと、落っこちますが。。。)
第3楽章の終わりのほうにも、コンサートマスターのとても美しいソロがあるので、それ以外のファーストヴァイオリンは休み。
普段はほとんど働きづめなのにね。
聴き惚れていると、夢の世界に入っていってしまいそう。。。
今回も、自宅練習は YouTube と共に。
ただヴァイオリンパートを弾いているより、ずっと楽しいです。
Gautier Capuçon というフランスの若いチェリストの演奏を選びました。
とても表情豊かで、色気を感じる (?) 演奏です。
おっと、練習中に淫らな妄想に浸ってはいけませんね。
★今日のコンサートのプログラムです★
Wretched Bloomed (James Young)
Symphony No.8 in G major, Op. 88, B.163 (Antonín Dvořák)
Ⅰ. Allegro con brio
Ⅱ. Adagio
Ⅲ. Allegretto grazioso - Molto vivace
Ⅳ. Allegro ma non troppo
Concerto in B minor for Violoncello and Orchestra, Op. 104 (Antonín Dvořák)
Ⅰ. Allegro
Ⅱ. Adagio, ma non troppo
Ⅲ. Finale: Allegro moderato - Andante- Allegro vivo
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